探訪博物館: 宮城県 東北歴史博物館
(http://www.thm.pref.miyagi.jp/index.php)
探訪日: 2016年10月28日
探訪目的:ガッチリ体型の遮光器土偶(まきしゃん)さん
2016年10月27日~28日は1泊2日の東北巡業。「今年、東北を回るのは何回目かな?10回は軽く超えてるな。20回にはさすがに届かないか…」そんな事を考えながら、27日の朝5時ちょっと前に川崎自宅を発った。
今回の東北トリップは、青森→仙台→盛岡と移動するやや変則的なルートだ。本当は盛岡で宿泊して岩手県で未探訪の考古博物館を訪れたかったのだが、翌29日は朝から予定があったため断念。
土偶さん探訪の空き時間は、28日11時からの@仙台講演前までの限られたスロットしかなかった。当初は「仙台市縄文の森広場」の探訪を企図したのだが、28日の朝、ホテルで念のためWeb検索したが、縄文土偶さんが展示されているかどうか確認できなかった(粘土での土偶さん作りの体験は出来る)。
そこで、Evernoteの【縄文土偶探訪記】ノートブックにストックした情報を再検索。仙台駅からJRで15分程の国府多賀城駅のすぐ側の「東北歴史博物館(東北歴博)」にガッチリした体型の遮光器土偶さんが収蔵・展示されている事が確認できた。急遽予定を変更し、開館時間の9時半に間に合うように9時ちょうど発のJR東北線で仙台駅を発った。
国府多賀城駅着は9時14分。東北歴博は、Webの利用案内には「駅の隣」と記されているが正にそんな感じだ。広大な敷地の中に堅牢なイメージの立派な建物が佇む。
開館と同時に円形の広々としたエントランスホールに突入。受付で入館料460円を支払って、エントランス奥にある「総合展示室」へと向かう。
ここは「縄文時代」オンリーの博物館ではなく、「旧石器時代」から「近現代」まで12の時代毎に展示テーマとコーナーが分けられている。時間に余裕があるわけではないので、迷わず「縄文時代」へ直行。
土偶さん達の展示コーナーはすぐに見つかった。だが、これまで探訪・ご対面してきた東北地方の有名土偶さん達のレプリカが多い事が一目でわかった。近付いて確認すると、解説プレートの左上にレプリカには当たり前だが「複製」と表示されている。
今回の探訪のメインターゲットであるガッチリ体型の遮光器土偶さんは、左に東京国立博物館でご対面済みの遮光器土偶さん、右に福島県の「じょうもぴあ宮畑」でご対面した「腕組み土偶さん」の両レプリカに挟まれて胸を張っていた。
遮光器土偶さんには、左隣の恵比寿田遺跡出土の土偶さん(国指定重要文化財)のようにスラッと体型タイプのものも多いが、こちらは「しゃこちゃん」と同じ見事なガッチリ体型。両足も揃ってほぼ完成形であり「宮城県指定文化財」に認定されている。
さて、他に「複製」表記のないレア物さんはどこ? と探すと見事な「岩偶」を発見。
そしてその左下には繊細な作りの「角偶」が並ぶ。岩遇はこれまで何回かご対面してきたが、角遇は初めてのような気がした。3,000年前のものがよくこんな姿で発掘されたなと感心した。
縄文コーナーの展示物をレプリカを含めて丹念に鑑賞していたら既に15分強が経過。10時15分過ぎには博物館を出て国府多賀城駅向かう予定だったので、石器時代のコーナーに戻って、総合展示室を時代順に楽しむ事とした。
その後、博物館に隣接する「今野家住宅」も見学。総滞在時間45分強で、東北歴博の探訪は無事に完了。
これまで、東北太平洋側の考古系博物館探訪は順調に進んできた。2017年は「日本海側(秋田・山形)」に比重を移そう!
トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】