【縄文土偶探訪記 Season 3 Vol.12】國學院大學博物館(東京都)

訪博物館: 東京都 國學院大學博物館
http://museum.kokugakuin.ac.jp/
探訪日: 2016年11月7日
探訪目的:チャーミングな土偶さんがいっぱい!

11月7日は、講演、セミナー、ランチ等々@東京の予定がギッシリ。だが、午前10時~11時半だけは空き時間が出来た。こんな端切れの時間を土偶さん探訪に有効活用出来ないようであれば「来年(2017年)の縄文土偶探訪」も不発に終わるな… そんな危惧を抱きながら選んだ探訪先が「國學院大學博物館」であった。土偶さんファンの中では、かなりの有名博物館なのだが、表参道駅や渋谷駅から徒歩で10~15分程度の好立地にあるので「行く気になればいつでも行けるさ」という思いが邪魔をして、未探訪となっていた先だ。

朝一番の予定を終えて、博物館まではタクシーで移動。博物館の建物に近い大学の門の前に着いたのは午前10時33分。次のスケジュールを考慮し、探訪時間は30分と決めた上で、博物館が入る学術メディアセンターの地下1Fへと足を運んだ。

國學院大學博物館が地下1Fにある「学術メディアセンター」。博物館に入ってみるとその広さに驚く。表参道駅から徒歩15分のロケーションなので、川崎自宅から小田急線→千代田線と乗り継いで都心に出る私からすると「通勤途中にある博物館」のひとつと言えるかもしれない。

受付らしき場所で入館料を支払おうとしたら無料と判明。博物館のパンフレットのみ受け取る。エントランスからミュージアムホールに移ると「常設展示スペース」が目の前に広がった。ここは「神道」「考古」「校史」の3つのエリアに区分されているが、時間も限られているため土偶さん達が展示されている左手奥の「考古」エリアに進んだ。

すると目の前に現れたのが、土偶さん5体(パーツ)がまるで宙に浮かんでいるように展示されたスペースである。「いきなり凄いぞ!」と写真撮影開始。土偶写真集等に掲載されている土偶さん達なので、不思議と初対面という気がしない。

常設展示「考古エリア」に入ると、いきなり透明パネルの中で、まるで空中浮遊しているような土偶さん5体が出迎えてくれた。パネルがピカピカ過ぎて、背景やデジカメを構えた私が映り込んでしまうのがちょっと残念。
透明パネル上段中央の「山形土偶」さん。縄文時代後期のモノで出土先情報は不明。
透明パネル上段向かって右の「遮光器土偶」さん。秋田県能代市「大野遺跡」出土。縄文時代晩期のモノ。
透明パネル上段向かって左の「遮光器土偶」さん。縄文時代晩期のモノで出土先情報は不明。
透明パネル下段向かって左の「土偶」さんのお顔。縄文時代後期のモノで出土先情報は不明。

土偶さん達を5分強ジックリと鑑賞した後は、順路に沿って考古スペースの鑑賞を続けた。展示室奥の壁に向かって歩を進めると、透明の展示ガラスの上に大量に(一見無造作に)並べられた土偶さん達を発見。「この展示方法粋だなぁ…」と感心しながら、個々ののパーツを丁寧に鑑賞。

常設展示展を順路に沿って奥の壁側まで進むと、土偶さんのパーツが透明なガラス板の上にズラッと並べられていた。一見すると無造作なのだが、よく見るとパーツの組み合わせや間隔など、お洒落な配置である(ような気がした)。

気が付いたら入館から20分近くが経過していた。展示室奥の壁でターンして、順路に沿って展示室の左サイドを足早に進む。

もう新しい土偶さんにはお目にかかれないだろうと予測していたのだが、何と常設展示スペースで「超大型遮光器土偶さん」が単独展示されているのを発見。パーツが欠けた部分を予想して復元したものだが、その愛らしいボリューム感に魅了されてしまった。

考古エリアを順路に沿ってさらに進むと出口付近でこの「大型遮光器土偶さん」がお見送りしてくれた。「縄文時代晩期中葉 約3,000~2,900年前 東北地方出土」との解説。「大きい、そして可愛い。レプリカとっても欲しい」でも売ってなかった…

それにしても「入り口」「折り返し地点」「出口」と3カ所で土偶さんにご対面できる演出は心憎い。土偶さんファンに対する「おもてなしの心」が溢れる博物館である。

残り時間5分弱となったところで、さらに足早に「神道」→「校史」と見学。11時5分ちょっと前に見学・鑑賞を終えて、再び受付スペースに戻った。「あの~、あの大型の遮光器土偶や山形土偶のレプリカを売っていませんか?」と尋ねると、即座に「そういう物は扱っていません。」との答が返ってきた。「やっぱりね」と妙に納得。

このようにして、ジャスト30分の探訪は完了し、私は次の予定である会食の場所に向かう事とした。この博物館を東京で空き時間が出来た時の「お気に入りスポット(馴染みの考古博物館については判断保留中)」に新たに追加しよう!

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】