探訪博物館: 東京都 府中市郷土の森博物館
(https://www.tef.or.jp/maibun/)
探訪日: 2017年3月16日
探訪目的:体の部位毎に整理された土偶さん、コウモリ形の釣り手土器
「三鷹市遺跡調査会展示室」の探訪を終えた私は、D4が待つスーパーの駐車場に戻った。車内で軽い昼食を済ませ、12時20分少し前に、この日の最終探訪目的地である「府中市郷土の森博物館」へと向かった。
実は、最近になって、名も無き土偶さん発掘のコツを掴んだ。【縄文土偶探訪記】初期の頃は、土偶さん関連の写真集や書籍から、まだお目にかかっていない土偶さんを見付けてから、収蔵されている博物館を探し出して訪問するというのが「王道」であった。
その後、稿房通信のお問い合わせから土偶情報のたれ込み(ドグたれ)が舞い込むようになり、探訪ルートの厚みが増した。だが、ドグたれ情報で対面した土偶さんは、「それなりの知名度」を有しているものが殆どだった。
さらに無名の土偶さんを探し出すにはどうしたら効率的か? 色々と試行錯誤したのだが、シンプルに「市町村名(例えば、茅野市) 土偶」でWeb検索を掛けて、画像情報を中心に「未知の土偶さん」を探し出すのが、手っ取り早いしハズレも少ない事に気が付いた。この日に探訪した3つの博物館・資料室は、正に、この手法で探し出したのである。
目的地である「郷土の森博物館」の広々とした駐車場に着いたのは12時50分過ぎだった。2~3分歩いて博物館のゲートに向かい、そこで入館料200円を支払った。ちなみに、この日探訪した3館で無料でないのは、ここだけ。
ゲートを通過すると目の前には、堂々とした博物館の建物が…「県立博物館レベルじゃないか」と思わず呟いてしまった。これだけの施設だと入館料も当然と思えてくる。
広々としたエントランスの左手には、かなりの規模のミュージアムショップがあった。これも県立博物館級だ。既に、3館探訪の旅の終了予定時間である午後1時になっていたので、足早に2階にある常設展示室へと向かった。
展示室に足を踏み入れ、その広大なスペースに再度驚く。そして、左前方に一目で「縄文関連」とわかる展示スペースを発見。時間がないので迷わず直行した。
土偶さん達は大きな展示ケースの中に、「頭」「胴体」「足」といった具合に、体の部位毎に分類して展示されていた。
東京都埋蔵文化財センターの「表情(怪喜怒哀楽)(https://triglav-research.com/?p=16623&)」に応じた分類とは、また異なった趣がある。
土偶さん達はパーツ中心で、所謂「博物館の看板娘」的なお嬢さんはいらっしゃらなかった。でも、見応えは十分だ。「この頭とあの胴体はもしかすると同じ土偶さんか? あの足と胴体も繋がりそうだぞ!」なんて想像を思わずしてしまう。
顔面付縄文土器はあるかな?と、探してみたら「レア物」を発見。「コウモリ形の釣り手土器」である。
解説プレートには「コウモリではない、という動物学者の意見もあります」と記されていたが、逆に、これがコウモリでなければ何なのだろうか? まあ確かに鼻は「豚」みたいであるが…
縄文展示スペースを10分強堪能した後、他の展示スペースを同じく10分程見学。奈良時代の初め頃から平安時代の中頃にかけて「武蔵国府」が府中に置かれ、武蔵国の政治・文化・経済の中心地として栄えていた事を学んだ。武蔵国府の博物館ね。ナルホド、県立博物館並みに豪華であって当然か… 妙に納得してしまった。
トータル20分強の展示室見学を終え、1階のミュージアムショップへ向かった。だが、残念ながら「土偶さん関連グッズ」を見つける事は出来なかった。パンフレット類のみを収集し、郷土の森博物館を後にした。
新百合ヶ丘の自宅に着いたのは、午後1時50分。結局、約4時間20分で、八王子⇒三鷹⇒府中と、自宅近場の3つの博物館を無事に探訪する事が出来たのである。3月16日は、本当に「最高の予備日」となった!
トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】