弊社の本業である「銀行業界の調査・分析」については、銀行アナリスト稼業27年間で積み上げてきた膨大なデータ、経験、そして、絶対の自信がある「情報ネットワーク」が構築できているので、そんなにあくせくしなくても、通常の業務ならばこなして行く事が出来る。でも、巡航速度での運転(業務運営)は、やや退屈で刺激に欠ける。だから、「プレミアム分析サービス」などという新しいビジネスに取り組もうという気が起きてくる。
知的好奇心を満たすという意味で始めたのが、子会社「トリグラフ縄文土偶研究所(勿論、会社組織化はしていません)」である。最近、Web上で、『縄文土偶探訪記』 をアップしていないが、実は、引き続きかなりのハイペースで全国各地の博物館を訪れ、縄文土偶との対面を果たしている。Web経由の「縄文土偶情報の提供(どぐたれ)」もパラパラと舞い込んでおり、先週土曜日の九州講演の後に、どぐたれをベースに鹿児島県「上野原縄文の森」を訪問してきたばかりだ。
『縄文土偶』に関しては、既にかなりの数の専門書籍も読みこなした。90分程度の講演で、全国各地で対面した土偶の写真等を用いながら、その魅力を伝える事が出来ると思う。私的には「文化系趣味」としての合格ラインに達したと感じている。そんなわけで8月に入ってから、いくつか新しい取り組みを始めた。
取り組みのひとつが「地球規模で起きている巨大自然災害」に対する知識の向上とささやかな抵抗である。きっかけは、7月全国講演の最終日翌日(31日)に、NHK特集 『巨大災害 MEGA DISASTER 地球大変動の衝撃(全5回)』 をアーカイブで通しで視聴した事だ。以前、同じNHK特集の「MEGAQUAKE」に嵌まって、すっかり「地震通」になったと書いた事がある(https://triglav-research.com/?p=12372)が、巨大災害への興味が、台風や火山噴火を含めさらにスケールアップしたわけである。
特に興味を持ったのが「火山噴火」だ。いきなり専門書を読む事はせずに、石黒耀氏の著名な火山噴火小説 『死都日本』 『富士覚醒』等々、8冊程読み込んだ。その結果、「破局噴火」「噴煙柱崩落火砕流」なんて言葉が、サラッと語れるような知識が身に付いた。「火山噴火」と「縄文文化の衰退」には密接な係わりがあるようで、土偶の形状変化と火山噴火の関係などは、深掘りすれば、とてもお洒落な研究テーマとなるように思える。
「これからの時代 、巨大自然災害に対する知識や備えの無い人間は生き残れない」というのが、私的な結論だ。防災対策は、川崎自宅、八ヶ岳オフィス共にそれなりのレベルにあるが、さらなる充実のために準備を進めている。同時に、八ヶ岳オフィスの気象変化については「24時間常時観測体制」を構築する事に決めた。「トリグラフ八ヶ岳西麓気象観測所」の開業である!
ちょっと大袈裟に書き過ぎたが、24時間全国どこにいても八ヶ岳オフィスの室内、室外の状況をリアルタイムで観測できる「私設百葉箱」の設置を目論んだのだ。結構、色々なタイプの機器が販売されているのだが、ネットで評判の良い「netatmo ウェザーステーション」を選んだ。室内・室外ユニットからなるメイン・キットだけでも、室内は「室温・湿度・CO2濃度・気圧・騒音値」、室外は「気温・湿度・体感温度」を測定・表示し、これらの推移や天気予報まで示してくれる。
まずは、メイン・キットから導入し、8月中旬から気象観測を開始した。川崎自宅や九州の出張先から、かなり頻繁にデータを確認したが、まったくエラー等発生する事無く、淡々とデータを記録し続けている。何故か湿度だけは、室内・室外共に、他に所有している3台の湿度計よりも15~20%高く表示されるのがちょっと気に入らない。
ちなみに、上記サマリー・ページと同時刻の「国内製 温度計・湿度計」の表示は、室内温度が 22.9℃、湿度が53%だった(勿論、冷房なし)。最も精度が高いと信頼しているフィールドワーク用の「高度・気圧・温度・湿度等計測機器」の表示が、同じく 22.9℃、51%だったので、もしかすると、湿度については国内用になんらかの設定変更が必要なのかもしれない。まあ、この点を除けば、十分に合格点だ!
メイン・キットが使えるとわかったので、今朝、同時購入していた「雨量計」も取り付けた。今日の午後から、かなりの雨が降る予報なので、早速、試験運用開始となる。この他「風速計」もオプションで販売されているようだが、残念ながら、まだ日本未発売である。「風速計」が加われば「トリグラフ八ヶ岳西麓気象観測所」は完全稼働する事になる。おそらく、最終的には「地震計」の設置まで行き着く事になるだろう!
トリグラフ・リサーチ 稿房主
『TRI稿房通信』 Vol.11