心を亡くすと書いて「忙(しい)」。本当によく出来た漢字である。心を亡くすような状態には陥っていないが、2016年は本当に多忙だった(まだ1ヵ月以上残っているが…)。
特に、お盆休み後には絶え間なく講演、プレゼンが続き、全国各地を飛び回っていた。結局、今年これまでに講演・プレゼンで訪れた金融機関の数は75行に達した。多い銀行になると5回は訪問しているので、実際にこなした講演の数は… 疲れがドッと出そうなので、敢えて数えるのをやめた。
年間500回近いプレゼンをこなしていたエクイティ・リサーチ・アナリストの時代は、ほとんどが東京、それに年数回の海外キャラバンが加わるだけだった。現在は、北は北海道、南は九州・沖縄と旅芸人稼業が続くので「濃さ」がまったく違う。
今年は「FinTech」という新たな芸風が加わった上での多忙さであったためか、不思議と疲労度よりも「充実感」や「ワクワク感」が勝っており、これが救いである。
全国各地で、「もうトリグラフ・リサーチ稿房は書かないの?」とか「オフィスのウッドデッキは完成したの?」といった類の質問が寄せられる。「多忙のゆえの休稿中です。」とシンプルに答えることにしている。
私は、何事も優先順位を付けをはっきりとし、「出来ないことはやらない。安易に引き受けない。」ことを信条としている。要は「稿房通信」にまで時間を割く余裕が無かったのだ。「来年から再開しようかな…」—先週まではそんな事を考えていた。
今週の火曜日(22日)、地方銀行協会の業務研究会向け講演を終えて、東京での複数金融機関向け講演が一段落した私は、昨日の早朝、久し振りに八ヶ岳オフィスに出勤した。
川崎自宅を午前5時半に出て、オフィス着は7時半ちょっと前。2016年9月中間決算の分析作業後半戦のために、数日滞在の予定だ。昨日は祭日だったので、分析作業は一切行わず、午前中は、名刺整理や書類のスキャン等をこなした。
午後からは、大好きな「X-ファイル」名作選の鑑賞にドップリと浸かった。X-ファイル2016の放送開始は大きな喜びである。「シーズン11の製作は正式に決定したのだろうか?」「ジリアン・アンダーソン。年齢を重ねてもやっぱり美しいなぁ…」なんて事を考えながら、本当に平穏な1日を過ごした。
昨日の八ヶ岳オフィスは、ほぼ1日快晴。今年は暖冬のためか、落葉のペースが遅く、まだ唐松の葉が落ちきっていなかった。恒例行事である敷地内の樹木への「銀シート巻き」は、次回滞在時にしようと思える程、オフィス敷地内は穏やかな雰囲気で満たされていたのだ。
が、今朝、6時半過ぎに目覚めると、オフィス周辺の雰囲気は一変していた。こんなに極端な変化は、16年に及ぶ我が「八ヶ岳ライフ」において、初めての経験である。これから先は、文章でなく「八ヶ岳オフィス八景」と題した8枚の写真でお伝えしようと思う。
天気予報で積雪になるかもしれないことは認識していたのだが、まさかこんなに積もるとは… 全国各地で多発する地震に、異常気象。私には「地球が怒っている」としか思えない。
まあ、そんなわけで、「稿房通信」は予期せぬタイミングでの再開と相成った。
トリグラフ・リサーチ 稿房主
【八ヶ岳ライフ】