“Simple” is “best”

現在、八ヶ岳滞在中である。

昨日は、敷地内の草刈りに没頭。作業を終えた後、夕方「尾白の湯」にまで足を伸ばし、とっても濃い源泉を堪能した。肉体作業の疲れが癒やされたためか、午後10時半頃には寝入ってしまったようだ。野鳥のさえずりで目覚めたのは午前6時過ぎ。7時間半も眠るなんて、睡眠時間の短い私にしては異例の事だ。

これでも一応、常識をわきまえた社会人なので、日曜日の朝は各種報道番組を見る(視るではないぞ)事にしている。だが、最近はあまりにも「劣悪・醜悪」な内容に耐えがたくなっている。今日も30分程我慢した後、『趣味の園芸』にチャンネルを切り替えた。

政治には、な~んの興味も無い。どんな世の中になっても、自分が楽しく生きて、家内が幸せでいられるように、戦略を立て、戦術を駆使するのが、自身の役割と考えている。政治情勢なんて、所詮は「雑音」みたいなものだ。しかしまあ「どうしようもない国の本当につまらない世の中」だとは感じる。

それにしても「世の中、外を見ずに、上ばかり見て仕事をしている輩」が多いのだなとウンザリする。政治家、官僚、マスコミ等々を中心に「多数派」なんだろうな…

人間、守ろうとするモノが増えてくると、それに大きな影響力を有する「上」を気にするようになる。「上」を気にし始めると、新しい事にチャレンジする気力が損なわれ、自分の仕事に対する『矜持』も失われて行く。さらに症状が悪化すると、簡単な善悪の判断もつかなくなる。それが現在の社会状況だと思える。

物事の善悪なんて、田舎で農業一筋70年って感じの生活を送ってきた仙人のような表情のお年寄りにでも尋ねればよいのだ(伝統工芸一筋60年の職人さん等も最高である)。そんな人達が正しいと感じる事は正しい。おかしいと感じる事はきっと間違っているはずだ。

忖度? 馬鹿じゃないかと思う。「上」が転けてしまえば意味が無いじゃないか。仕事は「上」ではなく「外(お客様)」にどう評価されるかで価値は決まるのだ。「忖度は損択(損な選択)」だという事がわからないのかな?

こうして、極めてシンプルな信条で55年間(もうすぐ56年だ)生きてきた私は、清々しさの微塵も感じられない報道番組に苛立ちが募るのだ。

こういう時は、庭を散策し木々や花々に接するのが一番だ。彼らは「忖度」なんて関係なしに、ただひたすら懸命に生きている。そう、“Simple” is “best”.

度重なる野鳥(飛来攻撃のため結界石効かず)や鹿の食害で壊滅状態に陥っていたブルーベリーは、5月中旬に地植えから鉢植えに移した。わずか1ヵ月で6株すべてが「奇跡の復活」。1株は遂に花を咲かせてくれた。
昨年植えたメイプル(楓)「クリムゾンキング」の真っ赤な若葉。1年間で25cm位は丈が伸びたように思う。
鹿が大好きな「シュガーメイプル(サトウカエデ)」の黄色い若葉。やっと入手した苗木を植えた翌日には、鹿さんによって葉はすべて無くなっていた。あの時は、心底、鹿に対して怒りを覚えた。鹿さんとの戦い(領土防衛戦)を始める切っ掛けとなった木である。
オフィス建設地に植えてあった「ヤマボウシ」は、移植後も元気に花を咲かせている。開花期の長い、本当に「優等生」の木だ。ちなみにピンクの部分は花びら(花弁)ではなく「総苞片」である。

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【八ヶ岳ライフ】