【縄文土偶探訪記 Season 1 Vol.3】茅野市尖石縄文考古館(長野県)その壱

探訪博物館: 長野県 茅野市尖石縄文考古館
http://www.city.chino.lg.jp/www/toppage/1444796190237/APM03000.html
探訪日: 2014年3月19日
探訪目的: 国宝土偶「縄文のヴィーナス」「仮面の女神」他 

 『仮面の女神』国宝指定答申の報道から一夜明けた3月19日、八ヶ岳オフィスは、朝から雲ひとつない快晴である。いつも思うのだが、八ヶ岳の青空は都心のそれとはちょっと違う。青さがシャープで凛とした雰囲気があり、眺めていると身が引き締まってくる。私が八ヶ岳が好きな理由のひとつだ。午前7時のオフィスの外気温はマイナス3度。春の気配はまだまだ淡く、シャボン玉のように儚い。さあ、今日は、尖石縄文考古館の初めての探訪日だ。

八ヶ岳の家を購入して、今年で14年目を迎えたが、これまで、茅野の尖石縄文考古館を訪れた事はなかった。考古館の存在も、そこに超有名な2つの土偶『縄文のヴィーナス』と『仮面の女神』が所蔵・展示されている事も前々から認識していた。縄文のヴィーナスは国宝なので、茅野界隈の情報をWebで検索すると、至るところで目にするためだ。しかしながら、私の考古学熱、より正確に表現するならば「縄文土偶熱」が一気に上昇したのは昨年11月の函館役員慰安旅行以降である。それまでは、わざわざ考古館に出向く理由がなかったのだ。では、縄文土偶熱に感染してから、何故、すぐに訪れなかったのか? 近場なので、何時でも行こうと思えば行けるというある種の油断のようなものが邪魔をしていたのであろう。そんな時に舞い込んだのが「仮面の女神国宝ニュース」だ。考古館初探訪の最高の切っ掛けである。背中をど〜んと押されたのだ。

Webで調べると考古館は朝9時のオープンだ。アクセス情報から推定すると八ヶ岳オフィスから車で25〜30分程度の距離である。一番で入館し、職員の皆さんにお祝いの言葉を掛けたかったので、8時半ちょうどにオフィスを発つ事にした。愛車LRD4に乗り込み、ナビを設定すると、距離は16kmと表示された。予想していたよりもかなり近い。さあ出発だ〜。ナビは、八ヶ岳鉢巻道路からエコーラインへと続く経路を示している。渋滞など勿論無いし、信号も2〜3カ所だろう。最高のドライブウェイである。結局、8時45分少し前に考古館前に到着。駐車場は2カ所あり、普通車であればおそらく70〜80台は駐車可能と思われるゆったりとしたスペースだ。但し、広い方の駐車場は雪が積もったままで駐車はできそうにない。考古館と道を隔てた向かいの駐車場を使う事にした。既に、3台の車があったが、おそらくは職員さんのものだろう。考古館のエントランス周辺にはまだ誰もいない。

尖石縄文考古館の外観 八ヶ岳オフィスからは車で15分弱で着いた!
尖石縄文考古館の外観 八ヶ岳オフィスからは車で15分弱で着いた!

どうしても一番乗りをしたかったので、エントランス前に並ぼうかと思ったが、外気温はマイナス1度。ちょっと寒い。駐車場に次の車が入ってくるまでは、車内で待つことにした。8時55分。まだ私以外の車はない。もういいだろう。考古館に向かった。結局、オープン前から待って入館したのは、私一人だった。9時ちょうどに、考古館の大きな自動ドアが開いた、時間ピッタリ、こういう几帳面さが私は大好きだ。そして、念願の一番乗り。バンザ〜イ \(^o^)/ 受付には男女の職員さんが1名ずつ待ち構えていた。笑顔で「仮面の女神 国宝指定(ちょっと気が早いかな)おめでとうございます。」と伝えると、本当に嬉しそうに「ありがとうございます。」という返事が返ってきた。尖石考古館は、国宝土偶を2つも所蔵する「日本で唯一」の考古学博物館になるのだから、職員さんの喜びも一入であろう。

考古館エントランスにて 一番乗りを目指して開館5分前から並んだが、結局、開館時の入館者は私だけだった
考古館エントランスにて 一番乗りを目指して開館5分前から並んだが、結局、開館時の入館者は私だけだった

早速、入館料を払おうと財布を取り出すと、男性の職員さんが券売機の方を指さした。券売機に向かって数歩歩き出すと、立て札がある事に気が付いた。何と、今日(3月19日)から23日までは、仮面の女神の国宝指定記念で特別に「無料」開館中との事。何て良心的なんだ! 尖石考古館(どこかで聞いたフレーズだ)(^^)/ まずは、受付脇に置いてある案内図やパンフレットの収集である。これは、写真やお土産グッズと並んで「縄文土偶ハンター 大久保」のコレクション(訪問の証)となる。

館内案内図を眺めていると、男性の職員の方が話しかけてきた。「テレビ局が取材に来ていますが、気になさらずにゆっくりと見学して下さい。」との事。実は、受付前に立った時に、奥の展示室に数名の人影が見えた。「あれっ、一番乗りじゃなかったのかな?」と少し怪訝に思っていたのだが、この言葉でスッキリした。やっぱり一般客では、私が一番乗りだ!! 「縄文のヴィーナス」と「仮面の女神(代理のレプリカ)」との初対面に胸が高鳴った。

尖石縄文考古館の探訪記「その壱」は、ここまでにしよう。取材に来ていたテレビ局との遭遇が、その後、予想外の展開をもたらすのである。

トリグラフ・リサーチ 稿房主