春と共に失せ物現る — Pelikan「自然の美観シリーズ」Eternal Iceとの再会

春の訪れと共に、失せ物現るか…

先日、春のビジネスの装いとしてのネクタイ、ピンバッジ、ノートケースの組み合わせを考えた際に、TUMIのノートケースのポケットが少し膨らんでいることに気が付いた。

何が入っているかを確認したら「水色とライトグレーの美しい万年筆」が出てきた。

TUMIのノートケースのポケットから Eternal Iceが出てきた際には大袈裟ではなく本当に驚いた。何故、ここに入れたかについては心当たりはまったく無し。

万年筆の正式な名称は、ドイツ(本社はスイス)Pelikanの「自然の美観シリーズ M640 Eternal Ice(永遠の氷)」だ。

実は、私はこのお気に入りの万年筆を紛失し、4年以上も探していたのである(私にとって極めて稀な事態だ)。

もう出てこないだろうなと、諦めていた中での「感動の再会」だった。

私は、DIY、土偶(縄文)、野鳥、デジガジェ等々の嗜みよりもはるかに長く、かつ、深い「文具マニア」だ。

特に「筆記具」には様々なこだわりがあり、「ローラーボール」に関しては「特別な愛着」を抱いていた。

そんな私が、2015年から会社業務のペーパーレス化を本格的に進め、2017年1月末には「TRIGLAV 2017BPR プロジェクト(https://triglav-research.com/?p=16282)」のゴールとして「完全ペーパーレス化」に移行。

長年愛用していた「Moleskine」とも決別し、仕事の記録(メモやノート・テイキング)は、iPad ProとApple Pencil にすべてを委ねる事になったのである。

現在は、これにGN20UとSペンの組み合わせも加わり、簡単なメモ書きについては片っ端からGN20Uにストックされている。

Moleskineとの決別は、同時にこれまで愛用してきた「筆記具とのお別れ」も意味していた。

仕事の際のお供として、モンブランのローラーボールやファインライナーは、ローテーションで現役を続行させたが、それらも出番は激減。

モンブラン以外の筆記具コレクションの多くは、2017年2月以降、専用ケースの中で長い眠りについたのであった。

Pelikanの「自然の美観シリーズ」は2007年から2011年の5年間で全6種類が発売された。

私は、同シリーズの「Niagara Falls(ナイアガラの滝)」を都心の文具店で初めて見た時に、その造形の美しさに魅了され「衝動買い」に近い形で購入した。

結局、全6種類を購入することになるのだが、「Eternal Ice」は、①自然の美観シリーズの最後を飾った ②ローラーボール派の私が、珍しく敢えて「万年筆」を選んだ ③完全ペーパーレス化移行でコレクションの多くが長い眠りに入る際に、何故か「行方不明(反乱かな?)」になっていた という意味で「特別な存在」であった。

Pelikanの「自然の美観シリーズ」は全6種類。他の5種類はすべてローラーボールを購入したが、Eternal Iceのみ万年筆を購入。

ビジネスの際に万年筆を持ち歩く習慣はなかったので、TUMIのノートケースのポケットに入っていた理由は不明なのだが、そんな事はもうどうでもよかった。兎に角、再会できた事が大きな喜びなのだ!

これまで空の状態であった専用ケースにEternal Iceがしっかりと収納された。

長く使用していなかったので、早速、メインテナンス(水洗い)を実施。

インクはパイロットの「色彩雫」シリーズを使っていたはずだ。自宅書斎のインクコーナーを探したら、すぐに「紺碧」が見つかった。そうだ、このインクだ!

Eternal Ice購入当初は別のインクを使っていたが、(確か)2014年に Pilotの「色彩雫」シリーズが発売されてからは「紺碧」が相棒となった。

次は「試し書き」である。少なくとも4年以上は未使用であったはずなのだが、驚く程滑らかに字が書けた。

そして、この軸とインクのカラーの組み合わせをとても気に入っていた事を思いだした。

メインテナンスを終えて、早速試し書き。4年以上のブランクがあるとは思えない程、滑らかな書き味に大満足。「紺碧」のインクカラーは、Eternel Iceにピッタリなのだ!

久し振りにお気に入りの筆記具(万年筆)で紙に字を書いて、とても「豊かな気持ち」になれた私がいた。

この感情は、Apple Pencil と iPad Proのノートアプリでは決して味わうことは出来ないな… 

ビジネス用(iPad Pro12.9inch)とプライベート用(iPad Pro11inch)の2本の Apple Pencil と Eternal Iceを並べた。造形美という意味では Apple Pencil も素晴らしいが、やはり味気ないな…

ふと「アナログの逆襲」が始まりそうな予感がした。

 

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