9月1日放送 NHK『MEGAQUAKE』最新版に触発されて…

八ヶ岳ライフにDIY、土偶さん、野鳥、文具&デジガジェネタ等々、時間とお金をそれなりに投じた結果、1~2時間位の講演を自分の有している材料(ネタ)で面白おかしくこなすことができる領域はかなりあるように思う。いつかは、本業である「銀行経営」に係る講演とパッケージで依頼が舞い込むのではないかと期待しているのだが、これまでのところ実績ゼロである。

お金はほとんど使ってないし、固有のネタは持っていないが、知識レベルでは「土偶さん」並みかなと自負している領域が『自然災害』である。これは、『稿房通信』で度々紹介してきたが、大好きなNHK特集 自然災害シリーズ3部作『MEGAQUAKE』『MEGA DISASTER』『MEGA CRISIS』をオンデマンドで何回も繰り返し視聴した成果である。

勿論、関連書籍(自然災害小説も含むが)もかなりの数購入し、読み込んできた。JESEA(地震科学探査機構https://www.jesea.co.jp/のWeekly メルマガ「MEGA地震予測」の熱心な読者であり、毎週配信されると、電子基準点の異常変動を目を皿のようにしてチェックする。「自分(と家族)の事は自身で守る!」という主義なので、自然災害に対する「無知」という最悪の状況を避けるために、常に情報のアップデートを心掛けるようにしている。

三部作の中でも最も勉強になったのが『MEGAQUAKE』である。その最新作が9月1日の午後9時から放映された。今回のテーマは「南海トラフ巨大地震 “Xデー”に備えろ」。〆切が迫る仕事を抱えていたので録画をしておいて、実際に視聴したのは9月2日の深夜(午後11時半~)からだった。

今回も素晴らしい出来映えで衝撃を受けた。冒頭、今年、日本で震度5以上を記録した地震が8回(放映時)も発生した事を紹介する事から始まり、現状、最も懸念されているのが『南海トラフ巨大地震』であると繫ぐ。さらに「最大マグニチュード9」「経済損失1,410兆円」「世界の最貧国に転落する危険すらある」といったテロップ付きの導入部が続くのである。「つかみは十分」ってのは、こんなのを言うのだろう。

アナリストなので、すぐに1,410兆円という数字の意味を考えてしまった。番組では「国家予算の10倍以上」という表現を使っていたが、名目GDP(555兆円)や国内銀行貸出(510兆円)の3倍弱である事に驚愕。ちなみにバブル経済破綻後、我が国銀行業界が不良債権問題で処理した損失額は累計で約100兆円なので、その14倍に相当するとんでもない額だ。「最貧国どころではなく『国家破綻』だよな…」なんて考えながら、約50分の番組に釘付けになった。

その後、ここ数年は「年に1回、必ず MEGA災害3部作を(数日掛けて)通しで視聴する」と決めていた事を思い出した。今年の1月下旬にチャレンジしたのだが、MEGA DISASTER 6編を見終えたところで急な仕事が入って中断。結局、今年の目標はまだ達成していなかったのだ。

私が最も勉強になった(視聴回数最多の)「MEGAQUAKE」。東日本大震災発生前の2010年1月10日に放映が開始され、現在も継続中。その後に起きる大震災の脅威に対して警鐘を発した「秀作中の秀作」である!

そんなわけで、9月3日の朝から、デスクトップPCの右上に表示スペースを確保して、エクセルやパワポを開きながらの視聴を開始。火曜日(4日)からは、東京での仕事が続いたので、川崎自宅書斎で深夜を中心に視聴を続けた。

第2部「MEGA DISASTER」。大地震に加え、異常気象、スーパー台風、火山大噴火、豪雨という新テーマが加わった。このシリーズを見終えた後、日本に住んでいるのが心底、嫌に(怖く)なった。時間に余裕が無い方は、とりあえずは MEGA DISASTERで勉強する事をお勧めする。

MEGAQUAKEが最新作を含めると全14本 735分、MEGA DISASTER 全6本 323分、MEGA CRISIS 全6本 288分すべての視聴を終えたのは、昨晩(正確には今日9月8日)の午前2時過ぎだった。計22時間26分の番組を仕事の片手間ではあったものの5日間で視聴したのだがら、我ながら見事な「伊達と酔狂」である(もっとも初日にMEGAQUAKEをすべて見終えたのだが…)。

読者の方はもうお気付きと思うが、当『稿房通信』を5日間お休みしたのは、この「MEGA災害3部作通し視聴」のノルマ達成に集中したためである。

第3部に相当する「MEGA CRISIS」。危機の範囲がさらに拡大し、巨大地震、異常気象等に新種ウィルスの感染爆発(パンデミック・リスク)が加わった。最新情報のアップデートに最適のこれも「秀作」である!

3部作はそのコンテンツ、映像共に素晴らしいが、それらに遜色なくお洒落なのが、各シリーズのメインテーマ曲である。QUAKEが菅野祐悟氏、DISASTERとCRISISが和田貴史氏の作曲だが「壮大」という言葉が相応しい名曲であり、D4での通勤途中にBGMとして流す事が多い。番組もテーマ曲も私の「お気に入り」であると同時に、この時代を生きる上での「お勧め」なのだ!

だが、今回の思いは複雑だった。MEGA災害3部作の視聴とまったく並行する形で、台風21号北海道地震の被害映像が日々ニュースで流れたからだ。3部作のシミュレーション映像そのままの被害状況に心を痛めたのは言うまでもない。この場を借りて、被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と被災地の1日も早い復興を心より お祈り申し上げます。