より深刻になる西日本豪雨の被害を見て、一刻も早く雨が止む事を心から祈っている。また、被害に遭われました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
昨日視聴した MEGA DISASTER 第5回「日本に迫る脅威 激化する豪雨」の締め括りで、司会のタモリさんが語った内容が印象的だった。「やっぱり最終的には、自分で一応の事を情報を集めておいて想定しておく事ですよね。で、兎に角、まっ、逃げる。卑怯と言われてもまず逃げる事が大事じゃないですかね。」— 自然災害に対する危機管理の本質をついた言葉だと思う。
自然災害に対しては、悔しいけれど、やはり人間は無力だ。『事前に災害に対する知識を十分に蓄え(=知る)、必要最低限の「生きるための物資」をしっかりと準備し、有事(災害)が発生したら迷わずに逃げて、そして、最後は祈る。』というのが弊社(私)の自然災害危機対応の基本方針である。この「知って、備えて、逃げて、そして、祈る」を実践するために、川崎自宅、八ヶ岳本宅&オフィス、そして通勤途中での対応を考えてD4車内にも、それぞれ災害対策グッズをかなり本格的に常備している。
かつては、「災害発生後72時間(3日間)を生き延びるための物資は、自前で備えるべし」というのが、個人としての災害対策の基本(常識)であったように思う。72時間を何とか凌げば、行政の対応が機能し始めるという楽観論が前提であったようだ。だが、東日本大震災以降、そんな「淡い期待感」を抱いても無駄だなと確信した。やっぱり「最低1週間」、基本的には「10日間」程度の食料や生活物資の備蓄が必要だろう。そんなわけで、社主さまと相談し、災害対策物資をここ数年、着実に充実させてきた。
昨晩も、そんな会話をしていたら、いきなり「緊急地震速報」がTV画面に表示された。震源地は、一昨日訪れたばかりの私の千葉の実家に近い。房総半島沖ではスロースリップ現象による地震が多発しており、その規模が徐々に大きくなってきているように思える。実家の父に電話すると、幸い、被害はまったく無かったようだが、東日本大震災後では最も大きな揺れだったと興奮気味に話していた。
豪雨、台風、竜巻、豪雪に地震。日本列島が「自然災害の坩堝」化しつつある。いつ、どこで、どんな自然災害に遭遇するか、まったく油断できない時代だ。そんなわけで、今日は朝から川崎自宅の「災害関連グッズ」のチェックを行った。食料品等は、1Fビルトイン車庫の後方に専用の棚を作って備蓄しており、これは社主さまが常に管理している。1カ所に防災関連用品をまとめるのは危険なので、この他に2Fバルコニーの専用ストッカー、さらには屋外にも分散して備蓄。
屋外には、主に災害の際に使うための工具、雨水備蓄用のタンク等々が配してある。メンテを怠るといざという時に役に立たないので、改めて庭の地下に埋めてあるストッカーの中身や雨水タンクのホースのゴミを除去するなど庭で30分程作業。不要品と思われるものについては思い切って処分。日頃の整理整頓は何事にも大切だ。
その後は、NHKスペシャル「災害」をデスクトップPC画面に流しながら、閉め切り間近な講演の資料をチェック。NHKスペシャルの「災害」モノは49本もあるので、いつもランダムに選んで視聴する。今日は「巨大災害時における人間の心理と行動」を特集した内容を選択。そして、災害時の被害をより大きくしてしまう以下の「人間の3つの心理行動」を改めて学んだ。
①「正常性バイアス」— 自分は危険な状況ではないと思い込む(思い込もうとする)心理
②「愛他行動」— 危機的状況に直面すると自分の危険を顧みずに他者を助けようとする心理
③「(多数派)同調バイアス」— 危機対応において判断や行動を周囲の人々に合わせようとする心理
である。
物理的備えも重要だが、人間が危機の際に無意識にとってしまう「行動特性」を把握しておく事も、咄嗟の判断の際に極めて重要だと考えている。防災対策(教育)にとって大切な要素だと思えるのだが、少なくとも私は、職場や学校でこのような知識を得た事は、これまでなかった。
番組が終わりに近付いてきたタイミングで、ちょうど社主さまが書斎に入ってきた。この「3つの心理行動」の落とし穴について真面目に語った。すると、社主さまからは「あなたは大丈夫よ。常日頃、その3つとは真逆の生き方をしているもの。災害時でも絶対に変わらないと思う。」という褒め言葉かどうか、よくわからないコメントが返ってきた。
「小鉢男」の本領は、意外と災害時に発揮されるのかもしれない。
雨が一刻も早く止みますように!