次に目指したツリーハウスは『Birds Eye View』である。地図で見ると「チーズハウス」からの距離はかなりある。
見学用の小径を歩いて行くと目の前に広場のようなスペースが開け、その左手奥にグリーンとイエローのグラデーションの構造物が見えてきた。Birds Eye Viewは、日本語訳すると『鳥瞰(図)』。
弊社が銀行業界のマクロ分析レポート『銀行業界鳥瞰図』を無料配信していた頃、私の名刺(旧版)の裏側には「Bird’s-eye View on Japanese Banking Industry」と記してレポートの紹介をしていた。ゆえに、とても愛着のある言葉だ。
当時、「鳥瞰図」の部分は「BEV」と略して表現していたので、このツリーハウスもそう表記する。ちなみに『BEV』のデザイナーは、Noma Bar氏である。
BEVに向かって歩を進める。直線と曲線が混ざり合った優美なデザインであり、グリーンとイエローのグラデーションが周辺の樹木の色に上手く馴染んでいる。
下方に突き出したウッドカラーの部分はステップであろうか。さらに近付いて後ろに回る。予想通り凝った造形のステップであり、かなり頑丈に作られているのがわかった。
この段階では、BEVの全体的な構造はまだよくわからない。脇に回って感動。最上部に「頭と目、嘴」がある。鳥さんじゃないか!! そして、まるで鳥さんの足のように支柱となる樹木が筐体の荷重を斜めに支えている。
さらに、この大きな鳥さんが見つめる先には、浅間山(だと思う)が悠然と佇んでいる。文字通り「鳥瞰」しているツリーハウスなのだ。
鳥さんの頭の側に展望用スペースがあるに違いないと確信し、正面から写真撮影するために、頭の前に回り込もうと試みた。だが、急傾斜地であり無理だった。
他のツリーハウス同様、BEVもハウスの内部は立ち入り禁止なので、勿論、絶景を堪能する事も出来ない。うーん、せめてBEVだけは、有料でも構わないから展望可能として欲しい!本気でそう感じた(それだけ気に入ったのだ)。
さて、見学・鑑賞後のWebチェック。デザイナーさんの解説文には「Treehouseのアイディアを考えていたある朝、偶然地面に落ちていた2枚の葉を見つけました。手に取りよく見てみると、その2枚の葉が重なりあった形が、まるで鳥のように見えたのです。葉の、はらはらと落ちたり、風に舞ったり上下に動く双対性を、飛行するオブジェクトに変換。」とか「内部の天井、床、手すりは葉と葉脈の形にしています。」と記されている。
BEVは「葉」で構成された「鳥」さんなんだ。再び感動である。
さらに、私が撮影したかったアングルからの「垂涎の1枚の写真」も掲載されていた。当『TRI稿房通信』に掲載している写真は、八ヶ岳の四季の様子や縄文土偶さん達を中心にそのほとんどは私が撮影したモノだが、例外的にBEVのこの写真は使用させていただく事とした。それ程、BEVの素晴らしさが伝わってくる素晴らしい写真なのだ。
それにしても「葉」と「鳥」で形作ったツリーハウス 兼 展望台か… プロのデザイナーの感性ってのは本当に凄いと思う。
よく考えたら「弊社のロゴ・マーク」でも感心したんだ。「Triglav(3つの山)」をモチーフに作成を依頼したら「Triglav 兼 八ヶ岳」に仕上げていただいた上に(https://triglav-research.com/?page_id=289)、トリグラフカラーの3色も修正なしでイメージ通りに作ってくれたのだ。
建築家さんとかデザイナーさんという職種(人種)の人達は、きっと神様から特別な才能を授けてもらったんだろうな…
さてと、小諸ツリーハウスプロジェクトで紹介するツリーハウスも残すところ2軒だ。