探訪博物館: 奈良県 歴史に憩う橿原市博物館
(http://www.city.kashihara.nara.jp/hakubutsukan/)
探訪日: 2017年4月15日
探訪目的: 観音寺本馬遺跡出土の土偶さん(かほちゃん)
4月14日、大阪と奈良で地域銀行向け講演をこなした私は、夜は奈良で銀行の方と会食。会食後は奈良での常宿「奈良ホテル」に宿泊した。翌15日の朝は、ホテルのレストランでお気に入りの「茶がゆ定食」を食した後、早めにチェックアウトし、タクシーで近鉄奈良駅に向かった。
目指すは「橿原市博物館」。8時ちょうど発の近鉄特急で奈良駅を発ち、博物館最寄りの「神宮前駅」着は8時51分。駅からはタクシーを使い、博物館に着いたのは開館時間の午前9時をほんの少し過ぎた頃だった。橿原市博物館の探訪は、2014年4月25日、2015年7月30日に次ぐ3回目である。
橿原市博物館以外にも複数回訪問したにもかかわらず、【縄文土偶探訪記】を配信できないままの博物館はいくつかある。「青森県立郷土館」「茨城県立歴史館」「栃木県立博物館」等々だ。これらの博物館は、土偶さんの写真撮影やWeb掲載等の規制が厳しかったり、承認手続が煩雑なのである。多忙で気が短い私は、そんな手続は Waste of time としか思えない。当然ながら、配信は後回し(或いは永遠にお蔵入り)となる。
そもそも「国宝土偶さん5体」を収蔵する博物館が、写真撮影やWeb掲載に対して寛容なのに、これら博物館が何故、雁字搦めの規制を設けるのかがよくわからないのだ。一方、「橿原市博物館」は、常設展示に関しては「写真撮影もWeb紹介も可」という合理的な(納得できる)基準を定めているので、未配信であったのは私の怠慢にすべての理由がある。
3度目の訪問なので、勝手知ったる博物館である。エントランスから2F受付に移動。入館料300円を支払い、2F奥にある常設展示室へ向かった。今回のターゲットは「観音寺本馬遺跡出土」のとっても愛らしい土偶さんで、私のお気に入りトップ10にランクインするものだ。
2014年4月の初探訪時に魅了され、TRI稿房通信の【縄文土偶探訪記】写真ギャラリーには初期の頃から掲載している。初探訪の際に、この土偶さんだけで20枚以上の写真を撮影したのだが、何故か、気に入った写真が1枚も撮れなかった。再チャレンジのため、2015年7月に探訪した際には、この土偶さんは「企画展」の方にお引っ越し(館内出稼ぎ)中で、写真撮影不可。捲土重来で3回目の探訪となった次第である。
足早に、縄文土偶さんの展示コーナーに向かった。ガ~ン(衝撃音)。お目当ての土偶さんがいらっしゃらない。展示されているのは、これまで2回の探訪ですっかり顔馴染みになった「のっぺり・すっきり型」風情の土偶さん達である。
観音寺本馬遺跡出土の土偶さんは、別格扱いになって単独展示スペースを与えられたのかなと思って、常設展示スペースを2周してみたのだが、それらしいお姿は発見できなかった。仕方ないので、お馴染みの土偶さん達を写真撮影。観音寺本馬遺跡土偶さんは、展示板上段右から2つめの土偶さんにちょっと雰囲気が似ているのだ。
「おいおい、また企画展示室の方に行ってるのかよ…」常設展示室の土偶さん以外の展示物も充実しているのは、過去2回の探訪で経験済みである。今回もそれらを20分強、鑑賞した後に、一縷の望みにかけて企画展示室に移動した。が、今回は春季特別展「大海人皇子(おおあまのみこ) 天皇への道」だった。特別展の時代を考えれば土偶さんの展示は期待薄であると入室前に悟った。結果は、案の定だった。
橿原市博物館での滞在時間は約35分、神宮前駅まで移動のために呼んだタクシーが待つ駐車場へと向かった。お目当ての土偶さんとの対面は叶わなかったが、こんな体験もまた【縄文土偶探訪記】なのである。
最後に1回目の訪問で撮影した「観音寺本馬遺跡出土土偶(かほちゃんと勝手に呼ぶ事とした)」さんの写真と、1回目、2回目訪問時の企画展のポスターを紹介して、橿原市博物館の「蔵出し」作業を締め括ろうと思う。
トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】