【縄文土偶探訪記 Final season Vol.5】 函館市縄文文化交流センター(北海道)[再訪]

探訪博物館: 北海道 函館市縄文文化交流センター
http://www.hjcc.jp/
探訪日: 2017年9月8日
探訪目的: 国宝「中空土偶」かっくうちゃん

2017年トリグラフ・リサーチの北海道役員慰安旅行にには、3つの大きな目的があった。①仕事にすっかり飽きてしまった社長のリフレッシュ ②アイヌ文化について学ぶ そして、③国宝土偶「かっくうちゃん」との2回目のご対面を果たす–だ。

旅行3日目となる千歳から函館大沼までの長距離ドライブは、この3つの目的を成就するための仕上げの日であり、午前中には「白老ポロトコタン アイヌ民族博物館」、午後には『函館市縄文文化交流センター(以下、縄交センター)』の見学をしっかりと組み込んだ。

縄交センター着は午後3時50分。閉館時間は午後5時なので見学はじっくりとできる。初回2013年11月の訪問は生憎の雨であったが、この日の天気は快晴。縄交センターの横に伸びた曲線の美しい外観をまずは眺める。

函館市縄文文化交流センターの外観。写真ではわかりづらいが、外郭は美しいカーブを描いている。前回の訪問は生憎の雨であったが、今回は雲ひとつ無い青空が広がっていた。向かって右側のスペースは「道の駅 南かやべ」となっている。

エントランスの自動販売機で入館チケット2枚(1名300円)を購入して受付へ向かう。そこで、初回訪問時とは別のパンフレットを渡された。何気なく見ると『縄文土偶サミット』と記されて、かっくうちゃんを中央に「5体の国宝土偶さん」の写真が並んでいる。

「縄文土偶サミット」のパンフレットの1面。役員慰安旅行の予定を組んだ際には、この企画展の事はまったく知らなかった。受付で知って大喜び\(^o^)/ 真面目に働く私に対する、土偶さん達からのプレゼントであると勝手に解釈した。

慌てて受付の女性に確認すると、かっくうちゃんの国宝指定10周年を記念して8月26日~9月24日まで特別企画展を開催中との事。「バッ、バンザ~イ」と絶叫したくなったが、何とか堪えた。旅行計画を組んだ際に、この企画展がある事を見落としていたようだ。私にとって「超嬉しい誤算」であった。

「縄文土偶サミット」のパンフレットの国宝土偶さん5体の紹介面。今回のかっくうちゃんとのご対面で、1回しかお会いできていないのは「合掌土偶(祈りの土偶)」さんのみとなった。年内には「是川縄文館(@八戸)」にまた行ってみたいな…

はやる気持ちを抑えて順路に沿って見学を進める。第1展示室から広大な第2展示室向かう途中に、前回探訪時には記憶の無い小さな展示スペースがあった。そして、ここでは「国宝土偶さん5体のレプリカ」が私達を出迎えてくれたのだ\(^o^)/ 残念ながら、この展示スペースは「写真撮影禁止」だったが、そんな事は構わない。

これまで、尖石縄文考古館で、実物1体(縄文のビーナス)とレプリカ4体の国宝土偶さんに同時対面した事があった(https://triglav-research.com/?page_id=7441)が、その時は、尖石の2体とその他の3体は別スペースの展示だった。5体の土偶さん達が同じケースの中にズラッと並んでいるのを見るのは初めての経験で、その様はレプリカとは言え「壮観」だ。社主さまは「やっぱりこの子達凄い…」と呟いていた(「この子達」扱いは失礼だろう!)。

この日は、平日の夕方であったにもかかわらず、かなりの数の見学者がいて驚く。この特別展示室は決して広いスペースではなかったので、他の見学者の方にも配慮して5分程度の鑑賞で第2展示室へと向かう。第2、第3展示室を10分程見学した後に、「かっくうちゃん」のお住まいである第4展示室へと歩みを進めた。

