【縄文土偶探訪記 Season 3 Vol.4】盛岡市遺跡の学び館(岩手県)

探訪博物館: 岩手県 盛岡市遺跡学びの館
http://www.city.morioka.iwate.jp/shisei/moriokagaido/rekishi/1009437/1009438.html
探訪日: 2016年3月16日
探訪目的: 色々な板状土偶さん達

2016年3月15日~17日は2泊3日で、岩手→青森→北海道と移動する2泊3日の出張講演だ。初日(15日)は盛岡で講演後、銀行の方と会食し、その後、盛岡での常宿ホテルメトロポリタンに宿泊。16日の青森での講演は午後に予定されていたので、事前に綿密な計画を組んで、講演までの時間を【縄文土偶探訪】に集中的に充てる事にした。

盛岡では、2014年4月8日に「岩手県立博物館https://triglav-research.com/?page_id=8044)」を探訪済みである。その際にミュージアムショップで購入した「いわて ドグウ☆ガイドブック」は名著だ!今回の岩手県での土偶さん探訪計画は同書の情報を参考に組み立てた。「我が社のホームグラウンドである長野・山梨地域でもこんな土偶さんがガイドブックがあればよいのに…」と心底思う。

そして、第1の探訪先として選んだのが「盛岡市遺跡の学び館」である。開館時間は午前9時、場所は盛岡駅からタクシーで10分も要しない(通常であれば5~6分)好立地だ。10時前の新幹線で盛岡駅を発たねばならないので、8時50分にホテル前でタクシーに乗車して学びの館に向かった。無事に到着して、数分開館時間を待つ。岩手県立博物館の堂々たるな施設と充実した展示品に「岩手県の文化水準の髙さ」を実感したが、学び館も市の文化施設と思えない程に立派である。

「盛岡市遺跡の学び館」の外観。盛岡駅からタクシーで5分強の好立地。どこの博物館もこんな場所にあれば【縄文土偶探訪】はどれだけ楽だろうか… 市の文化施設としてはもの凄く立派で、全景を写真に収める事ができない程だった。

新幹線に乗る前に盛岡駅でお土産品等を購入する予定だったので、見学時間は30分と設定、入館前に9時半に迎えのタクシーを呼んだ。9時の開館と同時に入館し、エントランス右手の受付で入館料200円を支払って探訪を開始。

受付を過ぎるととすぐに,フロアに盛岡を上空から俯瞰した大きな写真が広がる。市内の主要遺跡の場所が確認できるような仕組みだ。そして、エントランスの正面に「大館町遺跡」の発掘調査現場や竪穴住居が再現・復元されていた。学びの館の入館直後から始まる凝った展示に感心。気が付いたら、土偶さんとのご対面前に15分程度が経過してしまった。

遺跡発掘現場と竪穴住居を再現・復元した「遺跡ディスカバリー」と称されるスペース。見応えがあって、展示パネル等を丹念に読んでいたら15分以上も時間が経っていた。

慌てて、さらに奥にある出土品展示スペース(遺跡ライブラリー)へと進んだ。学びの館には、国宝や国指定重要文化財等の「スター的」土偶さんはいらっしゃらないが、県立博物館に展示されている『大型土偶(顔面)のしだないさん』の等のレプリカが展示されていた。レプリカではない土偶さん達は、正方形の展示スペースにゆったりとした間隔で、気持ちよさそうに並べられていた。

板状土偶さん達を中心に並べた正方形の展示スペース。ゆったりとした間隔で配置し、バンザイポーズの土偶さんが多いので、ほんわかとした雰囲気が伝わってくる。

板状土偶さん達が中心で、\(^o^)/ポーズが多いので、何とも微笑ましい。板状土偶さんのいくつかは、まるでクッキーのようである。

のっぺり顔(お目々のみの穴)の板状土偶さんが多い中、この土偶さんは、目と鼻がYの字に盛り上がっている。ふと、胸の上にある2つの穴は何なんだ?と考えてしまった。紐で吊して、ペンダントとして使っていたのだろうか?「ペンダント土偶さん」と呼ぶ事にしよう!
もうこうなると「ビスケット」や「クッキー」としか思えない。「クッキー土偶さん」と呼ぼう。眼に2つ、手に2つ、胸の中心にひとつの穴が… 手は、紐を通すとして、ちょっとへこんだ胸中央の穴は何だ?よく見たら、その下にはコンセントのような小さな穴もある。中央は「カラータイマー」か?だとしたら「ウルトラマン土偶」さんだ。想像は無限に広がる…

これら土偶さん達を見ていたら、なぜか「スタバのホワイトチョコレートマカダミアクッキー」が食べたくなった。「盛岡駅のスタバはどこにあったっけ?」とそんな事を考えてしまった。

土偶さん達の展示スペースは、もうひとつ「長方形」のがあり、こちらには「遮光器土偶さん」のお顔等が並んでいた。

長方形の土偶さん展示スペース。こちらは「遮光器土偶さん」のお顔が中心だ。中央の台座・鏡付の土偶さんのお顔は、後頭部が抉れていて、かつ、髪飾りのようなものをまとっているのだが、なぜか、写真が上手く撮れていなかった(稀にだが、ピントが合わない土偶さんが本当にある)。

そして、その左下には、シンプルに眼と口の穴が開けられた「土面」が展示されていた。「しだない」は大型土偶さんの顔面だが、こちらは「お面」である。これまでの【縄文土偶探訪記】で、いくつかの「土面さん」に対面してきたが、出土が多いのは東北地方である。土偶さんの写真ばかりを優先的に整理・分類しないで、「土面」も機会があったら整理しておこうと考えた。

シンプルな「土面」さん。私には、「微笑みの表情」に思えるのだが、見ようによっては口を歪めた「苦悶の表情」と言えるかもしれない。「土面さんコレクション」を別途、整理する必要ありと感じた。

遺跡ライブラリーの展示品を見入っていたら、既に入館から25分強が過ぎていた。最後に遺跡ライブラリー右手にある小ぶりな「企画展示室」を見学。ここには土偶さんはいらっしゃらなかった。30分が経過したので、学びの館から退出。入り口前の車寄せスペースでは、既にタクシーが待っていてくれた。

さあ、スタバにクッキー食べに行こう。もとい、盛岡駅に向かおう!

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】