生まれてからこれまで60年の人生で、自分は一体何冊の本を読んだろうかと、ふと思うことがある。
大まかな推定方法も考えてみたのだが、簡単ではなかったので諦めた。
好きな本を10冊示せと言われれば、2~3分あったら絞り込めると思う。
もっと容易なのは「嫌いな本」、正確には「後味の悪かった本」で、すぐに1冊が思い浮かぶ。
1980年代の前半にいくつかの出版社から刊行された森村誠一氏著の『悪魔の飽食』シリーズである。
旧関東軍731部隊(細菌戦部隊)を扱ったノンフィクションと言われているが、今となってはノンフィクションとフィクションの境界が曖昧でよくわからない。
ただ、日本人(人間)というのが、あんなに冷酷無比に、細菌兵器研究のために人体実験が出来るものなのかと、今思い起こしてもゾッとする。
そんなわけで「飽食」という言葉は、もう40年近くも、私が最も忌み嫌う言葉のひとつとなった。
本来は「食べたいと思うだけだけ食べる事が出来て、食物に不自由しないこと」という意味なのだろうが、私には「果てる事なき悪しき欲望」といったイメージなのである。
そんな大嫌いな言葉が、何度も何度も繰り返されるTV番組を昨晩、観てしまった。
番組名は「NHKスペシャル 2030 未来への分岐点(第2回)」だ。
今年の1月から全5回のシリーズで放送されたのだが、残念ながら第2回だけを視聴していなかった。
最近になって、U-Nextで視聴可能である事に気付いて、漸く第2回「飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」を観ることが出来た。
タイトルそのまま「食料危機」をテーマとした内容である。
私は、地球温暖化や自然災害、新型ウィルス等の脅威については相応の知識があるが「食糧危機問題」はこれまでノーマーク。
番組内で次から次へと紹介される陰鬱なデータに暗澹たる気持ちになってしまった。
特に
「世界中で約8億人が現在、飢餓状態に苦しんでいる(エッ、そんなに?)」
「日本は世界一の飽食大国で年間のフードロス(食べられるのに廃棄される食材)は612万トン(これって多いのかな?)」
「日本のフードロスは国連の年間食糧支援の約1.5倍、エッ (°0°)」
「日本のフードロス分で約2億人が飢餓から解放される(なんて罪深いことをしているんだ!)」
という情報には打ちのめされてしまった。
これって正に「悪魔の(日本人の)飽食」そのものじゃないか!
自身の「無知」を大いに反省した次第である。
やっぱり「Nスペ」は本当に勉強になるな!
私はNHKに受信料を払うのは、全然OKだ(それだけの価値がある番組を放送している)。
でも、日本って本当にそんなに「飽食」なのかな?
まあ、確かにブログの投稿で人気があるのは「グルメネタ(食レポ)」と「ペットネタ」である。
前者は「飽食」の証と言えるし、そもそも人間が飢えてたらペットどころじゃないものな…
気付かない内に、私も「飽食の沼」にドップリ浸かっていたのかもしれないぞ!
番組の後半では「(地球と人類の)持続可能な理想の食事」が紹介された。
「半分が野菜で、週に牛肉・豚肉が98g、鶏肉が203g」、牛肉・豚肉については、先進国では現状の8割以上の削減が必須との事。
写真で見ると随分と「健康的な(味気ない)食事」である。
う~ん、食にこだわりがない私でも、これはちょっとキツいかな…
折りしも、私は一昨日から従来の「トリグラフ流ダイエット」に「16時間ファスティング」を組み合わせたライフスタイル(食生活)を始めたところである。
まったくの偶然ではあるが、ドンピシャのタイミングでとんでもない番組を観てしまったな。
これは「食生活を改めなさい!」という神様(何の神様かはわからないが)のお導きかもしれないぞ。
さて「完全復活バージョンのトリグラフ流ダイエットと16時間ファスティングの組み合わせ」を実行して、今日で「丸3日」。
当分の間、八ヶ岳滞在中は、このスタイルを貫こうと考えている。
スタート時の体重は82.40kgで、目標は11月初旬の人間ドック(約3週間)までに80kgを割り込むことである。
ドキドキしながら午後6時過ぎに体組成計に乗った。
結果は「あっ、80.35kgにまで減ったぞ。3日で2.05kg減だ \^^/」
まあトリグラフ流ダイエットを本気でやれば、最初の内はすぐに体重が減るのは経験済みであるし(その後は簡単には減らない)、16時間ファスティングも全然つらくない。
あと3週間、リバウンドに注意しながら、絶対に80kgを割り込みに行くぞ!
今週から「飽食」は我が敵だ!!