一昨日の夕方、枕木アプローチ周辺で作業をしていた際に、左足ふくらはぎに激痛が走った。すぐに痛みのあった場所を見ると、体の色が黄と黒の小型の蜂が、ふくらはぎから飛び去った。瞬間、スズメバチに刺された事を悟った。八ヶ岳に第二の拠点を設けて今年で19年目。ブヨやアブに刺された事は何度もあるが、蜂は初めて。スズメバチとなると人生で初めての経験である。
大きさから見て、攻撃性も毒性も強い「オオスズメバチ」でないのは明らかだった。周辺に他の蜂は見当たらず、一斉に襲ってくる「キイロスズメバチ」でもなさそうである。この2種類に刺されたのであれば、直ちに「富士見高原病院」に駆け込むところなのだが、刺したハチはどう見ても「コガタスズメバチ」と思われた。
そこでとりあえず、自分で応急処置をして様子をみる事にした。すぐに、本宅外の蛇口で刺された場所を水で洗い流した。その後、オフィスに戻って。改めて刺された部位を観察。蜂の針は残されていなかったので、救急箱備え付けのポイズンリムーバー(毒の吸い出し器)で患部を吸引。
蜂に刺された時の「特効薬」という事で、本宅購入の際にお世話になった不動産屋さんにいただいた「スズメバチの焼酎漬け」を脱脂綿に浸して、刺された場所に何度も押し当てた。続いて「キンカン(私は効くと信じている)」、抗ヒスタミン剤入りの軟膏と塗って、最後に保冷剤を包んだタオルで冷やす。幸いなことに「アナフィラキシー・ショック」らしい症状は現れなかった。そして、コガタスズメバチに対する『報復』は、その日は見送る事にした。
刺された後の対応が良かったためか、酷い痛みやふくらはぎ全体の腫れはなかったが、さすがにスズメバチの仲間である。一晩経過すると、刺された部位周辺は、腫れて熱を持ち赤くなっていた。そしてふくらはぎ全体が「痛痒い」。
私は、基本的には「平和主義」で「穏やかな性格」である。自分から攻撃を仕掛けるような事はなく、我が敬愛する日本国の自衛隊のように「専守防衛」を旨としている。例外が「蜂の巣」に対する攻撃であり、今年もオフィスの軒下中心に、既に10個あまりの蜂の巣を(大きくなる前に)駆除してきた。これは我が同盟国である「トリグラフ・リサーチ株式会社」への蜂の侵略行為に対する「集団的自衛権」の行使と言える。
だが、今回のコガタスズメバチの攻撃は、私個人に対する「奇襲」だ。売られた喧嘩には「最低5倍返し、それもなるべく陰湿な方法で報いる」というのが、私個人の嗜みである。
前々から、「届く範囲の蜂の巣であれば、特製の突撃棒の先に刷毛を取り付けて。黒蜜やリンゴジュースを浸して、蜂の巣のシェルの一部を崩す。そして、黒蜜やリンゴジュースの臭いに誘引された蟻に巣丸ごと壊滅させる。」というファンタスティックな報復手段を考えていた。「毒(蟻)をもって毒(蜂)を制す」である。
この作戦が有効かどうかを確かめる格好の機会の到来だ! そう考えて、コガタスズメバチに刺された枕木アプローチの周辺を丹念に探したのだが、どうしても巣を見つける事が出来なかった。「流しの蜂(そんなのいるのかな?)に運悪く刺されたのだろうか?」と思い「報復」を諦めかけた。
だが、昨日の夕方、長男が枕木アプローチの隙間から、スズメバチが飛び出してきたと私に報告してきた(優秀な斥候である)。すぐに様子を見に行くと、確かに枕木と枕木の隙間から出入りする蜂がいた。頻繁にではなく、時々という感じなので、まだ巣は小さいのだろう。蜂の種類は「コガタスズメバチ」で、出入りする場所は、正に私が刺された辺りだった。
枕木アプローチは、土台としてレールのように枕木を敷いた上に、アプローチとして枕木を並べて置いてある。そのためレールの間(隙間)は空洞になっている。コガタスズメバチはこの空間に巣作りをしているようだ。
アプローチとなる枕木とレールの役割をする枕木は、カットした鉄筋を釘として打ち込んであるので、それを外すのは面倒である。そのため「蟻をもって蜂を制す」作戦は断念せざるを得なかった。代わりに閃いたのが「毒ガス室」作戦である。
軒下と異なり、枕木アプローチの下のスペースは「密閉空間」だ。コガタスズメバチが出入りしている隙間以外は、土や枯れ葉で隙間が埋まっていた。そこで、常備している殺虫剤の中では最も強力な「マグナムジェット」を隙間からタップリと噴霧。密閉性を高めるために噴霧後は2X6材を隙間の上に被せた。第1次攻撃の20分程後に、2回目の噴霧を実施。これで、コガタスズメバチ達は壊滅だろうと確信。
今日になると、刺されたふくらはぎの「痛痒さ」がさらに酷くなった。腹が立ったので、夕方、止めを刺すように巣作り防止効果が1か月持続する「バズーカジェット」もタップリと噴霧。「どうだ コガタスズメバチ。思い知ったか。相手をよく見てから刺せよ!」
明日は、念には念を入れて、枕木の隙間から「クレオソート」を流し込んでやろうかな…