『真田丸』効果

私は、八ヶ岳西麓にオフィスを構えているので「長野県出身」と勘違いされる事が多い。だが出身地は、千葉県最南端の町、現在は、市町村統廃合で「南房総市」と称される町で、高校を卒業するまで過ごした。

この前の土曜日(6日)、所用で千葉の実家を訪れたのだが、懐かしさも何も感じない。むしろ、空気が合わない感じがして、どっと疲れが出る。一方、川崎自宅から中央道で長野オフィスに向かう途中、長坂ICの辺りで「八ヶ岳連峰」の雄大な姿を目にすると、毎回、懐かしさが込み上げてきて、心の故郷に帰ってきたと実感する。

このように、兎に角「長野大好き、八ヶ岳大好き」人間の私が、今年に入って、毎週日曜日の午後6時が楽しみで仕方ない。NHK BSプレミアムで、信州上田をメインの舞台とする大河ドラマ『真田丸』が放映される時間だからだ。

元々、池波正太郎の「真田太平記」が大好きで、ビジネスのお供、Xperia4銃士には、すべてに電子書籍版全12巻をダウンロードして持ち歩いている。1985年から86年に掛けて放映されたNHK新大型時代劇「真田太平記」も、勿論、熱心に視聴したし、ケーブルTV等で再放送される度に、飽きもせずに見入っている。

真田家の特定の武将が好きなわけでなく、上手く言えないが「真田家の在り方、生き様」のようなものに、限りなく共感を覚えるのだ。情報収集活動に重きを置き、二度の「上田合戦」では徳川の大軍を翻弄する。真田幸村(信繁)の「大坂冬の陣」「大坂夏の陣」における大活躍は、私が改めて語るまでもないだろう。「小勢力をもって大勢力と互角以上の戦いをなす」という構図は、『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリー艦隊に相通ずるものがあって、正に私の好みなのである。

小説の類はほとんど読まないのだが、『真田太平記』と『銀河英雄伝説』そして『坂の上の雲』だけは、愛読書として繰り返し読んできた。よく考えたら、どれも「小勢力が大勢力と伍して戦う(或いは打ち勝つ)」構図の話である。私が「小勢力贔屓」であるのは言うまでもない!
小説の類はほとんど読まないのだが、『真田太平記』と『銀河英雄伝説』そして『坂の上の雲』だけは、愛読書として繰り返し読んできた。よく考えたら、どれも「小勢力が大勢力と伍して戦う(或いは打ち勝つ)」構図の話である。私が「小勢力贔屓」であるのは言うまでもない!

放映中の「真田丸」では、高田純次と並ぶ程に大好きな俳優「大泉洋」が、長男「信幸」役を演じているのが誠に味わい深い。「真田太平記」で幸村役であった「草刈正雄」が演じる父「昌幸」の名演(快演)は感涙ものである。毎回、お洒落なセリフをメモする事にしているのだが、7日放映分の「わしの本心か… でははっきり言おう。まったくわからん。」なんてのはもう「アートの域」だ。

「堺雅人」演じる「幸村」のポスターは、弊社オフィスが所在する長野県諏訪郡富士見町の至る所で目にする。これが滅茶苦茶カッコイイ! 「六文銭に赤備え」、あぁ、なんてお洒落なんだ… 撮影協力地として「長野県富士見町」の名が何度か登場したのだが、残念ながらオフィス滞在中にロケに遭遇した事はまだない。これが悔しくて悔しくて… FinTech以上に「真田丸中毒」に陥りつつある自分が、ちょっと怖い位だ。

真田丸の影響そのものだが、今月から開始した講演のタイトルは『地域金融戦国時代の幕開け〜「戦う銀行・勝つ銀行」となるための必要条件〜』としてしまった。ここ数年は「経営統合を通じた規模の拡大」の必要性ばかりを訴えてきたが、真田家のように、規模は小さくても、この「混沌(破断界を超えた)の時代」をしたたかに生き抜くビジネスモデルが存在するように思えてきた。これがビジネスにおける「真田丸効果」である。

次回放送の予告編では、父 昌幸が「大博打の始まりじゃ~」と叫ぶシーンが紹介されていた。そうだよね。「規模が力、規模がすべて」なんて世の中、面白くない!それとは違った道を歩む銀行が現れてこそ、地域金融の世界も活性化されるのだ。

さあ~、今年のトリグラフ・リサーチは、「地域興業銀行(金融グループ)」に加えて、「真田家型銀行」も応援するぞ!

トリグラフ・リサーチ 稿房主

【八ヶ岳ライフ】