東西南北すら示されていない簡単な地図を頼りに最初に訪れた(近付いた)ツリーハウスの名称は『間』。デザイナーは有名な「佐藤可士和」氏である。
実は地図など無くとも、D4を置いた駐車場から見ると最も目立ち、かつ、近いのがこのツリーハウスなので、勝手にプロジェクトの「看板ツリーハウス」なのかなと想像してしまう。
Webのツリーハウスのコンセプト紹介の冒頭には、『緑美しい森の中に突如として現れる「間」。それは手すりも壁もない板の間が、樹々の中の空間を切り取って出現した世界。登ってみてそこに佇めば、きっと非日常の感覚との出会いがあることでしょう』と記されている。
「非日常の感覚との出会い」というフレーズはグッとくる。私がツリーハウスに求めるのは、正にそんなワクワク感なのである。
それにしても、この『間』、かなりの体積を有しているのだが、遠目に見ると重量感を感じさせない。UFO(或いは、未来人のタイムマシン)が、静かな森の中に忽然と現れたような「浮遊感」と「透明感」を有しており、何とも言えない「不思議な存在感」を醸し出しているのだ。
今回は緑濃きタイミングでの訪問となったが、新緑、紅葉、そして雪景色の中では、まったく異なった雰囲気が味わえるように思う。
支柱の構造が外部からは見えないために、どのように荷重を支えているかは不明であるが、ツリーハウス筐体については、比較的シンプルな構造のように思える。すき「間」が多いという事は、重量の軽減にも繋がるし、対風設計上も有利なはずだ。
こんな感じで「サイコロ状」のツリーハウスを作って、サイコロの目の部分を窓のようにくり抜いたり、厚いアクリル板を嵌め込むなんてのは十分にありかな? と、そんな事を考えつつ、次なるツリーハウスに歩を進めた。