今朝、社主さま(家内)から、溜まった薪ストーブの灰を庭に撒くようにとの社命が下った。
灰をソメイヨシノの根元に撒いて戻ったら、今度は、薪を運んできて欲しいとの事。我が社の権限は、社主さま>代表取締役なので、私は素直に従った。
薪をキャリーバッグに入れながら思った。私が薪ストーブ絡みの作業をするのは久し振りだな…
我が家(社)は、IoT化を中心とした、所謂、「ハイテク&利便性重視型機器」は私が所管、「シンプル&癒し効果重視型機器」は社主さま管理と、役割分担が明確だ。
そして、「薪ストーブさん」については、社主さま「専担」とも言える扱いになっている。
思えば、23年前に八ヶ岳本宅を購入する際に、薪ストーブ設置は、ログハウスである事に次ぐ「優先事項」だった。
八ヶ岳ライフを始める前は、暖房は薪ストーブだけで大丈夫なのかなと思っていた。そんな事を話したら、不動産屋さんや設備業者さん等々、会う人会う人に笑われた。
「八ヶ岳の冬はそんなに甘くない。据え置き型の大型石油ファンヒーターと大型灯油タンクの組み合わせが暖房機器としてはメイン。薪ストーブは補助的な暖房として、ちょっと贅沢に楽しむもの。」というのが、業者さん達の共通したアドバイスだった。
私には珍しく、この意見には素直に従った。そんなわけで、本宅もオフィスも「サンポット(SUNPOT)くん」が我が家(社)のメインの暖房機器である。
薪ストーブについては「癒しの暖房機器」としての位置付けとなったが、機種の選定については私も社主さまも共通のこだわりがあった。
「あの黒くて四角くて武骨な雰囲気(薪ストーブのランクルやLand Rover)の薪ストーブって、どこのだろうね?」なんて話していたのだが、やがて「ダッチウェスト」製と判明。迷うことなく設置を決めた。
その際に「これは薪ストーブ界のベンツみたいなものです。」っていう業者さんの言葉に、イラっとした(そっちの路線は好みじゃないって…)事を記憶している。
この「薪ストーブさん」、兎に角、お金が掛かった。
イニシャルコストとして、機器本体に煙突、耐火煉瓦製のベース、それぞれの設備工事費+屋根工事費。ついでに様々なメンテ用品(飾り兼用)や薪用の置き台も購入。
さらに、薪の保存場所として、下(床)には枕木を敷き詰め、上(屋根)には本宅メインウッドデッキの増設工事を行った(勿論、セルフビルドだが…)。
これらをすべて合わせれば、軽自動車1台(それも上級グレード)は軽く買えるはずだ。
さらに、薪ストーブ業者さんの「薪ストーブには広葉樹が一番優しく、火保ちも良い」との言葉を忠実に守り、我が家の「薪ストーブさん」は22年間、たったの1本も針葉樹を燃やした事がない。
広葉樹が足らなくなった時は、薪を購入してきたのである。
メインテナンスに手間暇掛かり、維持コストも馬鹿にならない「薪ストーブさん」ではあるが、冬場に私達に与えてくれる「効用(楽しみ)」は、それを大きく上回る。
「対流」と「輻射熱」という薪ストーブの2大特性がもたらしてくれる暖かさは、ひたすら優しくて穏やかだ。
アンドレ・ギャニオンの名曲「明日」が最高に似合う。
また、ガラス越しにゆらめくオレンジ色の炎や煙突から立ち上る白い煙を眺めているとなぜかホッとする。
やはり、「薪ストーブ」と「焚き火」は、八ヶ岳ライフにおける「楽しみ」の双璧なのだ!
それに、最近思うことがある。
私が所管する「IoT化された家電や情報機器」は、実は脆い。
停電になればタダのお荷物だし、某国が既に配備していると噂されている「電磁パルス攻撃」を受ければ、壊滅的(かつ長期に亘る)被害は避けられないだろう。
利便性を追求すると同時に、縄文時代に逆戻りしたとしても生き残るために何が必要か?
そんな事を考えると「火と木」さえあれば、私達に温もりも与えてくれるし、調理の手段ともなる「薪ストーブさん」は、間違いなく頼りになる。
これからの時代の、おそらく「最強の用心棒」だろう…