【縄文土偶探訪記 Revival season Vol.8】川崎市岡本太郎美術館(神奈川県)

探訪博物館: 川崎市岡本太郎美術館(http://www.taromuseum.jp/
探訪日: 2019年5月15日
探訪目的: 土偶さんに会えるかなというただの期待感

何らかの理由で「お蔵入り」となった博物館を加えると、既に、私の縄文土偶探訪の旅は120回を超えていた。まあ、色々と失敗はあるが、今回はそんな中でも「最大のしくじり事例」を紹介する。

5月15日は、東京でのお仕事Weekの中休み。元々は東京で予定していた講演が2件あったが、当方の理由でリスケをお願いした(極めて稀なケースである)。朝から新百合ヶ丘の自宅書斎で決算分析作業の準備をしていたのだが、プリンタ複合機がインク切れを起こしてしまった。翌日の朝までにどうしてもハードコピーを用意せねばならない資料があったので(ペーパーレスを貫いている弊社としてはこれも極めて稀なケース)、昼前に自宅近くのノジマに買い出しに出掛けた。

幸いインクの在庫はあったのですぐに所用は済んだのだが、折角外出したので、どこかにちょっと寄り道したくなった。ダメもとで「川崎市 土偶(訪問先でよくやる技)」と入力すると、「岡本太郎が撮影した縄文土器や土偶たち。」という文章が目に飛び込んできた。

すぐにLink先をクリックすると、生田緑地(http://www.ikutaryokuti.jp/)にある「川崎市岡本太郎美術館」で「岡本太郎と日本の伝統展」が開催中とある。そして、嬉しい事に、遮光器土偶さんのモノクロームの写真が存在感を誇示していた。

Googleマップで調べるとノジマから生田緑地までは約4km。車で10分程の場所である。生田緑地から新百合ヶ丘の自宅までは6km強。ちょっとした寄り道には最高のロケーションだ。迷う事無く岡本太郎美術館に向かった。

生田緑地の駐車場に着いたのは11時半。公園入り口には、遮光器土偶さんも写った大きな看板が設置してあり、土偶さんとのご対面への期待感が一気に高まった。

生田緑地の入り口には、遮光器土偶さんも写った企画展の大きな看板が置いてあった。期待感が一気に高まった。

100ha近い面積のある広大な緑地公園の中をのんびりと探索しながら美術館へと向かった。途中には「メタセコイア」の並木道もあり、「ここは一体どこなんだ?」と不思議な感覚を覚えた。

メタセコイアの杉並木(?) なんで、わざわざメタセコイア?? ここは日本でしょ!

美術館のエントランス前に着いたのは11時45分少し前。すぐに受付に向かい入館料1,200円を支払った。ここで「10月までは常設展示はお休み中」である事を知った。「まっ、いいか。土偶さんに会いに来たんだから。」と企画展示ルームに向かった。

美術館のエントランス。さすがにお洒落である…

企画展示の案内所では「展示スペースは基本的に写真撮影禁止」である事を伝えられた。仕方ないので、写真撮影が許されているごく一部のスペースで記念撮影。

企画展の案内コーナーは写真撮影が許された貴重なスペース。とりあえず記念撮影。
写真撮影が可能なのは、本当にごく一部のスペースに限られる。こちらは、岡本先生と太陽の塔の写真パネル(って言うのかな?)

「まっ、いいや。土偶さんに会えるんだったら。」と思い直し、案内係の女性に「縄文や土偶関連の展示スペースはどこですか?」と尋ねた。「こちらです。」と企画展示室の左方向を示されたので足早に向かう。

企画展示スペースは入り口部分で全景の写真撮影が許されるだけ。縄文関連の展示スペースはこの左手にあった。

「どんな土偶さんが展示されているのかな?」とワクワク。が、そこには「土偶さんのモノクローム写真」が20数枚壁にズラッと展示されているだけだった。縄文関連の展示スペースを迷子の熊のように何回か彷徨いたが、写真以外に土偶さん関連の展示物は何も無い。

恐る恐る別の館員さんに「あの~、土偶の実物の展示はないんでしょうか?」と聞いてみると、怪訝そうな顔で「今回は岡本先生の撮影した写真の展示が中心です。」という無慈悲な答えが返ってきたのである。「はあ~、写真だけ…」と打ちひしがれた私は、縄文関連以外の展示スペースを見学する意欲を失ってしまった。

次なる望みは、ミュージアムショップで土偶さん関連のレア物を見つける事である。「岡本先生の縄文好きは有名であるので、何か面白いグッズがあるに違いない。」と信じ、展示室を出てミュージアムショップに向かった。やった、「縄文コーナー」を発見。が、書籍を中心に私が所有しているものがほとんどだった…

ミュージアムショップの縄文コーナー。子供向けを除いては、既に所有している物ばかりだった。

オイオイ、これじゃあ、【縄文土偶探訪記】始まって以来の「完全肩透かし」になってしまうぞ。最後に一縷の望みをかけて「屋外展示」へ。常設展示はお休み中でも、きっと土偶さんに似たオブジェが私を待っているに違いない!

屋外展示で唯一最大と言えるオブジェ。でも、土偶さんとは何の関係も無い..

が、そこには… (絶句)

【縄文土偶探訪記】最大のしくじりに落胆しながら、D4が待つ駐車場に戻ったのは12時15分。ああっ、思い付きで寄り道なんかするんじゃなかった。駐車場を出ようとして駐車券を精算機に挿入したら200円との料金表示が…  モノクロームの土偶さんの写真を見るために私は1,400円も払ったのか~

残ったのは「虚しさ」と遮光器土偶さんの写った企画展のチラシだけだった。

最大唯一の収穫は「遮光器土偶さん」の写った企画展のチラシだった…