トリグラフ・リサーチ外伝『新たなる戦いの序曲』— ついにクマさんがやってきた!

あぁ、今日は、なんてお洒落なタイトルなんだ… 我ながら、惚れ惚れしてしまう。でも、この意味を理解できるのは、中国地区某地方銀行の頭取さんと外資系投資銀行B社の名(迷?)僧Gちゃん位だろう。もしかすると、弊社の社名を見て、その由来にぴーんときた人も苦笑いしているかもしれない。

弊社オフィス周辺は、ここ数日、ちょっと騒がしい。11月14日午前7時半頃、オフィスが所在するログハウス村の敷地内において「クマ(熊)さん」が目撃されたためでである。第1報は、15日朝、同じ別荘地区の住人の方からもたらされた。体長1m程度のツキノワグマが、敷地内を彷徨いているのを監視ビデオが撮影したとの事。この住人さんからは、ドアの開け締めの際、クマさんと出くわす事のないよう十分に注意すべき等、いくつかの有益なアドバイスもいただいた。

第2報は、翌16日の朝、同じ別荘地区の別の住人の方からだった(情報をいただいたお二人には、本当に感謝している)。内容は、より詳細なものであり、クマさんの敷地内での移動経路が明らかになった。なんと、八ヶ岳本宅裏の財産区林から侵入し、本宅脇の町道ロータリーを経由、オフィス側の道を悠々と歩いて行ったらしい。

下掲の写真は、ロータリー側からクマさんの散策コースを撮影したものだ。愛車D4の駐車スペースの一段下に映っているのが弊社オフィスである。そう、クマさんが移動した道とオフィスの距離は、直線で8~9m程度、正に「ニアミス」状態だったのだ!

唐松と広葉樹の落ち葉が降り積もったオフィス脇の町道。手前のスペースはロータリーで行き止まりになっている。クマさんは、この道を真っ直ぐ歩いて行ったそうだ。D4の駐車スペースを間に挟むだけの至近距離である...
唐松と広葉樹の落ち葉が降り積もったオフィス脇の町道。手前のスペースはロータリーで行き止まりになっている。クマさんは、この道を真っ直ぐ歩いて行ったそうだ。D4の駐車スペースを間に挟むだけの至近距離である…

第3報は、昨日(17日)の朝、私の外出中にポストに投函されていた。富士見町役場による「注意喚起」のチラシだった。人身事故を未然に防ぐためには「クマに遭わない事」が最善の防衛手段であるとした上で「5つの注意事項」が明記されていた。裏面は地図で、クマの目撃場所とその日時が示してある。「なんて簡潔明瞭で手際がよいのだろう。」—ちょっと感心してしまった。内容的にも勉強になったので、チラシ表面を以下に掲載する。

富士見町役場作成のチラシが本宅ポストに投函されていた。「山はもともとクマの生活圏です。」-確かにそうだような~と思う。この15年間、まったくクマさんに遭遇しなかったのが、むしろ不思議だったのかもしれない。
富士見町役場作成のチラシが本宅ポストに投函されていた。「山はもともとクマの生活圏です。」-確かにそうだよな~と思う。この15年間、まったくクマさんに遭遇しなかったのが、むしろ不思議だったと言えるかもしれない。

今から16年前、八ヶ岳周辺で「第2の生活拠点」を物色した際に、当然ながら「クマさんリスク」について、色々な人に話を聞いた。「八ヶ岳西麓において、クマさんの生息数はとても少ない。特に、富士見高原リゾート周辺では、まったくと言って良い程、目撃情報はない。」というのが、ほぼ一致した意見だった。実際、本宅購入から15年が経過したが、私はクマさんの姿は勿論の事、クマさんの痕跡(足跡・糞・爪痕など)にも遭遇する事はなかった。

但し、ここ数年、風向きに変化が…  「クマさんが山の上の方で罠に掛かっていた」とか、「迷子になった犬を探しに山に入った人がクマさんと出くわして怪我をしたらしい」なんて、不確かな情報を間接的にではあるが何度か耳にした。また、オフィスから車で5分程の距離にある「そば処 おっこと亭(もののけ姫の「乙事主」の名の由来と言われている)」近くの道に「クマ 出没注意」という看板が置かれている事に、最近になって気が付いた。このように、クマさんの気配が、ジワジワと忍び寄りつつあったのは確かだ。

そして、第3報を受けて、弊社は「対クマさん非常事態宣言」を発し、第3種警戒モードに移行した。クマさんとの『新たな戦いの序曲』の幕開けである。「危機対応」で最も大切なのは「迅速性」だ。既に、第1報の直後に、私と家内(社主)用の「カラビナ付きクマ除けベル」をAmazonで購入。第2報後には、さらに、クマ除けホイッスルが付いたクリップ型(ベルト通しがなくても装着可能)ベルを2個追加発注した。また、敵(クマさん)の事を学ぶために関連書籍も2冊購入。

