私は昨年63歳になったのだから、順調に行けば今年の秋には64歳になるだろう。
別に珍しいことではないのだろうが、幸いなことに、これまで大きな病気や怪我の類をした事はない。
当然ではあるが、入院や手術の経験もなかった。
そんな私が、一昨日から今日まで、生まれて初めて2泊3日の入院生活を体験してきた。
それも「全身麻酔の手術」を受けるためである。
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病名は「副鼻腔炎」。
実は、7年程前から、人間ドックの頭部CTやMRI検査で、右側上顎に副鼻腔炎の影があると指摘されていた。
自覚症状がまったくなかったため「経過観察」という状況が続いていのである。
だが、一昨年末の頭部CTで陰影がやや濃くなったのが気になった。
我が信条の第3の柱「自分をトコトン大切にする」に従って、症状が出る前に副鼻腔炎を治療しようと決めたのが昨年の夏場。
当初は、抗生物質の服薬で対応したのだが、結果は芳しくなかった。
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「え~い、こうなれば短期決戦、手術で根治だ~」と気軽に考えたのだが、最初に相談した病院は「全身麻酔手術で最低4泊5日の入院が必要」との事だった。
えっ、そんなに大変な手術なの(°0°) こりゃ本気で調べなきゃ駄目だね!
そんなわけで、富士見高原病院や人間ドックの病院に相談・紹介してもらい、諏訪、自宅界隈、東京で6ヶ所の病院をピックアップして、手術方法や実績、評判等々を1ヵ月程リサーチ。
結局、諏訪の病院で2泊3日予定の内視鏡手術を申し込んだのが、11月の中旬であった。
執刀していただく先生は、副鼻腔炎だけでも年間200件程度の手術実績のある人気の名医。
手術可能なのは最短でも2月中旬とのこと。
3月末からの社主さまとの2週間のヨーロッパ旅行には、術後の通院や処置を考えると正に「ギリギリセーフ」のタイミングであった。
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手術までの3ヵ月の間、12月中旬には、術前の詳細な検査をほぼ1日を費やして受けた。
1月下旬には、年末に受診した人間ドックの「全身癌MRI」の結果が届いた。
癌はないものの、そこで唯一指摘を受けたのが「副鼻腔炎」。
うん、やっぱり手術に踏み切るという選択肢は正解だったね!
手術直後は、鼻声になって上手く話すことが出来なくなるし、通院や緊急時への対応のため2~3週間は八ヶ岳に滞在せねばならない。
そんなわけで、先週まで、対面講演を中心に仕事にガッツリ取り組んできたのであった。
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そして、2月12日が入院初日。11時に受付して、社主さまと病棟の面会室に移動。
眼下に諏訪湖が眺望できるのは、事前に調査済み。
だから「御神渡り」を本当に楽しみにしていたのだが、残念ながら、既に「明けの海」が宣言されていた。
諏訪湖は、御神渡りの雰囲気とは無縁の状況であった。

その後、病室に案内された。
私は人間嫌いなので、事前に個室を希望しておいたのだが、人気があるので確約は出来ないとの事だった。
結果は? しっかりと個室だった。うん、御神渡りよりもこっちの方が嬉しいね(^o^)

入院初日(と言っても半日だけど)は、血圧や血中酸素濃度、体温等の定期測定と翌日の手術の説明等のみでノンビリと過ごした。

この日に、生まれて初めての「病院食」なるものを昼食と夕食で味わった。
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2日目(13日)は、いよいよ手術の日。

