通勤時「身軽」じゃいけないの?— ビジネスマンの重装備に驚いた日

先週は、梅雨入りした東京でのお仕事Weekとなった。暑さはまだしも、耐えられないのは湿度の高さであり、この点がカラッとした八ヶ岳オフィスとの最大の違いである。

ログハウスの持つ「調温調湿機能」の快適さは、実際に住んでみないとわからない。八ヶ岳オフィスが最も恋しくなるのは、盛夏よりもむしろこの季節かもしれない。

救いは「小田急線の新ダイヤ」に漸く慣れてきた事だ。ダイヤ改正後、増発され、登戸にも停車するようになった「快速急行」に何回か乗車してしまい「混雑は緩和されず利便性も低下したダイヤ改悪」と憤慨した時期があった。

だが、現象として起こっていた事は「通勤時の一部電車への乗客集中」であり、そんな電車を外したり、時間帯をちょっとずらして乗車すれば、やはり全体として混雑は大幅に解消されている。「急行」の中には、驚く程に乗車率の低い「穴場的」なのもある。

デベロッパーである事よりも、純粋な電鉄業者としての発展にこだわりを持っているように(あくまでも私見であるが)思える「小田急さん」に改めて感謝したい。

私は仕事(特に東京での)の際には「身軽(軽く小さく)である事」をモットーとしている。以前、『稿房通信』で、長男に「真面目に仕事に出掛ける人とは思えない軽装」と評された事を書いた記憶があるな…

実は最近、講演先や面談相手にも、似た類の事を言われるようになってきた。エレベーターホール等で「身軽ですね~」とか「お荷物それだけですか?」なんて感じの言葉をしばしば掛けられる。先週もそんな事が2回あった。

講演のある場合は、iPad Proが必要なので、一応、「国鞄(コクホー)のレザーエンベロープ」や「filoFaxのノートパッド」等、A4サイズが収納できるタブレットケースやノートパッドを持ち歩くことになる。

こちらが「國鞄」のレザーエンベロープ。言わずと知れた国産革鞄製品の老舗である。シンプルな作りでお値段も手頃なので、もう15年以上、同じタイプを使い続けている(現在は3代目かな?) 同じタイプのブラウン色をプライベート用で使っている。

両方、軽くて薄く、講演用のiPad Pro 12.9inchを入れたら他には、ほとんど何も入れない(と言うか入らない)。勿論、両鞄(ケース)には、長いお付き合いの名入れ業者さんにお願いして社名がしっかりと金色の文字で刻んである。

こちらがfiloFaxのA4ノートpad。先程の国鞄のレザーエンベロープもそうだが、片手でつまんで持てる程の軽さと大きさである。こちらはさらに軽く、ポケットが豊富なので便利だ。まるで、iPad Pro12.9inchのためにある専用ケースのようで相性抜群だ!

面談のみの際には、iPad Proではなく、最近は本当に「ふぁぶ2」のみで出掛ける事が増えてきた。最初に作ったケースはスタイラスを入れる事が出来なかったので、改良版の作成を依頼した。

ふぁぶ2用の改良版ケースを作成した。スタイラスを一緒に持ち歩けるような構造とし、裏面(右)のキャメルカラー側には、自分で名刺・カードホルダーを貼り付けた。これで10人程度までの面談ならば名刺入れが不要となった!

完成後に自分で工夫して、数人程度の面談であれば名刺を入れる事の出来るホルダーを貼り付けた。これで名刺入れも持ち歩く必要がなくなった。ふぁぶ2ケースのみでの出勤時の悩みは「老眼鏡」をどうするかである。

スマホやタブレット端末の機能向上(特にバッテリー性能の向上が大きい)にクラウド環境の進化、メディアの電子媒体化等々により、どんどん身軽に仕事が出来るようになったのが本当に嬉しい!

そして、私同様、世の中の動きそのものが「出勤時の軽装化」に向かい、これが通勤ラッシュ時の混雑解消に部分的に貢献しているものと信じ切っていた(ノートPC不要だし、AC電源やバッテリー、紙の本・新聞・書類等々も全部不要だものな…)

だが、あまりにも「身軽」とか「軽装」とか言われるようになってきたので、先週の金曜日の通勤の行き帰りにビジネスマンの持っている鞄を結構細かく観察してみた。

驚いたのなんの… 相も変わらず、多くの人達がかなり大きめの鞄を持ち歩いているではないか。衝撃だったのは、リュックサックのような鞄を背負っているビジネスマンが、かなりいた事だ(流行なのかな?)。あんなので満員電車に乗ったら「迷惑」以外の何ものでもない。

判明したのは、通勤時のビジネスマンが持つ荷物としては「私が異例とも言えそうな軽装」だった事だ(大袈裟ではなく、持っていた荷物の軽さでは1%タイルに区分されると思う)。

こうなると気になって気になって仕方ない。このスマホ全盛時にあの膨らんだ鞄の中に何が入っているんだろうか? どう考えても変だ。理屈に合わない…

愛妻弁当(私は社主さまの作る食事は大好きだが、お弁当は頼まない主義だ)? 防災に備えてのサバイバルグッズかな?? それとも、こいつら実は皆がテロリストで、一斉蜂起の指示を待ち、武器とか防毒マスク入ってんじゃないだろうな… 色々と考えてみたが、どうしてもわからない。

「このご時世、不似合いな大きな荷物を持った人間(特にビジネスマン)には近付かない!」— 結局、これが「小鉢男」の辿り着いた結論であった。

なお、私は手荷物は身軽であるが、仕事の際には、どんなに暑い日でも「スーツとネクタイを必ず着用する」。クールビズのあの中途半端な格好では、本気に仕事をする気が起きないし、何よりもみっともない。

これが私の『矜持』である!