デュアル・ライフの「田舎(地方)拠点」の楽しみのひとつは、間違いなく「借景」にあると思う。
これについては「住(棲)む人」の好みが見事に分かれる領域だと思う。
八ヶ岳界隈であれば、八ヶ岳や南アルプスの山々を好む人がいれば、一方で、森に包まれた雰囲気に惹かれる人もいるだろう。
お洒落な別荘が建ち並ぶ光景なんてのも悪くないし、田畑や水田が広がるような光景も素敵だよね。
大切なのは、そんなお気に入りの「自分の景色」がずっと維持される事だ。
昨今の八ヶ岳移住ブームによる開発行為は、そんな「幸せ」が壊れてしまうリスクを高めている。
もっと最悪なのは、あの無粋な「太陽光パネル」だよね。
八ヶ岳界隈をドライブしていると、私のお気に入りだった場所に太陽光パネルが設置されて、景観を台無しにしている事が多い。
物件の周辺360度すべてで、将来的にも環境変化のリスクがゼロの場所を見つけ出す事なんて至難の業だ(とんでもなく辺鄙な土地を除けばだが)。
現実的なのは、周囲の一部に開発行為のリスクが無い土地を選ぶ事だと思う。
その「将来も変わらない事」が期待出来る土地の光景や雰囲気が好きならば幸運である。
家を建てる際にその方角に大きな窓を配すれば、長きに亘ってお気に入りの借景を楽しむ事が出来る。
実はこれ、私が八ヶ岳本宅を購入する際の物件選定基準のひとつであり、オフィスをセルフビルドする際の大切な設計方針だったのだ。
私の場合は典型的な「森に包まれ守られた暮らし派」で、その上に、日照時間が長く、夕陽を楽しめる事という相矛盾した面倒な条件が加わった。
そうなると、家の周辺を取り巻く森の方角や形状、土地の高さの条件が一気に厳しくなる。
こんな条件を満たす上で、本当に感謝しているのが、我が家の敷地の周囲半分程をJカーブ状に取り囲む「財産区林」の存在なのだ。
針葉樹と広葉樹からなる間に涸れ沢を挟んだ二層の雑木林(混交林)で、オフィスの窓からは四季折々の様々な樹木の変化を堪能する事が出来る。
この財産区林、借景や風の通り道(防風)といった効能の他に「山野草の宝庫」といった楽しみもあるんだよね!
「タラノキ」は樹高3mを超えるようなものが何本もある一方で、どんどん若木も育っている。
林床なんて「ゼンマイ」だらけだもんね。
ああっ、憎たらしい「タケニグサ」の新芽も目立ってきたな。
この時期だと我が家の敷地との境界に近い傾斜地は「イカリソウ」と「ヒトリシズカ」が群生。
勿論、我が家の敷地と同じく「スミレ」と「フデリンドウ」も競い合っている。
「クサボケ」のオレンジ色の花はちょっと浮いた感じかな。
おっと「アミガサタケ」がもう顔を出しているじゃないか!
そう、雑木林は遠くから見ても楽しめるし、中に入っても様々な喜びに浸る事が出来るんだよね!
八ヶ岳で土地を選ぶ際の「副産物」、ちょっとした「狙い目」なのだ…