食事は朝から抜きで、午前9時まで水が飲めるのみ。
9時から点滴を射って、手術開始時間を待った。
手術は午後1時開始で、3時間強を要したらしい。
らしいというのは、全身麻酔でまったく覚えていなかったからだ。
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その後は、病室に戻って約3時間半の安静状態。
病室に戻ってからは、看護師さん達や執刀医の先生としっかりと受け答えをしていたらしいのだが、実は私はほとんど覚えていなかった。
意識がハッキリしたのは午後7時前だったかな?
目覚めたら、手術着が汗びっしょりで本当に驚いた。
室内にいた看護師さんに尋ねたら、手術後に部屋に戻ってから、譫言のように私が「暑い暑い」と言って、汗をかいたらしい。
体温を計っても平熱だったとのこと。
あまりにも暑いというので、暖房をオフにして氷枕まで用意したとの事。
確かに頭の下には氷枕が置かれていた。

手術中と意識が完全に戻る前の部屋での記憶はないのだが、「暑い暑い」という言葉には、実は思い当たることがあった。
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ずっと、妙に生々しいけど、とっても心地良い夢を見ていたんだよね。
私は、子供の頃から夢を見ない(正確には見たけど覚えていない)体質のようで、例外がサインポストのように時々現れる「土偶さんの夢」だった。
でも、今回見た夢は、土偶さんの登場は無し。
最初のシーンは、どこまで続くかわからない程に広大な花畑。
そこを歩いていると、どこからか「大丈夫、君の事は見守っているから安心して。」って声がハッキリと聞こえたのだ。
花畑の中を歩いていると、空間はシャボン玉のようなものが無数にあって、その泡でギッシリと埋め尽くされていた。
空間全体が、しっとりしていて、とっても心地良かったな。
シャボン玉の泡は、私が触れても決して割れないんだよね。
上手く表現できない不思議な感覚だったな…
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どれだけ長い時間歩いたかはわからないが、今度は「ついでだから身体の中の悪いものを全部出しちゃおう。」って、言葉が聞こえて、周囲がまるでプロジェクションマッピングのようにお花畑から「広葉樹の森林(雑木林だね)」に変わったのだ。
森の中もシャボン玉でいっぱいなのだが、お花畑のよりは弾力があって、その中を歩いている内に身体が火照ってきて、夢の中でも汗をかいていたんだよね。
もういいかな。ちょっと休もうかなって、思ったところで目が覚めたような気がした。
本当に不思議な夢だったな…
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ちなみに、私はスピ系や陰謀論の類には何の興味もない。
土偶さんや神社(そこにある巨樹、巨岩、湧き水等)、それにダムは、純粋に好きだ(惹かれる)から訪れるだけである。
自分で見聞き、体験した事以外は基本的に信用しないし、他人の言うことは絶対に鵜呑みにしない(疑ってかかる)。
そして何よりも「データ大好き人間」だ。
一方で、身の回りで起こった不思議な出来事は(結構ある)は、ごく自然に受け止めて、しっかりと記録にだけは残すようにしている。
まあ「典型的なリアリスト」なのである。
そんな私が、繰り返し言うのだが、本当に不思議な夢だった。
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3日目(14日)の今日は退院予定日。
最後の病院食をちょこっと味わって、9時半前に執刀医の先生による「退院判断」の診察。
3時間強の手術だったが、出血はほとんどなかったし、術後の痛みも大袈裟ではなく「皆無」。
発熱もなかったし、血圧等も正常だったので、当然ながらの「退院決定」。
事前に説明されてはいたが、大変なのは、これからの術後管理のようだ・
退院時間は10時半に決定。
ギアちゃんで迎えに来てくれた社主さま(家内)と、病院の駐車場を出たのは10時40分過ぎだった。
2泊3日の手術入院と言っても、正味は丸2日の「人生初体験」であった。
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社主さまには、真っ先に「不思議な夢」の事を報告。
すると「そのお花畑って、誰かに呼ばれてそっちに行ったら、あっちの世界(あの世)に行っちゃうパターンじゃないの?」だってさ。
ああっ、確かにそんな話もあるね。
でも、私の見た夢はそんな感じじゃなかったな…
それに、シャボン玉の不思議な感覚が今でも皮膚に残っている感じがするのだ。
まあ人生色々あるよね!
— One Life, Live It !