妻子に買ったのが、上の2個。カラビナ付きで、ベルを引っ張っただけで消音モードになる。下の2個は追加購入分。クリップ・タイプなので、ベルと通しがなくても身に付ける事が出来る。そして、ホイッスル付き。「何か始める時は、形から入らねばならない。それもお洒落に!」家内用のベルは、可愛いピンクにした。
最初に買ったのが、上の2個。カラビナ付きで、ベルを引っ張っただけで消音モードになる。下の2個は追加購入分。クリップ・タイプなので、ベルト通しがなくても身に付ける事が出来る。さらに、ホイッスル付き。「何か始める時は、形から入らねばならない。それもお洒落に!」家内用のベルは、可愛いピンクにした。

昨日のお昼前に本が届いたのだが、帯のコピーが凄い!『クマ追い歴40年。千回超の遭遇体験から綴られた「クマの気持ち」がわかる本』と『「クマが怖い」という言葉が怖い』である。おお、なんかワイルドでカッコいいぞ~  もう、気分はすっかり「狩人(ハンター)」だ。

まずは「敵(クマさん)を知る事」が肝要である。帯のコピーもワイルドだが、よく見たら本のタイトルも凄いぞ! しかし「山でクマに会う方法」というのは、ちょっと路線を誤ったかな...
まずは「敵(クマさん)を知る事」が肝要である。帯のコピーもワイルドだが、よく見たら本のタイトルも凄いぞ! しかし「山でクマに会う方法」というのは、ちょっと路線を誤ったかな…

届いたグッズに盛り上がった後、ちょっと冷静になった。改めて、敷地内にクマさんの痕跡がないか確かめてみよう。600坪ある敷地内を丹念に歩き回ったのだが、落ち葉と芝生で足跡は確認のしようがなかった。鹿の糞はあちこちで発見できたが、クマさんらしいものはない。諦めて、枕木テラスとメイン・ウッドデッキに挟まれたスペースに戻ってくると、花梨の木の根元近くに見慣れぬ穴が… 深さは30cm位はあるだろうか? これって、誰の仕業だ~

枕木テラスとウッドデッキに挟まれた、本宅から目と鼻の先とも言える場所に掘られた「謎の穴」。鹿は穴は掘らないはずだし... 一体、誰の仕業だろうか?
枕木テラスとウッドデッキに挟まれた、本宅から目と鼻の先とも言える場所に掘られた「謎の穴」。鹿は穴は掘らないはずだし… 一体、誰の仕業だろうか?

熊除けベルと書籍購入で終わったのでは、弊社(私)のこだわりは満たせない。そう言えば、動物の夜間活動を観察するために「暗視装置付き自動撮影ビデオ」を購入したものの、まだ使っていなかったな。八ヶ岳本宅の書斎に置いてあったっけ… サンコー製の「MPSC-26」の未開封の箱はすぐに見つかった。こんな趣味のグッズを在庫として保有しているのが、弊社の強みである! 細かい機器設定を終えた後、オフィスの壁に設置した。勿論、14日のクマさん移動経路をバッチリと捉える事が出来る位置である。

オフィスの壁に設置したサンコー自動録画監視カメラ「MPSC-26」。午後10時~午前6時の間、動物の動きに反応し、ビデオと静止画を撮影するように設定した。クマさん以外にも、どんな動物が映るのか? とっても楽しみだ!
オフィスの壁に設置したサンコー自動録画監視カメラ「MPSC-26」。午後10時~午前6時の間、動物の動きに反応し、ビデオと静止画を撮影するように設定した。クマさん以外にも、どんな動物が映るのか? とっても楽しみだ!

さて、熊撃退スプレーは、どれを購入しよう。種類が多くて迷うな。仮に、クマさんと格闘する事になったら、どうしよう。三男は「お父さんは、相手の急所を躊躇なく突ける性格だから、実戦にはきっと強いよ。」といつも誉めて(?)くれてたな。クマの急所はどこだろう? 鼻の先? あれは、鮫だっけ…

弊社の社是は『伊達と酔狂』である。中間決算分析でどんなに多忙な時期であろうと、好奇心を刺激されたら「徹底的なこだわり」で物事に臨む。それが、トリグラフ・リサーチなのだ!

でも、ちょっと気になる事がひとつ。撮影された熊の体長が「1m」程度で「単独」という事。体長1mって「小熊」じゃないのだろうか? 小熊だとしたら、母熊無しで単独行動するのだろうか?? もしかして「穴熊」じゃないの???

— トリグラフの歴史がまた1ページ

トリグラフ・リサーチ 稿房主

『TRI稿房通信』 Vol.37