2013年7月11日。オフィス基礎工事はついに最終日を迎えた。6月5日の工事開始日には1ヶ月+αというのが工期予定であったので、まあ計画通りの進捗だったと言えるだろう。
最終日の工事は、布基礎内部の地面をきれいに固め均して、その上に防湿シートを敷き詰めてクリップ留めする作業だ。同時並行的に、工事現場の後片付けと機材の撤去が手際よく進められた。特に、後片付け作業の手際の良さと徹底ぶりには感動。
これまでの新築やリフォーム工事の経験から、良い業者さんの選びのポイントは ①詳細でありながらわかりやすい見積書 ②工事撤収作業の際の手際の良さと兎に角きれいな後片付け が極めて重要だと感じている。
オフィスセルフビルドでお付き合いした業者さん達は、どこもこの2つの条件を見事に満たしており、セルフビルド完了後もウッドデッキ基礎工事、本宅の大型石油ファンヒーターの交換、敷地内の光ケーブル地下敷設等々をお願いし、お付き合いが続いている。
個人的には「しっかりした(几帳面な)」業者さん(人間)は信用できるが、「だらしない(ズボラな)」業者さん(人間)」はその逆だと思う。見積もりで提示してくる価格(そとづら)だけで業者選びをするとロクな事はない。
ビジネスの場合もよい見分け方がある。自分の会社であるトリグラフ・リサーチを除いて、私は国内外10の金融機関でこれまで働いてきた。
3社目位から、入社後早いタイミングで、オフィス内をブラッと歩いて(挨拶も兼ねて)デスクの整理整頓具合をチェックするのを常としている。この作業で、チームや個人の勢い、組織としての統制度合いやある程度の将来は、ほぼ正確に予測する事が出来た。
ただ1人だけ例外があった、国内証券の調査部門で働いた際に、机上にうず高く資料が積み上がり、作業スペースがまったくない人物を発見した。だが、資料の四隅やサイズはしっかりと揃えられ、机上は高層ビル群のように美しかった。
興味を持ってその後もさりげなく観察を続けると、個別資料の所在場所は完璧に把握しているようだった。電話が掛かってくると、すぐに器用にビルの改築工事をして、必要書類の束をあっという間に手にしていたのだ。その見事さには驚嘆した。
だが、資料を元の場所に戻す際には、ひとつひとつ拘りながら異常な位に丁寧に作業をしていたのである。トータルで見ると、作業効率が良いのか悪いのか微妙だった。もう20年近くも前の事だが、あの人物程、不思議で評価に迷った事はなかった。
オフィスのデスク机上観察からは、結局「不要・無用な物を捨てる勇気を持つことが一番大切」という教訓を得た。
「迷ったら捨てる。悩む前に切る。躊躇せずに逃げる。」は、弊社行動指針のひとつであり、社是『伊達と酔狂』を支える重要な柱である。
基礎工事最終日の詳細については、こちらをご覧下さい。→ https://triglav-research.com/?page_id=18651
トリグラフ・リサーチ 稿房主【オフィス・セルフビルド回顧録】