探訪博物館: 東京都 明治大学博物館
(http://www.city.chino.lg.jp/www/toppage/1444796190237/APM03000.html)
探訪日: 2017年5月18日
探訪目的: 遮光器土偶さん他
今日、目指すは「明治大学博物館@お茶の水」である。今年の4月13日、近畿巡業の際に「関西大学博物館」を訪れた。そこに、考古学系博物館を有する大学の案内資料が置いてあり、明治大学博物館の存在を知った。Webで検索し、数は少ないが土偶さん達が展示されている事を確認。@東京の仕事の際に空き時間が出来たら訪問しようと目論んでいたのである。朝一番のスケジュールであった銀行の決算説明会会場から東京駅までは徒歩で数分の距離だ。東京駅からJRでお茶の水駅まで移動すれば、正午過ぎには土偶さん達に対面できるだろう。
明治大学博物館は、駿河台キャンパス内のアカデミーコモンという立派なビルの地下にあった。アカデミーコモン前に着いたのは12時15分。広大なエントランスの右手に総合受付が有り、そこで土偶さん達が展示されている「常設展示室考古部門」の場所を確認し、直行した。
常設展示室は地下2階、考古部門はその一番奥で、旧石器時代→縄文時代→弥生時代→古墳時代と見学できるようになっており、その他に「岩宿遺跡」「明大コレクション」という特別コーナーが設けられている。立派な施設で展示物も充実。ふと、高校時代の友人が考古学が好きで、明治大学の考古学専攻(文学部だったかな?)に進学した事を思い出した。「彼は考古学の道を歩んでるのだろうか?だとしたら羨ましいな…」なんて事が頭に浮かんだ。
今回の探訪目的は、博物館のWebに掲載されている『遮光器土偶』さんである。縄文展示コーナーですぐに発見。事前に、常設展示室は写真撮影が可能である事を確認済みなので、1分程眺めた後に写真撮影開始。
Webではわからなかったが、この遮光器土偶さんが「しゃこちゃん」と同郷、「亀ヶ岡遺跡」出土である事を知る。亀ヶ岡遺跡出土の土偶さん達は、全国各地に出稼ぎに出て「青森縄文王国」の素晴らしさを伝道しているのだなと改めて感動。思わず「頑張ってるね~」と声を掛けてしまった。
遮光器土偶さんの隣には所謂「山形土偶」さんが展示されていた。このタイプの土偶で最も有名なのは、茨城県椎塚貝塚出土の土偶さんで「大阪歴史博物館」所蔵となっている。その土偶さんにお会いしたくて「大阪歴博」をこれまで2回訪れたのだが、残念ながら展示期間中ではなく、対面は叶っていない。
この明治大学の土偶さんは。これまで私が対面した「山形土偶」の中では、間違いなくトップクラスの存在感と愛らしさを有している。予期せぬ遭遇に喜びが込み上げた。
これら遮光器土偶さんと山形土偶さんが2トップ的な扱いなのだが、展示コーナー左上には、遮光器土偶を主に、土偶さん達のパーツがプレートの上に配してあった。数えてみたら全部で12個。土偶さん達の剽軽さや愛らしさが伝わってくるお洒落な展示スタイルだ。
縄文展示コーナーを中心に約20分程、考古部門を鑑賞。続いて、この博物館の特色のひとつでもある「刑事部門」に移動した。ここには、日本や諸外国の拷問・刑罰具が展示されているのだ。特に有名なのが、中世ヨーロッパで拷問具として用いたとされる『鉄の処女(Iron Maiden)』の複製品である。展示場所を探す必要はなく「ギロチン(断頭台)」と並べて堂々と展示されていた。
「あぁ、これは複製品と言えども近寄っては駄目だ。」私の場合、「逆パワースポット(グッズ)」に近付くと、体がアラートを発する。右の首筋から後頭部に掛けて痛みを感じて、それが時間の経過と共に酷くなる(冗談ではなく本当の話)。久し振りにこの兆候がハッキリと現れた。数年前の「網走監獄」博物館訪問以来のような気がする。
こういう時は「迅速果敢な撤退戦略」が肝要である。「刑事部門」はチラ見に留めて、地下1Fのミュージアムショップに向かった。事前調査で、かつては遮光器土偶をプリントしたマグカップを販売していた事を確認。まだ販売しているようなら迷わず2個(オフィスと自宅用)購入しようと決めていたのだが、限定販売だったようで、残念ながらもう売っていなかった。
こうして、滞在時間20分強で、明治大学博物館の探訪は終了。ちなみに、入館料は無料。都心の1等地にこれだけ充実した博物館を有する明治大学に感心してしまった。私は、計3つの大学・大学院(中央・一橋・筑波)で学んだが、はて、(考古学)博物館ってあったのかな? 早速、調べよう!
トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】