いよいよご対面の瞬間だ。かっくうちゃんは、今回も暗い展示室の中で、遠目には、まるで宙に浮かんでいるかのように見えた。初回訪問時には、かっくうちゃんと対面した瞬間に、ぱり〜ん! という感じで、当時陥っていた「小災厄期(スランプ)」が終わった。今回もかっくうちゃんの発する厳かで暖かなパワーがしっかりと伝わってくる。

前回掲載した2枚の写真は正面からの撮影であったが、ちょっと斜めからの全身写真も神々しさが際立つように思える。本当に厳かな造形美である。

幸い、他の見学者は学芸員さんの説明を聞きながらゆっくりと見学しているようで、5~6分は私と社主さまの貸し切り状態となった。様々な角度から、かっくうちゃんの写真を撮影。前回訪問の際には、アップ写真2枚のみの掲載(https://triglav-research.com/?page_id=6868)だったので、今回は別アングルの写真も紹介しよう!

かっくうちゃんの後から見たお姿。意外とガッシリした体型である。見る角度によって雰囲気がちょっと変わるのが、またお洒落である。
こちらは脇から撮影したお写真。腹部の膨らみはなく、山形県立博物館の「縄文の女神」ほどではないが、スラッとした体型だ。ガッチリ・ぽっこり型の尖石の国宝土偶さん2体とはこの点が違う。
頭部を斜め上から撮影した写真。頭部にポッカリと空いた穴から、かっくうちゃんが大型中空土偶である事が確認できる。

国宝土偶さん再探訪時の嗜みである「国宝指定書」の写真もしっかりと撮影し、一旦、かっくうちゃんのお住まいを離れた。

こちらが「かっくうちゃん」の国宝指定書。国宝土偶さんの2回目の訪問の際には、これを必ず掲載する事にした。

順路に沿って進むと、また前回訪問時には記憶の無い展示スペースが待ち構えていた。特別企画展のもうひとつの柱「道南の土偶」さんがズラッと並んでいたのである。「こっちも凄いぞ~」と思わず声に出してしまった。が、残念ながらこちらも写真撮影は禁止。初対面の実物土偶さんが所狭しと並ぶ様は正に「垂涎モノ」だったのだがルールは守らねばならない。

結局、10分以上掛けてひたすら鑑賞。北海道博物館の大型パネルに写真が掲載されていた土偶さんの内、おそらく4~5体が展示されていたように思う。これで大型パネルの土偶さんの実物対面率は6割から7割に一気にアップしたはずだ。

この時点で、既に見学時間は30分を超えていたが、社主さまと相談して、国宝土偶さん5体の展示スペースとかっくうちゃんのお住まいを改めて回る事にした。幸い、どちらも他の見学者はおらず、トリグラフ・リサーチ貸し切り状態の時間を堪能!最後に訪れたかっくうちゃんのお住まいでは、私は再び「かっくうちゃん激写」に没頭。

ふと気が付くと隣で社主さまが、かっくうちゃんに「合掌」している。「そう、国宝土偶さん達は神様なのだ!」— そう確信した後、名残惜しいがかっくうちゃんにお別れした。

受付脇のミュージアムショップでは、当然ながら「かっくうちゃんグッズ」を色々と追加購入。そのまま隣接する道の駅「縄文ロマン 南かやべ」へ移動した。ここでは「縄文くるみソフト(クリーム)」を食す。甘さ控えめのソフトクリームに胡桃のパウダーが塗してあり、香ばしくてちょっと懐かしい味がした。今回の役員慰安旅行で食す何個目のソフトクリームだろうか…

「道の駅 南かやべ」の縄文くるみソフトクリーム。パウダー状のトッピングがクルミ(胡桃)である。香ばしくてちょっと懐かしい味がした。勿論、美味である!

道の駅を含めた総滞在時間は約50分。かっくうちゃんパワーに満たされた私と社主さまは縄交センターを後にして、3泊目の宿泊先である函館大沼プリンスホテルへと向かった。