【縄文土偶探訪記 Season 2 Vol.11】 兵庫県立考古博物館(兵庫県)

探訪博物館: 兵庫県 兵庫県立考古博物館
http://www.hyogo-koukohaku.jp/
探訪日: 2015年7月30日
探訪目的: 西日本最大級の土偶さん他

2015年7月29日~30日は、1泊2日の高松・岡山巡業。と言っても、29日に高松→岡山と講演で回り、その日の夜は銀行の方と会食して岡山泊。30日は川崎自宅に帰るだけなので、その途中、近畿圏で土偶さんとご対面するスケジュールを組んだ。

探訪先として選んだのが「兵庫県立考古博物館」である。最寄り駅は、JR土山駅。岡山駅からの行程については省略。土山駅に着いた後は「であいのみち」と名付けられた遊歩道を15分強歩く。どんな暑い日でもスーツとネクタイ着用が私の主義なので、当然ながら、博物館に着いた時は汗だくだった。

博物館の建物のエントランス周辺は「緑の土手」といった感じの佇まいで、いかにも涼しげ。暑さが少し引いたような気がした。しかしまあ、県立の博物館はどこも立派だなぁ~。

兵庫県立考古博物館の外観。この緑は芝?それとも雑草?いずれにせよ、こんな博物館は今まで見たことがない。暑さが引いた気がした。

受付で入館料200円を支払って、展示室通路へ。ここで再び驚く。「エントランス展示」というコーナーに、縄文時代から江戸時代までの器(土器)がズラッと並んでいる。正に「壮観」だ。

エントランス展示「ときのギャラリー」。建物の外観に続いて、このエントランス展示の壮観さに圧倒されてしまった。博物館も展示物の魅力のみでなく、トータルの演出力のようなものが重要な時代なのだろう。

続いて、広大なスペースの「テーマ展示室」に進む。ここは、「交流」「社会」「環境」「人」という4つのテーマに分けられていた。「お目当ての土偶さんはどこかな?」と、私には珍しくじっくりと各コーナーを見学。ナウマンゾウの狩の様子の再現など見応えは抜群だった。

「環境」テーマの展示コーナーで遂に土偶さんにご対面。こちらは「西日本最大級の土偶」の土偶さんとの事。身体全体のパーツが揃っているわけではないが、体長は約27cmと推定されるようだ。

今回の探訪目当ての「西日本最大級の土偶さん」である。残念ながら胸部のパーツが一分欠けている。推定体長は27cmとの事。頭部を含めたらもっと大きいような気がするのだが…

この土偶さんの左隣には、何故か「長野県出土」の土偶さんのお顔が2点展示されていた。

学芸員さんのブログに、西日本最大級の土偶さんについて「顔の部分は出土していませんが、今後見つかるとしてもこのタイプの土偶では顔の表現はないと考えられます。」との記述があった。したがって、頭部抜きで27cmなのだろう。だとしたら、やはりかなり大きな土偶さんである。

さらに、その左には「土面さん」が..「これはレア物だ!白い土面なんて初めてだぞ。」と思わず感動しかけた。が、よく見たら白い所は予想復元した部分のようだ。もしかして、実物は左目の上の部分だけかな? だとしたら凄い復元(想像)力である。

「凄いレア物だ。真っ白な土面さんだ。オペラ座の怪人か?」と盛り上がりかけたのだが、よく見たら実物部分はほんの少しだった。この復元技術には、色々な意味でアートである。

テーマ展示室を約30分堪能後、特別展示室→体験展示室(発掘現場を再現)と回って、計約45分で博物館探訪を完了。展示物の充実度合いもさることながら、「想像力」の素晴らしさを感じさせてくれる博物館だった。子供達の考古学への感心を高めるためには、こういう博物館が良いと思う!

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】