【縄文土偶探訪記 Revival Season Vol.4】 縄文の学び舎・小牧野館(青森県)

探訪博物館: 青森県 縄文の学び舎・小牧野館 http://komakinosite.jp//
探訪日: 2019年3月27日
探訪目的: 名も無き多数の土偶さん達

私の「縄文土偶さん好き(道楽)」は、地域銀行業界ではそれなりに有名であると思う。講演後の会食の際などに、地元の土偶さんや考古博物館の情報をいただくのは珍しくない。土偶さんグッズをお土産等にいただく事も結構あるのだ。

今回も26日の講演後の会食で、青森市内にある「小牧野遺跡」の情報を銀行の方から教えてもらった。これまでまったくノーマークの遺跡である。会食の場で、銀行の方がすぐにスマホで検索してくれて「縄文の学び舎」なる考古資料館の存在と土偶さんが展示されている事も確認できたのだ。さあ、どうしよう? 今回、訪問してしまおうか…

事前に組んだ秋田県3館の探訪プランに、時間的余裕は1時間程しか確保していなかった。レンタカーの返却時間と帰りの新幹線の時間を変更すれば良いだけの事と思われるかもしれないが、私にとってはそう単純な話ではないのだ。

講演で全国各地を飛び回る私にとって、新幹線や飛行機の移動時間は「貴重な仕事や学びの場」でもある。読書などに集中するための「座席位置」にまでこだわっており、「新幹線ならば最後列の窓側」「飛行機ならば最前列席の窓側」が私のお気に入りの席である。昨年の出張記録を確認したら、実際に座った座席の「9割以上」がこのお気に入り条件をしっかりと満たしていた。

新青森からの東京への移動(或いはその逆)の場合は、さらに厳格なお気に入り条件が設けており「はやぶさ グランクラスの1列席最後尾」となっている。もう20回以上は利用していると思うが、これまでの所、例外は1回もなかった。今回も、勿論、この条件で予約済み。零細企業の代表取締役は、こういう「我が儘」を貫く事が出来るのが最大のメリットだと思う。

だが、この「1列席最後尾」は人気があって、すぐに埋まってしまう。予約済みの後の時間帯のはやぶさを2〜3本確認したら、案の定、どれも席は埋まっていた。この時点で帰りの新幹線の遅い便に変更するという選択肢は消えた。「小牧原遺跡を方も訪問するかどうかは、大湯環状列石訪問後に判断しよう!」と決めて、アクセス方法だけを Galaxy Note 9に記録したのである。

そして、大湯環状列石の探訪を終えた。これまでのプランに数分の狂いもなく、計画通りに1時間程の余裕時間が確保出来た。レンタカーのナビに小松原遺跡へのアクセス情報をインプット。新青森駅に直行するのと比較するとかなりの迂回ルートになるが、考古資料館の滞在時間を15分程度にすれば、若干の余裕を持って、午後4時には新青森駅近くのレンタカー営業所に着けそうだ。「エ〜イ、この際だ。小松原遺跡に行っちゃおう!」と即座に決定。

その後は高速道中心にレンタカーで快走。「縄文の学び舎・小牧野館」に着いたのは予定より5分程早い午後2時56分だった。「ああ、この考古資料館も元学校だな。使わなくなった校舎をこういう形で有効活用するのはお洒落だな。でも、それだけ子供(人口)が減少しているって事だよな…」なんて思わず考えてしまった。

青森市小牧野遺跡保護センター (縄文の学び舎・小牧野館)の外観。見ての通りの「元校舎」。平成24年3月に閉校となった旧野沢小学校を改修した施設との事。

見学時間はマックス15分間、事前研究も皆無なので、兎に角、急いで土偶さんにご対面しようと決めて、エントランスに足を踏み入れた。男性職員さんが1名いらっしゃった。確認すると「入館料無料。写真撮影も可。自由にとってどんどん紹介して下さい。」というこれまた寛容な姿勢。今回の4館の写真撮影&情報発信に対する態度は本当に気持ちが良い!

まるで学校見学のように、考古資料館の展示スペースを順路に沿って1階から2階へと回った。土偶さんの展示スペースは何カ所かに分散しており、予想以上の展示数だ。有名土偶さんはいらっしゃらないが「大満足」。時間がないので、次から次へと写真撮影。ああっ、慌ただしい…

土偶さんは何カ所かに分散して展示されていた。展示数はかなり多い。このスペースは「板状土偶」が並ぶ。

ここは「土偶さんのお顔」パーツを中心に展示。

このスペース奥の方には「遮光器土偶さん」のかなり迫力のあるお顔が並んでいた。

こちらの土偶さんの体型は、大館のアスファルト目の土偶さんによく似ている。

「表と顔に顔がある土偶」さんは、レア物であるが、残念ながら光が鏡に反射して、写真は上手く撮れなかった。

見学時間はピッタリ15分。展示コースを一回りしてエントランスに戻り、最後(最初かな?)の展示スペースで小松原遺跡も「環状列石」の代表的遺跡のひとつである事を認識した。振り返ってみれば、伊勢堂岱、大湯、そして小牧原と、今回の【縄文土偶探訪記】は「環状列石(ストーンサークル)」訪問の旅でもあったのだ。

青森市内の遺跡を紹介したパネル資料。「青森縄文王国」の凄さを実感、

エントランス付近の「環状列石(ストーンサークル)」展示資料。そうか、小牧原遺跡も環状列石で有名だったのだ…

その後、青森市内のヤマト運輸の営業所に荷物を送るために立ち寄って、新青森駅近くのレンタカー営業所に着いたのが午後4時1分。今回もほぼ計画通りの旅であった。Revial seasonは、その初日になんと4館を探訪。1年7ヵ月ぶりの縄文土偶探訪記は「最高のスタート」を切る事が出来たのである!