「究極のシンプルハウス」建築現場を見学 — 通勤中の道草は楽しい!

昨日までに新百合ヶ丘自宅での所用をすべて終え、朝の9時10分過ぎにD4で自宅を発った。そう「出勤」である。

ノンストップで走行すれば八ヶ岳オフィス到着は11時ちょうどだな。誤差は2分以内にしよう! と決めて、一般道も中央道も渋滞のない中、快調に走行。

だが、笹子トンネルを通過したところで、「そうだ!山梨県立博物館に寄らなくちゃ。」と気が付いた。2月2日に三十三番土偶札所巡りを結願した社主さまの記念品をまだ貰っていなかったのだ。急遽予定を変更し、勝沼ICで下りて山梨県立博物館へ向かった。

博物館で記念品を受け取って駐車場に戻ると、D4が「これから先は中央道ではなく、ノンビリと一般道を走行してオフィスに向かうことをご提案します。」と、私に話し掛けてきたような気がした。

山梨県立博物館の駐車場でD4が私の意識(心)に直接語りかけてきたような気がした。「世の中、目に見えるもの、耳に聞こえるもの、触れるものがすべてだ」なんて考え方じゃ、面白くないよな!

さすが「英国車」、丁寧な物言いである。愛車(社用車)の提案を無下に断るわけにも行かず、「道草通勤スタイル」にモードチェンジした。

途中、コンビニや道の駅に寄ったり、景色の良い場所では路肩に駐車して写真撮影したりと、正に「まったり道中」。

博物館から1時間程走行したところで「梅之木遺跡」が近いことに気が付いた。ここも「お外珈琲」の候補地である。ついでにちょっと寄って行くことにした。

開放感抜群の景色が素晴らしいのはいつも通りだった。だが今日は別のポイントに目が釘付けになった。建築(復元)中の「竪穴式住居」があったのだ!

梅之木遺跡の開放感抜群のロケーションにはいつ訪れても感動する。ここも井戸尻遺跡と同様「お外珈琲」決定だ!
写真中央の建築中の竪穴式住居を見つけた時は小躍りしてしまった。

「梅之木遺跡」の竪穴式復元住居は、他の縄文遺跡とは趣が異なる。芦や茅などで葺いた屋根ではなく、土葺き屋根で地面と一体化したような構造なのだ。

最近の学説では、この「土葺き型」が縄文時代の竪穴式住居としては主流であるらしい。

梅之木遺跡を訪れる度に復元住居の中に入って予想以上の広さと高さに感動。「これ、どうやって建てるんだろうか?」と興味津々だったのである。

建築中の現場に遭遇したのは今回が初めて。そして広大な敷地内に人は私一人。心置きなく構造を見学させて貰うこととした。

オフィスをセルフビルドした経験から、建物の構造や荷重のかかり方、部材の材質や接合方法等々、それなりの知識と興味がある。

今回、柱の組み方が初めてわかった。柱の土に接する部分は焼いて腐蝕止め(木材腐朽菌の侵入を防ぐ)をちゃんとするんだな。
建築中の竪穴式住居の中に入って柱と柱の接合方法を細かくチェックした。土留めは木の樹皮を編むようにして作るんだな。アートだな…
天井の中央は柱を重ねないのかな? そうか、この上に「通風・換気」用の構造物をさらに置くのだな!

10分程、建築中の住居を事細かに観察した後、周辺にある完成済みの復元住居を改めて見学した。

こちらはほぼ完全な土葺き状態。夏場になると草が生えて「草葺き」になりそうな気がする。
これは土葺きの屋根の上に、さらに樹皮を拭いたのだろうか? 一見すると高さがないように思えるのだが、中に入ると室内の高さと広さに驚く。
こちらは「土葺き」ではなく、樹皮で屋根を作ったタイプだ。強度的にも外観的にも「土葺き」には劣るように思える。

その結果、頭に浮かんだ言葉は「究極のシンプルハウス」だった。

縄文人って「芸術家」であると同時に有能な「クラフトマン」の集団だったに違いない。D4の提案を素直に受け入れたお陰で、とっても良い勉強になったぞ。

結局、オフィスに到着したのは午後1時過ぎ。通勤に4時間弱か… 通常の倍の時間を要したけれど、「道草」って本当に楽しいな!

 


セカンドハウスランキング