推定樹齢合わせて2400年—「神田の大糸桜」と「山高神代桜」を愛でる

昨日(8日)は、完全休養日2日目であると同時に、今回の八ヶ岳滞在の8日目、そして最終日となった。

そもそも、平日は八ヶ岳でノンビリと(かつ快適に)仕事をするために会社を設立し、セルフビルドでログ・オフィスを構えたのだが、世の中、思い通りにはならないものだ。

ここ数年は、1年を「川崎自宅」「八ヶ岳本宅&オフィス」「講演での全国各地訪問」で、ほぼ3分の1ずつ過ごすといった感じの慌ただしい生活を送ってきた。過去2年に限定すると、八ヶ岳滞在日数が減少傾向にあり、かつ、滞在期間がどんどん細切れ状態になっていった。

これじゃあ八ヶ岳にオフィスを構えた意味が無いと大いに反省。2018年は「月に1回は、最低でも1週間連続で八ヶ岳に滞在し、仕事に専念する」と決め、それを実行してきたのである。4月も、昨日で8日連続の滞在となり目標を達成した。

当初は、今日の早朝、社主さまと八ヶ岳を発つ予定であった。だが、一昨日、保有しているリゾート会員権の「河口湖」の施設に空きがある事が判明。規定の半分のポイントで利用できるので、急遽、八ヶ岳オフィスを昨日の昼過ぎに発ち、河口湖で1泊し「温泉」を楽しむ行程に変更。

河口湖なら、八ヶ岳から川崎自宅への帰路、ちょっと「寄り道」というロケーションなので、年に数回はこんな具合に気紛れな予定変更を楽しむ。そして当然ながら「社主さまおもてなしプラン」も組み直しが必要となった。零細企業経営者としてのセンスが問われる重要な局面である。

ここで「小鉢男」は考えた。「桜」には2通りの楽しみ方がある。ひとつは、一昨日の「高遠城址公園」のように、一面桜色という光景、即ち「桜の本数」に圧倒されて、酔いしれる状況である。もうひとつは「一本桜」と呼ばれる「桜の名木」の優美さや生命力をじっくりと鑑賞する手法だ。

幸い、オフィスから河口湖に向かう途中の北杜市には、この桜の「名木」が何本もある。Googleマップで、北杜市の桜の名所を表示して、桜の名木探訪のプランを組んだ。正午過ぎに八ヶ岳オフィスを発って、最初に向かったのが、旧小淵沢町の「神田(しんでん)大糸桜」https://www.hokuto-kanko.jp/sp/sakura_shinden)である。

樹種は「エドヒガン」の変種、樹齢は推定「400年」、山梨県の天然記念物に指定される名木だ。私はこの桜の「艶っぽさ」が好きで、開花期に八ヶ岳に滞在した際には、ふらっとお花見に訪れる。

神田の大糸桜を南西側から撮影した写真。北側と西側には暴風ネットがあるため残念ながら撮影ポイントは限定されてしまう。でも「妖艶さ」に衰えはない。

樹勢が衰えて、現在は、北と西側を無粋な防風ネット覆われてはいるが、枝垂れ桜が醸し出す独特の優美さはむしろ増しているように思える。また、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳を遠望できる絶好のロケーションは、偶然のものではなく、計算された上での「風景と桜が織りなす芸術品」であると感じる。

こちらは南東側からの写真。根回り8m、枝張り20m程。樹齢400年の巨樹である事が確認できる。

12時半から30分程、大糸桜とその周辺の風景を堪能。社主さまにご満足いただけたようなので、次の目的地へと向かった。旧武川村 実相寺境内の山高神代桜」https://www.hokuto-kanko.jp/sp/sakura_jindai)だ。

福島県の三春滝桜・ 岐阜県の淡墨桜と並ぶ 日本三大桜の一つで知名度は抜群。毎年、桜の開花期になると、どこかしらのテレビ局が紹介する程の桜なのだが、実は、私も社主さまも初のご対面である。樹種は「エドヒガン」で、樹齢は一般的には「2000年(或いは1800年)」と推定されている。

今回、HPで始めて知ったのだが、「日本で最古・最大級の巨木として大正時代に国指定天然記念物第1号となった」「平成2年には日本名木百選選定」「伝説では、神話の武将ヤマトタケルノミコトが東征の折に植えたと言われ、名前の由来になっている」等々、正に「伝説級のThe 桜」である。

実相寺着は午後1時40分。有料駐車場にD4を駐めて、案内板に沿って実相寺の境内の散策を開始。桜以外にも「水仙」がちょうど開花期で、桜のピンクと水仙のイエローのコントラストが華やかだ。

実相寺は最高のロケーションにある美しいお寺だ。桜の他にも、この時期は水仙の花の可憐な黄色を楽しむ事が出来る。

境内には「神代桜」以外にも、全国各地の有名な桜の「子孫木」が植えられており、それらがまた美しい。桜の花びらが取った地面は、まるで雪原のようで独特の風情があった。

実相寺境内には「神代桜」以外にも、全国から集められた桜の名木の「子孫木」が植えられている。写真右は「身延山久遠寺しだれ桜」の子孫木。優美で美しい。

さらに順路に沿って進むと、遂に「山高神代桜」とのご対面である。桜の木に「雌雄」はないと理解しているが、最初に浮かんだイメージは「仙人」である。悠久の時を生き抜いた樹木が発する独特の「神々しさ」が伝わってくる。

こちらが「山高神代桜」を境内側から撮影した写真。杖をついた仙人が、何かを語りかけているようで、思わず合掌してしまった。

思わず手を合わせたくなるのは、国宝級の土偶さんと対面した時と同じである。どんな角度から眺めても、やはり「仙人」だ。だとすれば、ここは「桃源郷」か?

こちらは境内の外に出て「神代桜」を撮影した写真。他の樹の花が背景として彩りを添えており「桃源郷」で微笑む仙人をイメージしてしまった…

なんて事を考えながら、実相寺境内を約40分散策。社主さまも、2日続いた「桜尽くしの旅」を高く評価して下さったようなので、河口湖に向かうこととした。

駐車場に戻り、D4のエンジン始動ボタンを押すと、初音ミクの「千本桜」がいきなり流れ始めた。「オイオイ、仙人にご対面の後は、ボーカロイドかよ…」まっ、これも「粋」ではあるな。

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