【縄文土偶探訪記 Season 1 Vol.8】奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(奈良県)

探訪博物館: 奈良県 奈良県立橿原考古学研究所付属博物館
http://www.kashikoken.jp/museum/info/info.html
探訪日: 2014年4月25日
探訪目的:  円形に展示された土偶さんの欠片 他

前日の新潟出張から昨晩遅くに川崎自宅へ帰宅。地方出張が連日続くハードスケジュールであるため、今日の近畿出張は、講演開始時間が午後3時半と遅めに組まれている。本来ならば、自宅でジックリと休んでから移動すべきなのだろうが、よい機会なので奈良県下の2つの考古博物館「橿原考古学研究所付属博物館」「歴史に憩う橿原市博物館」を探訪しようと綿密なスケジュールを組んだ。

メインターゲットである土偶さん(観音寺本馬遺跡出土土偶)は、後者の「橿原市博物館」に展示されているのだが、「橿原考古学研究所付属博物館」の方は、「大和の歴史」を学ぶ上で欠かせない極めて重要な存在なので「表敬訪問」する事とした。最寄り駅である「近鉄畝傍御陵前駅」から案内図を頼りに5~6分歩くと、博物館の堂々たる建物が眼前に広がった。規模、風格共に予想以上である。

橿原考古学研究所附属博物館の堂々たる外観。見学者数の多さでは、これまで訪れた博物館の中では、東京国立博物館に次いで第2位だ。

常設展示点コーナーを順路に沿って進むと、旧石器時代の次が「縄文時代」であった。「土偶」さん達の展示については、事前に情報収集もせず、あまり期待していなかったのだが、まず目に入ったのが、円形に美しく並べられた多数の土偶さん達の欠片である。

縄文時代の展示スペースで真っ先に目に飛び込んできたのが、美しく円形に並べられた土偶さん達の欠片である。

さらに、その円の右下には、修復されてほぼ完成形となった「縄文時代晩期」の土偶さんが1体。目立った装飾はないものの「人型」としては均整のとれたお姿だ。

円形展示の右下には、修復されて完全な姿となった縄文時代晩期の土偶さんが1体。やや頭部が大きいものの、人型としては均整のとれた姿である。

この他にも、出土した土偶さんを「頭部」「体部」といった具合に分類した展示品が数点ある。国宝土偶、重文土偶さん達のような圧倒的なパワー・存在感は無いものの十分に楽しめる展示内容である。

土偶体部や頭部の展示品が数点。体部(消化器官)という表示がなされていたため、胃や腸等が確認できるのかなと思い、見入ってしまったのだが、よくわからなかった…
中空土偶のパーツが4点。中空土偶と言えば、私的には、国宝土偶「かっくうちゃん」や北杜の「ポット型土偶さん」である。橿原の中空土偶さんがどんなお姿なのか、残念ながら私にはイメージできなかった。

場合によっては、土偶さん達には対面できないかと思っていたので、正直「嬉しい誤算」となった。

だが、橿原考古学研究所付属博物館の醍醐味は、やはり「古墳時代」以降の展示コーナーである。「ヤマト王権成立」後の世界を示す数々の展示物は圧倒的な迫力であった。【縄文土偶探訪記】の主旨から逸脱するために詳しくは記さないが、必見の価値ある展示物が目白押しである。

古墳時代の展示物の一部分。縄文時代以上に時間をかけて見学したのは、私の場合、異例通の異例であった。

事前に、博物館の滞在時間はマックス35分と組んでいたのだが、古墳時代・飛鳥・奈良時代の展示スペースを丹念に見学していたら、あっと言う間に40分近くが経過。慌てて畝傍御陵前駅へと急ぎ足で戻った。「縄文時代」以外の展示コーナーに見学時間の多くを費やしたのは、橿原考古学研究所付属博物館が初めてだ!

トリグラフ・リサーチ 稿房主《蔵出し版》