探訪博物館: 東京都 東京都埋蔵文化財センター
(https://www.tef.or.jp/maibun/)
探訪日: 2017年3月4日
探訪目的: 多摩ニュータウンのヴィーナス他
本業である「銀行の調査・分析業務」の隙間時間を使って「名も無き土偶さん達」を展示している博物館を地道に探している。
縄文土偶さん達の2大聖地は「北海道・東北」と我がホームグラウンドである「長野・山梨」であるが、最近になって、川崎自宅(最寄り駅は小田急線新百合ヶ丘駅)から車で30分~1時間程度の距離にも、土偶さんとの対面が叶う(叶いそうな)博物館がいくつかある事が判明した。所在地は、多摩市、町田市、横浜市、平塚市等々である。
残念ながら銀行の本店が所在するような場所ではないので、講演のついでに立ち寄る事が出来ない。そんなわけで。個人的な所用の際に(おまけで)探訪する先としてリストアップ作業(近場探訪候補先)だけは済ませておいたのだ。幸いな事に、3月4日、早くもリスト先を探訪する機会が訪れた。
自宅に休暇で戻っていた長男が多摩センター駅に所用があるという。ここは近場探訪候補のひとつである「東京都埋蔵文化財センター」の最寄り駅である。家内も駅周辺で買い物したいとの事なので、10時少し前にD4で自宅を発った。「東京都埋蔵文化財センター」に着いたのは10時25分。センターの駐車場にD4を置いて、家内と長男は多摩センター駅方面へ、私のみ埋蔵文化財センターへと向かう。
実は「多摩センター」、私が大学時代4年間を過ごした町なのだ。そして、もの凄く驚いたのだが「埋蔵文化財センター」は、私が住んでいたアパートと徒歩でわずか4~5分の距離(サンリオ・ピューロランドのすぐ側)にあったのだ。私が多摩センターを離れたのが1984年3月、埋蔵文化財センターの竣工が85年4月なので、ちょうど1年程のすれ違いである。こういう事ってあるんだなと…ちょっと感慨深い。
駐車場から階段を上がり、2Fにある受付へと向かう。ここは入館料は無料。受付の左手正面に平成28年度企画展示「南多摩発見伝(丘陵人《おかびと》の宝もの)」の展示スペースが広がる。
展示室入り口の右手には、今回の探訪のメインターゲット「多摩ニュータウンのヴィーナス」さんが、単独展示されていた。彼女が、大英博物館の「The power of Dogu」展に展示された「海外派遣組」の有名土偶さんである事をこの場で初めて知る。不勉強でゴメンナサイ。
そして、入り口左手には「土面?」らしきお顔が、これも堂々と単独展示。こちらは「多摩の丘陵人(おかびと)」さんだそうです。土偶ではなさそうだし、人面付土器の一部とも思えないので、私が勝手に「土面」と判断。これまで探訪した博物館で遭遇した「土面」の中では、北海道埋蔵文化財センターの土面さんに(https://triglav-research.com/?page_id=14119)匹敵する造形美である!
2トップを激写した後、展示室内へ向かう。土偶さんは中央奥側に展示スペースが設けられていた。大きさで目立つのは「平尾No.9遺跡出土」の土偶さんである。多摩ニュータウン遺跡では、縄文時代後期の土偶は殆ど出土していないので、貴重な存在との事。
この土偶さんの周辺には、サイズはやや小ぶりだが、その表情に応じて「怪・喜・怒・哀・楽」の5つにグルーピングされた土偶さん達がズラッと並んでいる。「こういう切口の展示もお洒落だな…」なんて考えながら、企画展示室内をジックリと鑑賞。
20分程経過したところで、次は隣接する「遺跡庭園 縄文の村」散策に移行。村内には、3棟の縄文時代の復元住居や湧き水(現在は枯れている)等々がある。入り口の正面にある「敷石住居(4,500年前)」の中には、焚き火があり、感動(勿論、係員さんが側で管理)。縄文人の気分を少し味わう事が出来た。
縄文の村散策は10分強で完了。再びセンターの企画展示スペースに戻って、多摩ニュータウンのヴィーナスさん等を眺めていると、家内から所用が済んで駐車場に戻ったとの電話が… 時計を見ると、11時10分になっていた。滞在時間は45分間。こんな近場で、海外派遣組の縄文土偶さんにお目にかかれるなんて、良い意味で「想定外」だった。
しかしまあ、結局、学生時代に住んでいた所も、土偶さんとご縁があったのか。私が「縄文土偶」に嵌まったのは「偶然」ではなく、「必然」であるような気がしてきた。
トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】