摩訶不思議なスペース? 宮崎市平和台公園『はにわ園』探訪記

昨日の午前4時50分に王禅寺の自宅を発ち、1泊2日の九州トリップへ。自宅に戻ったのは今日の午後2時半過ぎだった。今年に入って、もうかなりの数の地方出張をこなしているが、隙間時間を活用しての『縄文土偶探訪』は、これまで皆無であった。「伊達と酔狂」を社是とするトリグラフ・リサーチの代表としては情けない限りである。

そんなわけで、今回は急遽、当初組んでいたフライトを変更して「宮崎県立西都原考古博物館」を探訪することとした。宮崎県で唯一出土した縄文土偶さんにご挨拶するためである。これについては、【縄文土偶探訪記】で記す予定だ。

博物館行きのバスに乗るまでに50分程の空き時間が出来た。いつもなら珈琲でも飲んで時間をつぶすシチュエーションなのだが、ふと、宮崎市内に「埴輪(はにわ)園」なるものが存在する事を思い出した。以前、九州圏の土偶出土状況についてリサーチした際に、インターネット上で偶然見付けたのだ。土偶さんのライバルだけど、暇つぶしに行ってみようかな…

すぐに、今回の出張のお供に選んだ Xperia Z Ultraで「宮崎 埴輪園」と検索をかけたら、市内の平和台公園なる場所にある事が判明。地図で確認すると乗車予定のバス停からタクシーで10分程の場所のようだ。気が付いた時には、流しの空車タクシーに向かって手を上げていた。

乗車してから運転手さんに確認すると10分強で到着する場所と判明。乗車時点の時間は午前10時13分。博物館行きのバスは11時1分発の予定なので、ちょっと余裕を持って5分前に戻るにしても20分程度の見学時間を確保出来そうだ。

運転手さん情報では、はにわ園は、公園駐車場から歩いて1~2分の場所にあるとの事。短時間での訪問は、最近の縄文土偶探訪で慣れっこなので問題なし。勿論、「はにわ園」探訪は決行となった。

公園駐車場には、約11分で到着。タクシーの待ちがない場所なので、運転手さんに20以内に戻ると告げて、駐車場で待ってもらう事にした。駐車場から公園広場に向かうと、目の前に巨大な塔がそびえ立つ。平和台公園のシンボル「平和の塔」である。

公園のシンボル「平和の塔」。『八紘一宇(はっこういちう)』の大意は、Wikipediaによると「道義的に天下を一つの家のようにする」という意味だそうだ。凄く迫力のある塔で、ちょっと驚いた。
公園のシンボル「平和の塔」。『八紘一宇(はっこういちう)』の大意は、Wikipediaによると「道義的に天下を一つの家のようにする」という意味だそうだ。凄く迫力のある塔で、ちょっと驚いた。

目指す「はにわ園」は、広場の左手にある事を案内図で確認。足早に向かう。

「はにわ園」の案内板。園の平和の塔寄りのスペースに「はにわ館」があり、中には野外展示になる前の新品のはにわさんレプリカが沢山並んでいた。
「はにわ園」の案内板。園の平和の塔寄りのスペースに「はにわ館」があり、中には野外展示になる前の新品のはにわさんレプリカが沢山並んでいた。

はにわ園入り口までは1分も要しなかった。が、「周遊時間20分程度」との表示がある。「あぁ、全部は回りきれないな。」と思いながら、園内へ突入(入場料無料)。

中央にあるのが園内案内図。おむすび型のスペースで、じっくりと見れば30分位は楽しめると思う。私は気が短いので、写真撮影込みで15分位で鑑賞終了。
中央にあるのが園内案内図。おむすび型のスペースで、じっくりと見れば30分位は楽しめると思う。私は気が短いので、写真撮影込みで15分位で鑑賞終了。

第1印象は「確かに、はにわ園だ!」。予想以上に大きい埴輪さん達のレプリカが園内にひたすら並んでいる(立っている)。土偶さんのようなミステリアスな雰囲気ではなく、あの「ノッペリ、ほんわか系」のフェイスの造形物が各々の存在感を誇示。

正確に数えたわけではないが300体以上はありそうだ(後でWebで確認したら約400体との事)。これだけの数が並んでいると、それなりに壮観で摩訶不思議なスペースである。埴輪マニア(日本に何人いるのかな?)には、垂涎の場所と言えるだろう。

はにわ園の中には、こんな感じで色々な種類のはにわさんがズラッと並んでいる。Web解説には約400体展示と書いてある。野外展示で変色して、リアル感が増している。
はにわ園の中には、こんな感じで色々な種類のはにわさんがズラッと並んでいる。Web解説には約400体展示と書いてある。野外展示で変色して、リアル感が増している。

ちょうど幼稚園児の遠足か何かと重なったようで、園内には、静止している埴輪さん達と無軌道に動き回る幼稚園児が混在し、混沌とした雰囲気を醸し出し始めた(私は幼児が苦手である)。

周遊時間約20分というのは、埴輪さん達をじっくりと鑑賞した場合の目安時間のようで、気が短い私は写真撮影を含めても約15分で鑑賞を終えることが出来た。

はにわさんのアップ写真。土偶さん達のようなミステリアス感はなく、どちらかというとノッペリとした穏やかな表情である。好みの問題とは思うが、私はやっぱり「土偶さん派」だな...
はにわさんのアップ写真。土偶さん達のようなミステリアス感はなく、どちらかというとノッペリとした穏やかな表情である。好みの問題とは思うが、私はやっぱり「土偶さん派」だな…

やっぱり自分は、犬・猫ならば「犬派」、「土偶・埴輪」では「土偶派」だな、なんて事を呟きながら、はにわ園を後にして、タクシーが待つ駐車場へと向かった。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

吟遊詩人の旅