八ヶ岳で過ごしていると、傍から見ればどうという事の無いように思えそうだが、自分にとっては特別な「些細な喜び」を感じる事が多々ある。
焚き火、八ヶ岳ブルーの空、庭木の四季折々の変化等々、数え上げたらキリが無い。
今朝もそんな「些細な喜び」に浸る事が出来た。
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「食」に興味もこだわりもない私が、「朝の珈琲」を味わう喜びに嵌まってから、早4年以上が経過した。
元来、味覚音痴である私が、何故か飽きもせず、オフィスで淹れた珈琲を味わう「時間」を毎朝楽しんでいる。
どうしてこんなに長続きしているのか、私なりに分析すると「3つの要因」が浮かび上がってきた。
ひとつめは、珈琲メーカー Panasonic 「NC-A56(私は珈琲マスターと呼んでいる)」との相性の良さである。
淹れた珈琲の美味しさは勿論だが、珈琲豆を挽く音やドリップ音等が私の好みなのだ。
周波数が合うという感じかな?
そして、後片付けが楽な点が何よりも気に入っている。
手間を要しない、サラッと付き合う事の出来るマシンなのだ。
ふたつめは「珈琲(マグ)カップ」コレクションの楽しみである。
主に全国各地を講演で訪問した際に収集(購入)したマグカップは、改めて数えてみたら24個になっていた。
この中から9個を選んで壁に飾り、さらにその中から毎朝1個を選んで珈琲を味わう。
その際に、カップを購入した時の講演等の内容や思い出が甦る。
その瞬間が堪らなくイイのだ…
3つめ、そしてこれが1番重要なのだが、地元の珈琲豆店「テーブルランド(https://www.tableland-coffee.com/)」さんに出会えた事だ。
珈琲豆も色々と試してみたが、やっぱり、テーブルランドさんのブレンド珈琲に感じる「柔らかい甘味」が、私は好きなのだ。
昨日の朝の珈琲で豆のストックが切れたので、午後、富士見駅前のビーンズショップに豆を買いに出掛けた。
昨日は、オーナーご夫妻がお店にいた。
ベタベタした人種が苦手な私にとって、お二人のサラッとした感じがとても心地良い。
お店に通うようになって4年以上になるが、オーナーさんのお名前も知らないし、私も苗字すら名乗った事がない。
余計な会話もしないが、伝えたい気持ちは「言葉に出す」のが大切だ。
そこで、いつものように「やっぱりこちらのブレンドが一番好きなので、また買いに来ました。」と最初に挨拶する。
そして「テーブルランド」「富士見高原」「八ヶ岳」の定番ブレンドと「季節のブレンド」を200gずつ注文した。これも毎回共通だ。
9月の季節のブレンドは「チョコレートコスモス」で、代金は4種類のブレンド合わせて5,420円。
今日は珍しく、私は「質問事項」があった。
先月、和食モーニングを楽しんだ純喫茶「ちっと(https://triglav-research.com/?p=39675)」さんの食後の珈琲をとても美味しく感じた。
そして、何となく「懐かしい感覚」を覚えたのである。
そこでオーナーご夫妻に「近くで早朝からモーニングをやっている喫茶店の珈琲が美味しかったんですが、もしかするとこちらの豆ですか?」と聞いてみた。
するとご主人から「ああっ、ちっとさんの事ですね。あそこの珈琲は、うちのちっと用のオリジナルのブレンドです。」との答えが返ってきた。
やったね!私の「味覚」も捨てたもんじゃないな。とても気分が良かった。
袋詰めを待つ間、店舗内の壁を見ると、見知らぬ絵が掛かっていた。
周辺には、この絵の図柄を付したオリジナルグッズらしき商品も置いてあった。
前回来た時は、確か無かったような気がするぞ。
すぐに、新たにお店の「ロゴ」を作成した事に気が付いた。
グッズの中には、ステッカーもあった。
1枚100円。エアガンケースに貼ったらお洒落だな… 2枚買う事に決めた。
支払いの際にステッカーも追加したら、奥様が「いつもありがとうございます。ステッカーの方はサービス致しますね。」との事。
思わず「10枚位買えば良かったな..」と呟く私。
3人の間に無言の微笑みが広がる。
そうなんだ。こういうサラッと感が私は好きなんだ。
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今朝は、昨日購入した珈琲豆を開封して味わう事にした。
1袋の珈琲豆で1回しか楽しむ事の出来ない「至福の時」の到来である。
豆は季節のブレンド「チョコレートコスモス」を選んだ。
鋏で封を切った瞬間、豆の馥郁たる香りがオフィス内に広がる。
その後のキャニスタに豆を入れる時の軽やかな響きが堪らないな…
今日の八ヶ岳は雨模様。珈琲はオフィスのデスクで味わおう。
大きめの「有田焼」のマグカップに珈琲をタップリと注いだ。
「ご贔屓の珈琲豆店」をもつ事の幸せをじっくりと味わった…
by『八ヶ岳稿房主』