『三十三番土偶札所巡り』—18番「台御堂遺跡 土偶」・19番「荒神山遺跡 土偶」・20番「穴場遺跡 土偶」

「諏訪市博物館」の広々とした駐車場に着いたのは11時40分過ぎだったように思う。何故か、岡谷から諏訪までの移動について、Googleマップのタイムラインがエラー記録されたいたのだ。諏訪湖周辺で地磁気異常でも起こっているのかな?

この博物館周辺は頻繁に訪れているので、私にとっては「準ホームグラウンド」的なエリアだ。八ヶ岳界隈の考古博物館の探訪回数では、井戸尻、尖石、北杜市、釈迦堂、山梨県立のTop5 に次ぐレベルの存在である。

「諏訪市博物館」の広々とした敷地と建物。諏訪大社上社本宮のすぐ近く、素晴らしいロケーションにある博物館だ!

エントランスに向かうと、すぐに防疫対策の特設テーブルがあり、定番情報を記入。検温は無し。入館料310円を受付で支払い、すぐに女性の館員さんにご朱印記帳を依頼した。

正午には、法務局に向かい出発する予定だったので見学時間は20分間と設定。が、いきなり「ご朱印は、エントランス右手奥のすわ大昔情報センターで対応致します。」との想定外の言葉が返ってきた。

すぐに移動して、男性の(おそらく)学芸員さんに依頼。「うちは3つ(巡礼対象が)なので、毎回、かなり時間が掛かってしまうのでご容赦下さいね。」との事。その内容で、こちらも私が「巡礼&ご朱印 第1号」ではない事が判明した。さすがに三十三番土偶札所巡りのお遍路さん増えてきたんだな…

その後、2Fの常設展示室の「考古資料スペース」に直行。諏訪市博物館は、18番「台御堂遺跡 土偶」、19番「荒神山遺跡 土偶」、20番「穴場遺跡 土偶」の3体の土偶さんが巡礼対象。だが、何回も訪れた先なのだが、どんな土偶さんかまったくイメージが浮かばない。

「最近、新しい土偶さんが出土したのかな?」なんて考えてしまった。確か、土偶さんの破片(身体のパーツ)がいくつか展示されていた事を思い出して、そのコーナーへと向かった。

するとそこには、目立つ2枚のイエローのプレートが並んでいた。左側には「三十三番土偶札所巡り実施中等の記載」があり、右側には「札所巡りの対象土偶3点のみ、撮影可能です(18番~20番)。フラッシュは禁止します。」と記されていた。

18番~20番の「札所指定」土偶さん達には、写真撮影可能との表示(特例)があった。

すぐに18番~20番の土偶さん達を発見。ああっ、これが「札所指定」の土偶さん達か… どれも私が「身体のパーツ(破片)」と認識していた馴染みの土偶さんだった。正直、ちょっと肩すかし感が拭えない。

18番~20番土偶さん勢揃い。札所指定の土偶さんのみ写真撮影可能との事だが、個別展示されているわけではないので、こんな感じに他の土偶さんも写真の片隅に入ってしまう…

他の展示物は、すべて写真撮影不可なので、この3体の土偶さんにフォーカスして撮影。改めて「どうしてこの3体を選んだのだろうか?」と考え込んでしまった。

18番「台御堂遺跡 土偶」 御朱印
18番「台御堂遺跡 土偶」実物。確かにユニークな土偶さんではあるが「札所指定」にはちょっと迫力不足じゃないかな?
19番「荒神山遺跡 土偶」 御朱印
19番「荒神山遺跡 土偶」実物。う~ん、上半身のみで「札所指定」か?
20番「穴場遺跡 土偶」 御朱印
20番「穴場遺跡 土偶」実物。さすがに、この土偶さんの胴体部分だけで「札所指定」というのは、ちょっと違うんじゃないかと思う。

諏訪市博物館には素晴らしい「蛇体装飾付釣手土器(諏訪市有形文化財)」が常設展示されている。蛇をかたどったと思える凝った装飾が施された「ミステリアスな土器」だ。私が好きな土器のトップ5にランクするような貴重な存在なのだ。

こちらが私が大好きな「蛇体文装飾付釣手土器」である。星野之宣先生の宗像教授シリーズにも登場する。写真撮影禁止なので、以前見つけたFree素材の写真を掲載。

さらにもうひとつ微笑ましい人面付きの「有孔鍔付土器」も展示されている。個人的には、この2つの土器(残念ながら写真撮影不可)の方が、巡礼対象に相応しいように思える。

改めて「北杜のちゅうた君」「岡谷の顔面把手付深鉢形土器」、そして「諏訪の蛇体装飾付釣手土器と有孔鍔付土器」等が、三十三番土偶札所巡りの選外である理由を知りたいと思った。

その後、考古学者 藤森栄一先生の特設コーナーがあるもうひとつの常設展示室も見学。気が付いたら正午を少し過ぎていた。慌てて「すわ大昔情報センター」に戻ってご朱印帳を受け取った。

これで、三十三番土偶札所巡り短期決戦3日目はすべての予定を終了。私は、この日の本来の目的である長野地方法務局 諏訪支局へと向かった。