【縄文土偶探訪記 Season 3 Vol.9】浅間縄文ミュージアム(長野県)

訪博物館: 長野県 浅間縄文ミュージアム
http://w2.avis.ne.jp/~jomon/
探訪日: 2016年11月2日
探訪目的:長野では珍しい遮光器土偶さんと謎の異形の土偶さん

2016年10月の全国巡業で、北は青森、南は宮崎まで飛び回った私は、11月第1週はちょっと休みを取る事にした。こういう時に自身の判断で柔軟にスケジュールを組む事が出来るのが「零細企業経営者の強み」である。

保有しているリゾート会員権のポイントも2016年分がまだ残っていた上に、草津温泉の会員施設にちょうど上手い具合に空きがあった。そこで、急遽、家内と2泊3日の「草津温泉巡り」の旅を企画。オフィス所在地の長野県富士見町から群馬の草津温泉までには様々なドライブルートがあるが、佐久経由、上田経由でも距離は120~130km、所要時間は2時間半前後だ(高速道は使わない)。草津までの往復や温泉巡りのついでに「土偶さん探訪」を効率的に組み込む旅のプランを立てた(決して土偶さんメインではない)。

最初の探訪博物館は、草津までの往路の途中にある「浅間縄文ミュージアム」である。探訪日は11月2日。ここは2014年12月4日以来の2回目の探訪だ。浅間山麓の縄文文化を象徴する有名な博物館で、オフィスお膝元の「八ヶ岳縄文文化」とは、また趣が異なる。素晴らしい造形の土器・石器の展示物が充実しているが、土偶さんの展示は数点であったため(ここも八ヶ岳系との違い)、お蔵入り状態となっていたのだ。2度目の訪問に際しての事前調査で、「浅間山麓の古代文化」展という企画展が開催中であり、土偶さんが数点出展中である事を確認。どんな土偶さんに探訪できるか胸を躍らせての旅となった。

愛車D4でミュージアムに着いたのは午前11時20分。入館料500円を支払い、エントランス通路右手側にある常設展示室に向かった。

「浅間縄文ミュージアム」の外観。実際はもっと大きくて立派な建物なのだが、全景を上手く写すスポットがなく、エントランス付近を撮影。

入り口には、有名土面さんや有名土偶さんのレプリカがカットされた木の幹の上に並んでお出迎え。お洒落な展示である。

常設展示室前では有名な土偶さん、土面さんのレプリカがお出迎え。こういう遊び心は大切である!

常設展示室では、縄文早期から後期までの幅広い年代の様々な土器の造形美を堪能。そして常設展示室の「透明アクリルパイプ」の中に展示された土偶さんに「ご無沙汰しておりま~す」とご挨拶。

初回訪問時にもお目に掛かった土偶さん。宮平遺跡出土。太いアクリルパイプの中に展示されており、様々な角度から鑑賞可能となっている。

と、ここで、前回ご対面した記憶のないお鼻の尖った亀の顔のような雰囲気の土偶さんに遭遇。「土偶(顔)」としか解説がないため、出自等は不明だが、とりあえず写真をパチリ。

ん?この土偶さんは誰だ… 前回探訪時に常設企画展示室にはいらっしゃらなかったような気がする。「土偶(顔)」としか解説がないので詳細は不明。この土偶さんも何故かピントが合わせづらい(稀にある現象)。

常設展示室滞在時間は15分強。企画展示室へ向かう途中にあるミュージアムショップで一筆箋等を購入し、ついでに企画展示室での写真撮影の可否を確認。結果は「OK」だった。企画展示室でも縄文土器の美しさが目を引く。

さあ、企画展示室に入るぞ。部屋に入る前から、素晴らしい造形の縄文土器群が垣間見えた。

さて、お目当ての土偶さん達はどこだ? すぐに発見。「遮光器土偶」さんの立派なお顔が展示されていた。八ヶ岳縄文文化圏では「吊り目美人さん系」土偶の存在感が圧倒的なので、長野で見る遮光器土偶さんは新鮮であった。

企画展示室で遮光器土偶さんのお顔と対面。石神遺跡(小諸市)出土の縄文時代晩期の土偶さんだ。「小諸市教育委員会 蔵」。長野で遮光器土偶さんにご対面できるのは珍しい!

その右隣には、何とも表現が難しい「異形の土偶さん」が… このタイプの土偶さんはどう呼んだらいいのだろうか? インパクトは抜群なのだが、ちょっと愛称が思い浮かばなかった。それに、よく似た雰囲気の土偶さんに、どこかでお目に掛かった記憶があるのだが、それも思い出せない。

こちらの土偶さんは異形である。何と呼んでいいのかアイデアが湧いてこない。縄文時代晩期の土偶さんで、こちらも石神遺跡(小諸市)出土。「小諸市教育委員会 蔵」。

ふと気が付くと探訪予定時間の30分を既に過ぎていた。初回訪問時はお目にかかれなかった土偶さん3体とCEUD。こうして草津温泉&土偶巡りの旅は好スタートを切ったのだ!

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】