秋の夕 何となく「井戸尻」へ…

今日は午後3時半から富士見の町で所用があった。

今回、急遽、八ヶ岳に滞在する事になった理由のひとつである。

所用そのものは30分程で済んだ。

オフィスに戻って仕事の続きをしようと思ったのだが、なぜか何となく「井戸尻」に行きたくなった。

空は薄曇りで美しい夕焼けは見られそうになかった。

紅葉にはまだ早い。

蓮の花の開花時期なんてとっくに終わっているし、おそらく「赤そば」も見頃の時期を過ぎているだろう。

冷静に考えると、わざわざ訪れる意味の無い時期なのであるが、それでもフラッと立ち寄りたくなるのが「井戸尻」なのだ。

今日予定している仕事は残り1時間程で終わるな…

帰り道にちょっと道草を食うのも悪くないと思い、井戸尻に向かった。

井戸尻着は4時15分。

駐車場脇では、盛りは過ぎていたように思えたが「赤そば(高嶺ルビー)」の花が私を出迎えてくれた。

道路脇の駐車スペースにミニパジェくんがポツンと1台だけ。
見頃の時期は過ぎているかもしれないが、赤そばの花はまだ十分に美しかった。
赤そば(高嶺ルビー)は、ぱっと見では蕎麦の花とは思えない艶やかさだ!

見学客はひとりもおらず、私の「貸し切り状態」であった。

15分程、井戸尻史跡公園内をノンビリと散策。

ああっ、やっぱり井戸尻が理屈抜きで好きだな…

残念ながら曇り空だったが、それでも井戸尻には神々しい雰囲気が漂う。
水車小屋は回っていなかった。「秋の夕」である。

落ち着く、癒やされる、懐かしい等々、様々な思いが頭に浮かぶのだが、結局は「気持ちがイイ」のだ。

蓮畑の蓮は既に枯れ始めていたが、水の流れがむしろ見やすくなっていた。

湧き水の流れを見たくて蓮畑の方に歩いて行った。
見学客は私1人。水の流れる音と秋の虫の鳴き声だけが聞こえた。

5分程、蓮畑の中央に立って美しい水の流れをじっと見つめた。

縄文人がこの地を選んだ理由がよくわかるな…

やっぱり井戸尻は理屈抜きにイイな!
縄文人がこの地に住居を構えた理由が本当によくわかる。「場の持つ力」が半端じゃないのだ。
赤そば畑から車ですぐの場所に、普通の蕎麦畑もあった。
普通の蕎麦の花も近くで見ると可憐で美しいな…

オフィスに戻ってから、昨年、赤そばを見に行ったのがいつだったのか気になった。

『八ヶ岳稿房』の投稿(https://triglav-research.com/?p=35344)で確認したら「10月2日」であるが事が判明。

まったくの偶然なのだが、昨年とほぼ同じ時期に井戸尻を訪れた事になる。

「赤そば」が招いてくれたのかな?

まあ、何にせよ「井戸尻は特別な場所」である事は間違いない!

 

by『八ヶ岳稿房主』