「大変だ~」とぼやいていても、仕事が捗るわけではない。
そんなわけで、睡眠時間を削って仕事を続けている。
今朝の8時には、取り敢えず今日〆切りだった2つの案件のファイルの送信を終えた。
さあ、あとは2件の講演だ。
今日もスーツ姿で、東京へと電車で出稼ぎである。
1件目の講演を午後2時過ぎに終えて、次の講演会場へと向かった。
場所は、かつての勤務先がある「六本木ヒルズ」である。
2時45分に到着の予定が、やや遅れて3時前になってしまった。ちょっと慌てた。
おっとイケない、六本木ヒルズに来た時の「儀式」をしなくちゃならないな…
まずは、ビルを見上げて呟く。
「八ヶ岳の方が全然大きいぞ!八ヶ岳の方が、はるかに立派だぞ。」
続いて「大した高さじゃね~な。オフィスは標高1,300mにあるんだぞ。」
そして、グリーンゾーンの植栽された樹木を嘲る。
「ふん、所詮はニセモノの林じゃないか。それに、我が家の庭の木々の方が大きいもんね!」
こんな儀式に何の意味があるのか自分でもよくわからないのだが、「ルーティン」とはそんなものだろう。
その後、51Fの講演会場である「六本木ヒルズ倶楽部」へ直行。
講師待合室へと案内されたのは3時10分過ぎ。
講演開始は3時30分なので、ちょっとだけ休憩時間が出来た。
何となくホッとしたのは、この数日の間で初めてだな。
待合室にはピアノが置いてあり、その天板に空が映り込んで美しかった。
これも演出かな?
さすがだな、六本木ヒルズ倶楽部…
まだ時間があったので、スクリャービンの「ソナタ第5番」でも弾こうかと思って、鍵盤に手を置いた。
いや、講演前だからやめておこう。
それによく考えたら、私はピアノを弾いたことがなかった。
法螺貝を吹くのは得意なんだが…
今日の講演のお客様は、地域銀行の東京支店長さん達約50名。
講演やプレゼンは、アナリストになってからは、多い年には年間500件程こなしてきたので、緊張感などはまったくない。
だが、今日の講演ではアナリスト歴34年目にして「初めての異変」が発生。
80分間の講演が半ばを過ぎた頃に、いきなり口の中で石のような異物が転がり出したことに気が付いた。
オイオイ、なんか話すのに邪魔だぞ。どうしたんだ?
あっ、歯が抜けたんだ (°0°)
正確には、歯科治療中の「仮歯」が、口の中でテロ活動を始めたのである。
ヒエ~ こりゃ、参ったな。
話しづらくてどうしようもないぞ (>_<)
話しながら仮歯を舌の下に置いて活動を封じ込めようとしたのだが、無理であった。
仕方ないので、途中で水を飲むふりをして、仮歯を一気に飲み込んだ。
それは、さすがに無理だよね。
コップを持ちながら、ちょっと後を向いて、手を口で押さえてすぐに仮歯を吐き出してスーツのポケットに放り込んだ。
う~ん、我ながら「匠の技」だな。
こんな感じでハプニングはあったけれど、予定通り午後5時には講演を終えることが出来た。
51Fの講演会場から見下ろす東京の街は、いつもよりも優しく感じた。
なんか「生きて思いっ切り仕事をしている」って感じだな\^^/
「ヒエ~、大変だ~」の日々はまだまだ続く。