【縄文土偶探訪記 Season 3 Vol.2】新潟県立歴史博物館(新潟県)

探訪博物館: 新潟県 新潟県立歴史博物館
http://nbz.or.jp/
探訪日: 2016年3月9日
探訪目的: 「土偶型容器(国指定重要文化財)」 他

2016年3月9日は、長岡市と新潟市で日帰りのお仕事。長岡での所用の後、新潟への移動の前にかなりの空き時間が確保出来たので、長岡市にある2つの歴史(考古)博物館の弾丸ツアーを組んだ。

最初の目的地は「新潟県立歴史博物館」である。所用を済ませた後、ちょうどうまい具合に長岡駅から歴史博物館に向かう路線バスに乗り込めた。雪がパラつく生憎の天気の中、40分強の路線バスの旅を楽しむ。博物館着は10時45分ちょっと前。堂々たる施設に圧倒された。

「新潟県立歴史館」の施設のごく一部分。広大すぎて全体を撮影する事が出来ない。ピンぼけしているように思えるかもしれないが、雪がかなり降っているためである。

入館料510円を支払って探訪開始。広大な施設なので、常設展示の内、「縄文人の世界」「縄文文化を探る」という2つの展示スペースを優先的に見学する事とした。まずは「縄文人の世界」。「竪穴住居」「「冬の狩り」「春の採集」「夏の海」そして「秋の広場」という各テーマで縄文人の生活を再現。見応えは抜群だった。

「縄文人の世界」の『冬の狩り』。毛皮に身を包み、縄文犬を引き連れた縄文人たちが、ニホンジカを解体している情景を復元したもの。縄文人の「ジビエ料理」の光景とも言える。鹿か… 八ヶ岳にもウンザリする程、沢山生息しているな。縄文時代もそうだったんだろうな。

続いて、土偶さんや火焔土器等が展示されている「縄文文化を探る」スペースに移動。兎に角、展示物の数に驚く。「火焔土器」の展示スペースは、壁面にまるで中空に浮かんでいるかのようにズラッと火焔土器が並んでおり幻想的な雰囲気を醸し出していた。

火焔土器は新潟県内の信濃川流域を中心として発見されている。オフィスに近い「井戸尻遺跡」の「水紋」土器と並んで、その造形美には溜め息が出る。

土偶さんは、国宝土偶さん等のレプリカと館収蔵の土偶さんが混在して展示されており、こちらもかなりの迫力である。「壊れた土偶(土偶さんはわざと壊されるものなので当たり前だが…)」と解説プレートに描かれた「見慣れぬ大型の土偶さん」を3体発見。

「壊れた土偶」縄文晩期/出土地不祥/館所蔵とのみ解説された土偶さん。これまで写真集とかで見た記憶が無い。

写真撮影の上、迷う事無くWeb掲載の対象に決定した。

こちらも「壊れた土偶」縄文晩期/出土地不祥/館所蔵とのみ解説された土偶さん。うーん、これもレア物だな。なんとなく「クリオネ」に雰囲気が似ている。

これまで、土偶さん系の写真集で見た記憶の無いものばかりだ。やった!レア物ゲット。雪の中、無理してここまできた甲斐があったぞ!

またまた「壊れた土偶」縄文晩期/出土地不祥/館所蔵とのみ解説された土偶さん。遮光器土偶としてはかなりの大型で、パーツが揃っていたら「国指定重要文化財」クラスかな?

そして、探訪のメインターゲットであった「土偶型容器(国指定重要文化財)」にもご対面。人間(?)の上半身を模したものだが、頭部と顔面はない。事前に予想していたよりもかなり大きく(高さは45cmもある)、これまでこんな感じの「土偶さん系」展示物を見た事はなかった。

「国指定重要文化財」の『土偶型容器』。新潟県村尻遺跡出土品である。縄文時代の物と思ってたら、解説プレートには「弥生中期」と書かれていた。「弥生時代に東日本で発達した、土器を骨蔵器として利用した再葬墓の様相を示す良好な資料」との事。ナルホドね。

縄文系の展示スペースを約35分堪能した後に、足早に他の展示スペースを回る。計画していた45分が経過したので、エントランスに戻り、次の探訪予定先である「馬高縄文館」への移動方法を受付の方に確認。タクシーの待ちはなく、呼ぶとなるとかなりの時間がかかるとの事。「歩けば10分程だと思いますよ。雪だからもう少し時間がかかるかしら…」との事だったので、「雪中行軍」を決意した。

【縄文土偶探訪記】は、過酷な環境の中でも粛々と任務を遂行する事に意義があるのだ!

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】