『断捨離』の楽しみ — 国産最後のBCLラジオ SONY「ICF-SW7600GR」との再会

毎週末の断捨離作業を続けていると、先日紹介した「SONYの Clie PEG-TH55(https://triglav-research.com/?p=25414)」のように下取りを免れた超レア物と「衝撃(運命)的な再会」をする事が少なからずある。実は、昨日もそんな出会いがあったのだ。

場所は「八ヶ岳本宅のホビールーム」。ミニルーターセットが必要になったので取りに行った際に、何故か4段あるデスク引き出しの下から2番目を整理しようと思い付いた。ここは主に「ACアダプタ」の保管場所として使っている。

引き出しを思い切り前に引っ張り出したら。右の一番奥にケースに入った見慣れぬ直方体を発見。なんだこれ? ケースにはSONYという表示があるが、黒いキャリングケースは、既に劣化が始まっていて、手に持つとフチの部分がボロボロと剥がれた。

恐る恐るケースを開く。出てきたのは「ラジオ」である。ああっ、懐かしい。ここに保管してあったんだ。

機種名を確認すると「ICF-SW7600GR」。まだ私が「熱烈なSONYフリーク」であった時代に、短波放送を聴く目的で「最後に購入したSONY製ラジオ」だ。

購入した時期は、はっきり覚えていなかったが、八ヶ岳本宅を購入して数年後だったように思う。気になって過去の写真を調べてみたら、2002年12月にホビールーム(当時は八ヶ岳の書斎)の様子を撮影した内の1枚にしっかりと写っていた。したがって、少なくとも購入後17年近くを経過した「古参ラジオ」である。

いつの頃からお蔵入り状態だったかな? これはサッパリわからない。だが、ラジオ放送については、かなり早くからサイマルラジオサービス(radiko)に切り替えた。だとすれば10年近くは使っていないと考えられる。

2014年1月の八ヶ岳オフィスへの移転の際に「お供役」から漏れてホビールームに放置されていたのだから、最低でも6年近く引き出しの奥に眠っていたのは間違いない。

電池が入ってなければいいのだが… 機器裏側のバッテリー蓋を開くと、幸いな事に電池は取り外してあった。すぐに、まだ使えるか確認したかったので、ACアダプタを探したのだが、どうしても見つからない。

仕方ないので、オフィスに戻って単3電池4本を入れて、右上の電源スイッチをオン。するとすぐにAM放送の音声がクリアに流れ始めた。FM、SWと切り替えてチューニングすると、どれもバッチリ聴取可能。ICF-SW7600GRがおそらくは、10年近い眠りから目覚めた瞬間であった\(^o^)/

本宅ホビールームの机引き出しの奥に大切に保管(忘れて放置)されていたSONY「ICF-SW7600GR」。キャリングケースは劣化してボロボロだったが、ラジオそのものはまったくの異常なし!

このラジオ、SONYは、いつ頃まで販売していたんだろうか? 調べてみると、「2001年~2018年まで販売された超ロングセラー機」とか「生産終了となった最後の日本製BCLラジオ」なんて書き込みがどんどん出てくる。恥ずかしながら、そんな「名機」である事は全然意識していなかったのである。

「2018年生産完了なら、まだ、Amazonで新品売ってるのかな?」と興味を覚え確認すると、新品が79,800円、中古品が27,000円~52,800円で出品されていた。この価格にさらに驚く。かなり曖昧な記憶なのだが、2万円台前半(22,000円位かな?)で購入したような気がするのだ。

それにしても「最後の日本製BCLラジオ」だとは、まったく知らなかったぞ。私が中学生の頃、大BCLブームがあって、SONYのスカイセンサー派とNational(現Panasonic)のクーガ派に、クラスの男子が2分されたんだよな… などと、45年近くも前の事の事を思い出してしまった。私が使っていたのは「クーガ115」。当時はまだSONYフリークではなかったのだ。

私が中学生の頃の大BCLブーム時代に使っていた National クーガ115の写真。残念ながらもう実機は所有していない。45年近くも前だから仕方ない。

そう言えば、2年程前に「BCLラジオ」って雑誌が発売されて、思わず懐かしくて買ったはずだ! 再び、ホビールームに戻って書棚を探すと、すぐに見つかった。正式名称は「BCLラジオカタログ」。オフィスに戻って、ICF-SW7600GRと並べて記念撮影。

BCLにはちょっと心惹かれるものがあって、2年程前に発行されて「BCLラジオカタログ」なる雑誌を購入していたのだ。だが、ICF-SW7600GRが、「国産最後のBCLラジオ」となった事はまったく知らなかった。

その後、ICF-SW7600GRについてさらに調べて、あの「十和田オーディオ」製の最後のワールドバンドレシーバーである事を知った。『名機中の名機』じゃないか…

BCL 45年ぶりにチャレンジしてみようかな…