【縄文土偶探訪記 Season 3 Vol.10】中野市立博物館(長野県)

訪博物館: 長野県 中野市立博物館
http://www.city.nakano.nagano.jp/city/hakubutukan/index.htm
探訪日: 2016年11月3日
探訪目的:姥ヶ沢のビーナスさん

草津温泉巡りの旅2日目は、草津からちょっと足を伸ばして「北信濃地域」の観光スポットとして人気の『小布施』周辺を訪問する予定を組んだ。その際に(ついでに)訪れる事としたのが「中野市立博物館」である。2015年8月27日以来の2回目の探訪となる。

前回探訪時には、縄文土偶探訪記用専用小型デジカメ(DSC-TX30)が途中でバッテリー切れになるという失態を演じ、お目当ての土偶さんにはご対面が叶ったものの探訪記の配信が出来ないという「異例のお蔵入り状態」となっていた先だ。「捲土重来」を期して、小布施散策の前に立ち寄る事とした。

博物館着は12時35分。博物館正面のスペースにD4を駐車し、エントランスに向かう。中野市立博物館はプラネタリウムや360°視界の展望台を併設しており、ちょっと教会風のお洒落な外観だ。

中野市立博物館の外観。考古博物館ではなく市立の「総合博物館」であり、360°視界の展望台やプラネタリウムを併設。最初に訪れた際には「教会かな?」と勘違いした。

受付で200円の入館料を支払って、1Fの展示室を右回りに進む。ここは考古博物館ではなく、中野市の自然と歴史・文化をテーマにそれぞれのコーナーが設けられている「市立総合博物館」である。

1Fの収蔵展示室には、市内柳沢遺跡から発掘された「銅戈」「銅鐸」等が展示されており、青銅器の美しさを堪能できる。20分弱順路に沿って1Fの展示室を鑑賞した後、「遊動から定住の生活へ」と題した展示スペースに移る。

ここでは「縄文式土器」がズラッと並ぶ豪華な展示スペースが待ち構えていた。土器の多くは展示ケースの中に入っていないため、思わず手に取りたくなるのだが、じっと我慢。

縄文土器の展示コーナーも充実している。ほとんどの土器は展示ケースが無く、赤いテープで遮られているだけだ。持ち出そうとする悪人や抱きしめようとする変態がいるんじゃないかと、ちょっと心配になった。

そして、土器展示スペースの対面にお目当ての「姥ヶ沢のビーナス」さんがニッコリと微笑んで私を出迎えてくれた。姥ヶ沢のビーナスさんは、大英博物館開催の「土偶展」にも出展された有名土偶さんである。館内でも単独展示ケースを与えられ「特別待遇」を受けている。

捲土重来を期して、お目当ての「姥ヶ沢のビーナス」さんにご対面。この愛称は、平成22年1月から3月まで公募したモノ。742件の応募件数の内、242件と圧倒的な投票数であったとの事。大英博物館にも出張の経験がある有名土偶さんだ!

ケースの後には詳細な解説文が書かれており、思わず読み入ってしまう。写真撮影するとその解説文が背景となり、ちょっとポップな雰囲気となるのもナイスだ。左右横からの鑑賞も可能なケースなので、色々な角度から鑑賞・撮影を繰り返す事約5分。実はとっても「スリム」な土偶さんである事が確認できた。

右上から姥ヶ沢のビーナスさんを撮影した写真。頭部は円形で大きいが、首から下は驚く程にスリムだ。尖石の「縄文のビーナス」様とは、この身体の厚み(ボリューム感)が大きな違いだ。

そう言えば、前回は別の場所に置かれていた解説プレートを撮影したところでバッテリー切れとなり、土偶さんそのものを撮影できなかったんだ… 【縄文土偶探訪記】における苦い思い出のひとつだ。

前回訪問時に撮影した姥ヶ沢のビーナスさんの解説パネル。この写真を撮影した後にバッテリー切れとなった。土偶さん本体をバッテリー切れで撮影できなかったのは、この時だけである…

土偶さんは、姥ヶ沢のビーナスさん以外にも、数点展示されていた。前回探訪時にはご対面した記憶が無い。「初めまして」とご挨拶。

その他の土偶さん達。市内千田遺跡の土偶さん出土数が232点と書いてあり驚く。長野はやはり全県ベースの縄文王国なのだなと実感。

解説プレートから、市内「千田遺跡」の縄文中期の土偶さん出土数が「県内1位」である事を知った。「へ~、北信濃も土偶さんが沢山出土しているんだ。やっぱり長野は全県ベースで縄文王国なんだな!」と再認識。

気が付くと探訪予定時間の30分を既に超過。こうして、中野市立博物館でのリターン・マッチは無事に終わった。

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】