【縄文土偶探訪記 Season 3 Vol.13】松山市考古館(愛媛県)

訪博物館: 愛媛県 松山市考古館
http://www.cul-spo.or.jp/koukokan/
探訪日: 2016年11月18日
探訪目的:弥生時代のお顔「ふんどう君」

2016年11月18日は日帰りの松山出張。比較的運航本数の多い「松山便」ではあるが、銀行向けのプレゼンが終わった後、帰りの便までに移動時間を除いても1時間程の空き時間が出来た。

ラウンジで時間をつぶそうかと思ったが、松山市中心部と松山空港の間に「松山市考古館」がある事を思い出した。既に、2015年1月22日に訪問した先であるが、こちらは縄文土偶さんではなく弥生時代の「分銅型土製品(ふんどうがたどせいひん)」という「お顔」が看板展示品だ。土偶さんの展示は、ほんの数点なので「お蔵入り状態」としていたのである。

分銅型土製品を解説したパネル。弥生時代の物だが、土偶さんと同様、「人々が願いをこめて使用した祈りの道具」ではないかという記述がある。ふーん、そうなんだ…

【縄文土偶探訪記】も当初は「縄文土偶の実物」とのご対面・紹介に頑なにこだわっていたが、既に「香川県立ミュージアムhttps://triglav-research.com/?page_id=14188)」のように、弥生土偶さんだけを対象とした情報配信も行っている。そこで柔軟に対応。松山市考古館を「再訪・蔵出し」の対象に加える事とした。

松山市内で2件のお仕事を終え、タクシーで松山市考古館に到着したのは午後1時5分。考古館は、松山市内と松山空港を結ぶ「新空港通り」をちょっと外れた山間にある。周辺に緑地や池のある自然豊かなロケーションに、市の考古館としてはかなり立派な建物が存在感を誇示。

松山市考古館の外観。ちょっと高台にあり、眼下には大きな池が広がる。時間があったら、池の周囲をゆっくりと散歩したくなるような素晴らしいロケーションだ。

正味探訪時間は20分強と定め、午後1時半に空港に向かうタクシーの迎えを手配した。入館料100円を支払い、ワンフロアだが広々とした常設展示室を左回りに探訪開始。2度目の訪問なので、10分程でサラッと一巡した後、改めて3点のみ展示されている「縄文土偶さんのパーツ」を写真撮影。この考古館に関しては土偶さんは「脇役」である。

土偶さんは「控えめ」に3点だけ展示されていた。右側のお顔はニッコリ系。もしかすると「分銅型土製品」のご先祖様かもしれない。

続いて「弥生時代」のコーナーに進む。ズラッと並べられた分銅型土製品さん達に「ご無沙汰しておりま~す。」とご挨拶。縄文土偶さんは、そのほとんどが「女性」なのだが、この考古館のゆるキャラは「ふんどう君(http://www.cul-spo.or.jp/koukokan/about/character.html」という愛称なので、おそらく「男の子」なのであろう。ちなみに、このふんどう君、「考古系博物館では全国初のゆるキャラ」なのだそうだ。

ズラッと並んだ分銅型土製品。皆さんお目々ニッコリで、デジカメのスマイルシャッターに認識されるお顔がかなりあった。青い丸印のお顔がゆるキャラ「ふんどう君」のモデルと思われる。

集合展示の分銅型土製品を楽しく鑑賞した後は、ロビーに展示されている別格扱いの2つにご挨拶。デジカメのスマイルシャッターにも認識される見事な微笑みである。

ロビー展示されていた「2トップ」と推察されるお顔。この微笑ましさはかなりのレベルである。ミステリアスな表情や苦悶と思われる表情もある土偶さんとは、何となく用途が異なると思えるのは、私だけだろうか…

時計を見ると1時28分。タクシーが迎えに来る時間が迫っていたので、博物館下の車寄せスペースに足早に向かった。

その後、松山空港に無事到着し、ラウンジで落ち着いた私は、2016年の縄文土偶探訪の旅を振り返った。松山市考古館までの訪問博物館数は19館。FinTech最優先の1年だったので、2015年の40館からは半減である。縄文土偶熱を発症した2014年の20館と比較すると決して低い水準ではない。だが、国宝土偶さんや国指定重要文化財土偶さんとのご対面が中心であった2014年の感動や高揚感とは比ぶべくもない。

反省のためにも「中だるみの2016年」と位置付けて、19館という最低記録のまま打ち止めにする事を決めた。同時に「2017年は新記録更新(41館以上)だ~」との誓いを立てたのである。

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】