【縄文土偶探訪記 Revival Season Vol.1】 大館郷土博物館(秋田県)

探訪博物館: 秋田県 大館郷土博物館(http://odate-city.jp/museum/
探訪日: 2019年3月27日
探訪目的: 「塚ノ下遺跡出土土偶」アスファルト目の土偶さん(秋田県指定文化財)

国宝土偶「仮面の女神さま」が夢に現れた事を切っ掛けに、実に1年7ヵ月ぶりに再会する事になった【縄文土偶探訪記】。ちょっと格好付けて「Revival season」と名付けた以上、中途半端な内容とするわけには行かない。そして、物事を始める時(或いは再開する時)に重要なのは「初動の勢い」である。

そんなわけで、Revival seasonの初日は、これまで機会に恵まれず未探訪となっていた秋田県の博物館を一気に3館訪問する事に決めた。3月27日の朝9時ちょうどに予約しておいたレンタカーで新青森駅を出発。最初の探訪先としたのは、「アスファルト目」の土偶さんが収蔵・展示されている「大館郷土博物館」である。

かつての【縄文土偶探訪記】では、探訪のルートや時間をこまめに記録していたのだが、Googleマップのタイムライン機能を知り、使いこなすようになった今シーズンは、そんな手間は不要。タイムラインの記録を確認すると、博物館着は10時27分であった。

博物館の建物は予想以上に大きかった。そして、どう見ても「元学校」としか思えない。受付で入館料(300円)を支払った際に職員さんに尋ねると、案の定「元高校の校舎」との事。今回の旅はかなりタイトなスケジュールなので、事前に見学・鑑賞時間は30分と計画。建物の大きさから考えると、とてもすべての展示コーナーを見て回る余裕は無さそうなので、展示館2階の「考古コーナー」に直行する事にした。

大館郷土博物館のエントランス。旧県立大館東高等学校の校舎を譲り受け、1996年4月に開館。

2階に上がると広々とした展示スペースの右手に土器等が並ぶ「縄文時代コーナー」を発見。急ぎ足で向かうと、お目当ての土偶さんはすぐに見つかった。

展示館の2階に上がると、右手に縄文展示コーナーがあった。

この土偶さんの最大の特色は「両眼に充填された天然のアスファルト」。このため、何となく「宇宙人」ぽく見える。

お目当ての土偶さんをすぐに発見。身長24.0㎝、肩幅12.5㎝、胴部の厚さ1.8㎝ との事。

1977年~1978年の秋田県教育委員会の発掘調査によって、約4,000年前の縄文時代の土器とともに発見されそうだ。

両目の黒い部分は天然のアスファルトで、これがこの土偶さんの最大の特色。

解説プレートには、両目のアスファルトの他に、両手の丸い窪みとへそがチャームポイントと書かれていた。

上半身は逆三関係でガッチリした体型。目と目の間(眉間と言うべきか)の2つの小さな穴は「鼻孔」との事。土偶さんはそのほとんどすべてが「女性」であるが、この土偶さんは「性別不明」と表現するのが妥当と思える。やっぱり「宇宙人」だよな…

私には「宇宙人」との印象が強い。

Revival seasonの最初に、この「個性的」な土偶さんにご対面できたのはラッキーだった。「土偶界の奥の深さ」のようなものを再認識。全国各地の博物館を土偶さんとの出会いを求めて80館ほど探訪したからと言って、まだ「道を極めた」なんて状況には程遠かったのである。

お目当てのアスファルト目さん以外にも数体の土偶さんが展示されていたので、彼女たちにもご挨拶。考古展示コーナーを中心に、展示館の2階と1階を計画通りに約30分見学して、大館郷土博物館を後にした。

アスファルト目さん以外にも土偶さんの(欠片)が数体。こちらは普通の土偶さんと同じで「女性」とわかる特色があった。

Revival seasonは、こうして幕を開けた。これから先、未対面の土偶さんとのどのような出会いが待ち構えているのだろうか…