自慢ではないが、私は極度の「方向音痴」兼「高所恐怖症」である。
約6ヵ月に亘った八ヶ岳オフィスのセルフビルドにおいて、最もウンザリしたのは「水色の悪魔」スタイロエースの加工作業だったが、最も恐怖を感じたのは、足場での高所作業だった。
現在でも、TVを視聴していて断崖や吊り橋などの場面が映し出されると、足先にむず痒さのような感覚を覚える程、高い所は嫌いである。
だが、セルフビルド作業の際には、自分のオフィスの工事を私やTさんの家族に協力してもらって進めるのであるから、高い場所が恐いからと自分が怯んでいるわけには行かなかった。
恐怖に耐えながら作業に取り組んでいると「慣れ」のようなものが流石に芽生えてきて、オフィスの屋根の高さ位であれば、何とか耐えられるようになってきた。
もうお気付きと思うが、退社前2時間を使った最後の作業は「オフィス屋根の掃除と点検・補修」である。
八ヶ岳本宅の屋根の形状は、シンプルな切妻でかなり傾斜がある。材質はガルバリウム鋼板なので、定期的な塗装作業以外には、メインテナンスに手間は掛からない。
一方、オフィスは緩やかな「片流れ屋根」であり、一部に欠けがある(単純な四角ではない)。さらに材質は「アスファルトシングル」なので、落ち葉や枯れ枝などが屋根上に溜まりやすい。そこで毎年、カラマツの黄金のシャワーが終わった時期と梅雨入り前の時期の年2回、屋根の上で掃除と点検作業を行うのを恒例としてきた。
かつては屋根に上るのも、一番大型な脚立を使っての危険な作業であったが、オフィスウッドデッキ完成後はしっかりとした足場が出来たので、二番目のサイズの脚立で気軽に対応出来るようになった。
既に午後4時を少し回っていたので、作業時間はMax 40分と決めて、箒と補修用コーキング剤を抱えて屋根に上った。
屋根の面積は約53㎡(約32畳)。広葉樹の落葉が終わった冬の時期に掃除を終えてはいるのだが、その後、強風で落ちてきた木々の枝や広葉樹の花穂が、かなり積もっており、結局、屋根上を掃いて綺麗にするのに15分程要してしまった。
続いて点検・補修作業。アスファルトシングルは、朝から快晴であったためか驚く程に熱くなっていた。大袈裟ではなく、膝をつくとズボンの生地越しに火傷しそうな感じだった。
この屋根材の敷設作業は、私がオフィスセルフビルド作業において、唯一、直接係わる事が出来なかった工程である。それまでの作業で肩や腕を酷使し続けた私は、腕から肩、首に掛けて激痛が走り、屋根材貼りの際に約5日間戦線を離脱。
役立たずになってしまった私の代わりに、8月中旬の炎天下、社主さま(家内)と三男の2人で、ほぼすべての屋根材工事を終えてくれたのである。
当時の記録は【オフィス・セルフビルド回顧録(https://triglav-research.com/?page_id=20329)】の《屋根工事苦闘編》に記してある。DIY系読者の方には、是非、ご一読いただきたい!
5分程かけて、屋根の上を丹念にチェック。幸い、社主さまと三男の作品である「屋根」には何の異常もなかった。但し、屋根の縁を上から覆う木製部材の接合部のコーキングが場所によってはかなり劣化している事を発見。
持ってきたコーキング剤で丁寧に補修を行った。所要時間はこれも約15分。ログハウスのメンテナンスなんて、気が付けば「お茶の子さいさい」である。これで梅雨対策も万全だ!
結局、全作業を終えたのは4時35分少し前だった。すべてが計画通りに進んだ爽快感と満足感に漬りながら、屋根の上から敷地内を眺めた。
いつも見る光景とは、ちょっと違った雰囲気が漂っており、ポケットから iPhone Xを取り出して、思わず写真撮影。今回掲載している写真は、すべてこの時、屋根の上から撮影したモノだ。
気が付くと時間は4時40分になっていた。さあ、退社予定時刻の5時迄にすべての後片付けを終えよう。
たった2時間の隙間時間でも、上手く使えば大きな満足に繋がる! これも八ヶ岳ライフの楽しさのひとつである!