人間齢50を超えてくると、「肩の荷が下りる」という言葉を実感する機会が増えてくる。
子供の就職や結婚等、慶事もあれば、親の看取りのような場合もある。
会社の定年退職や住宅ローンの完済等々、人によってそう感じる局面は様々ではあろうが、個人的にはそんなイベントに一区切りがついて、思わずホッとする瞬間が堪らなく好きだ。
一昨日の「1年の内で一番憂鬱な日」、昨日の「人間ドック」を経て、今日の私はそんな気分にたっぷりと浸る事が出来た。
実は、今回の新百合ヶ丘自宅滞在中の「最重要イベント」は今日の午後1時半からの表参道での会食であった。
お相手は、次男のフィアンセSちゃんとそのご両親。
Sちゃんは、八ヶ岳にも自宅にも、もう何回も遊びに来てくれていたので、私的にはとっくに「我が家のお嫁さん」だった。
でも、入籍はまだであったし、ご両親にお目に掛かるのは今日が初めてだった。
ご両親はお二人とも教職に就いておられ、お父様は野球部の監督として4回も甲子園に出場した経験がお有りとの事。
体育会系の鬼監督のイメージがチラッと頭に浮かんで、私には珍しくちょっと緊張気味で会食に臨んだ。
だが、まったくの取り越し苦労だった。
お二人とも気さくで、誠実さが伝わってくるお人柄。
ナルホド、こういう素敵なご両親に育てられるとSちゃんのようなお嬢さんになるんだな…
思わず納得してしまった。
約2時間半の会食を堪能。
会食後、次男とSちゃんは、そのまま入籍手続のために新宿に向かった。
ああっ、これで3人の息子達全員の結婚が無事に済んだな…
表参道から新百合ヶ丘まで30分にも満たない電車の移動時間ではあったが、親としての安堵感と達成感にしばし浸った。
おそらく社主さま(家内)も同じ思いであっただろう。
新百合ヶ丘駅に着いたのは午後5時少し前。
ちょっと買い物をした後、社主さまと2人、自宅までノンビリと歩いて帰る事にした。
ペデストリアンデッキを歩き始めると、午後5時を告げるメロディーが流れた。
やがて、駅周辺のイルミネーションが控えめではあるが、時間差で灯り始めた。
決して派手さのない控えめなイルミネーションであるが、エルミロードからマプレまで約200m、私と社主さまの歩く道を照らしてくれたのだ。
まるで、新百合ヶ丘の町がお祝いをしてくれているみたいだな…
八ヶ岳も私達に優しいが、新百合ヶ丘も「粋(イキ)」な事をしてくれるじゃないか!
親としての喜びとデュアル・ライフの楽しみを味わった「とっても素敵な1日」となった。
by『八ヶ岳稿房主』