『オオムラサキのツリーハウス』@小諸ツリーハウスプロジェクト への途

次に向かったのが、baird-apartmentから、ほぼ真っ直ぐに山を登った位置にある『オオムラサキのツリーハウス』だ。デザインはKANIKAPILA DESIGN Inc. (代表:姉川 たく氏)」さんによる。

オオムラサキと聞いて「ああ、日本の国蝶だな。」とすぐにピンとくる人は、それなりの「教養人」と言えるだろう。

TRI稿房通信の読者層は、「趣味人」「文化人」が多そうなので、細かい解説は不要と思う。まあでも参考までに「オオムラサキ(大紫)」の写真を1枚だけ掲載しておこう。実物を見たい方は、弊社オフィスが所在する富士見町の隣町「北杜市」の「オオムラサキセンター(http://oomurasaki.net/)」の見学をお勧めする。

日本の国蝶「オオムラサキ」。TRI稿房通信の読者だったら、この程度は一般教養のはずだから、余計なお世話かな??

さて、ツリーハウスの鑑賞に移ろう。下方からちょっと遠目に見上げると、正に「蝶が羽ばたく」姿である。名称にはツリーハウスと付されているが、密閉型の筐体ではなく「開放型」の構造だ。

『オオムラサキのツリーハウス』のコンセプトは「蝶に乗る」である。「絶妙な空中浮遊感」を醸し出す優美なツリーハウスなのだが、周辺樹木の枝葉が遮ってしまい、その浮遊感が減じられてしまっている。見学するなら落ち葉が舞い散るような時期がベストかな? 或いは、新緑の時期だろうか。

さらに近付いて見学。蝶の羽の部分から8本のカラーのスチールパイプが伸びて2つの円形のステップ(見学台)をジョイントし、ゴンドラを形成している。随分と細いけれど、この8本のパイプの材質は何だろう? ゴンドラ部分の積載荷重はどの程度あるのかな? なんて事が気になった。

ルーフ下のゴンドラを形成するパイプはわずか8本。かなり細いパイプなので、どんな材質なのか興味が湧いた。密閉型ではなく開放型のツリーハウスなので、ハウスと言うよりも「森の展望スペース」的な存在である。それから、後で気が付いたのだが、この写真で、ツリーハウス本体が「吊られている事」がよくわかる!

蝶の羽の横に移動して、下から眺める。「ああ、やっぱりこの屋根の姿がお洒落なんだな…」。見学後、Wedでコンセプトを確認すると、冒頭に『「蝶に乗る」がコンセプトのフォトジェニックなツリーハウス。蝶に乗って、空を飛ぶ。』と記されていた。

「蝶に乗って空を飛ぶ」か。ナルホドね!デザイナーさんの想いを見事に具現化したツリーハウスである。

この蝶の羽の部分(屋根)が優美なんだよな… デザイナーさんは「バタフライルーフ」と表現しているので、やはり「おこだわり」の部分なのだろう。ただし、屋根の色合いは、実物のオオムラサキとはかなり異なる。

Webの解説文では、蝶の羽の部分を「バタフライルーフ」と表現していた。やっぱりここが「おこだわり」部分なんだな。

支柱となっている広葉樹(ナラ系)とツリーハウスのジョイント構造を写真撮影。随分ガッチリと樹を挟み込んでいるな。まあ強度を確保する上では、この程度の構造は必要だろうな…

支柱となる広葉樹とのジョイント構造を学ぼうとして写真撮影。オイオイ、ツリーハウス本体とは繋がっていないじゃないか… と言う事は、ハウス本体は周辺の樹から吊っているんだ!!驚愕の瞬間だった。

あれっ?? ここで驚愕。このジョイント部材は、ツリーハウスに出入りするためのステップを支えるものであり、オオムラサキの姿をイメージしたハウスとの接点は何もない。と言う事は… ツリーハウスは、バタフライルーフを周辺の太い樹から「吊っている」んだ。

『空飛ぶ泥舟(https://triglav-research.com/?p=18772)』と同じように「ハンギングタイプ」のツリーハウスである事に漸く気が付いた。

この構造が、絶妙な「空中浮遊感」を醸し出しているのであろう。このツリーハウス、ぱっと見以上に凝ってるなぁ~

このシンプルで優雅な形状を周辺の緑濃く茂った葉が覆い隠してしまうのが、ちょっと勿体ない。このツリーハウスは、紅葉期、それも広葉樹の落ち葉がハラハラと舞い散るような時期に見学するのがベストだろうな。いや、新緑の時期かな… 思わずそんな事を考えてしまった。

さあ、次はどのツリーハウスを鑑賞しようか…