カテゴリー: 【隣の金融機関】

ボヤキと【隣の金融機関】南都銀行 Web掲載のお知らせ

『TRI稿房通信』は、伊達と酔狂と貫く趣味情報(第2本業)配信の場と位置付けたため、基本的に銀行ネタは封印している。だが。銀行ネタを扱う「本業サイト」の方が、なかなか私の満足できる水準に達しないため公開に至っていない。

多忙過ぎてそこまで手が回らないので、外部業者に作成・管理を委託しようかと考えた事もあった(調べてみたら、費用は私がイメージしていたよりも全然安かった)。だが、やっぱりやめた。どうせ他人が作ったものなんかに満足できるはずがない。

結局、『稿房通信』だって独学を貫いてここまで運営してきたのだ。別に銀行ネタ(第1本業)のWebサイトがなくても、ビジネスには何の支障もない。だったら、自分が本当に満足できる出来映えとなるまで気長の作業を続ければ良いのだ。

かくして、トリグラフ・リサーチの新たなビジネスWebサイトの立ち上げプロジェクトは「サグラダ・ファミリア」と化しつつある。

旧『銀行業界鳥瞰図』で扱っていた銀行業界のマクロデータは、勿論、毎月更新を続けているし、金融機関向け講演の第1部「マクロ分析編」でレギュラー陣の入れ替えはあるものの、しっかりと活躍してくれている。これもな~んの問題もない。

唯一、対応に苦慮しているのが、ご存じ週刊「金融財政事情」掲載の【隣の金融機関(となきん)】である。私が執筆を担当したのは2014年1月27日号の「山陰合同銀行」から2017年7月24日号の「南都銀行」までの23行(社)。もう足掛け3年半以上も連載が続いている。

まさか、こんなに長い連載企画になるとはまったく予想していなかった(きんざいさんの編集部も同じじゃないかな?)。継続性の欠片もない私からすると、希有でそれなりに愛着のあるコンテンツなので無下には出来ない。それに、コンテンツ数23本というのは、【縄文土偶探訪記】Season 4に次ぐ水準なのだ。

そんなわけで、お洒落ではないのだが、【となきん】のみ、『TRI稿房通信』の軒下を借りて配信する事にした。ちゃんと目立たないように、Secondary menuの後の方にひっそりと配してある。

【隣の金融機関】南都銀行は、こちらをご覧下さい → http://triglav-research.com/?page_id=19153

エーイ、ついでだから、こちらにも ↓ 画像貼ってしまおう!

と、ここまで書いて気が付いた。おいおい、7月も今日で終わりかよ。時間が経つのは本当に早いなぁ…

月末恒例の「今年いくつの金融機関を講演・プレゼンで訪問した(ちなみに、同一金融機関の複数回訪問は1回とカウント)」をアップデートする事にした。6月末が62行(社)だったから、63、64、65….. えっ、保険会社含めたら79行(社)だよ。

昨年の76行(社)をもう上回ってしまった。多い金融機関になると今年になって4回は訪問しているので、実際の講演・プレゼン数は、これよりもはるかに多くなるのは言うまでもない。

講演で訪問する金融機関の数が増えるという事は、八ヶ岳オフィスに滞在できる日数が減る事を意味する。「もう今年は仕事するやめようか?」なんて悪魔の囁きが…

いや駄目だ! ガチの「ガバナンス構造改革」特別講演資料を既に作りかけているのだ。保険会社も含めた「ぬるま湯的金融機関間株式持ち合い」がコーポレートガバナンスの在り方を歪め、それが結果として、地域銀行の継続企業性が否定されるような市場評価(PBR 0.2~0.4倍程度の銀行がゴロゴロある)を許している。

そういう「甘えの構図」を個別金融機関毎のデータでしっかりと分析・披露・問題提起するという銀行アナリストとしての『使命』をしっかりと果たすまで、とりあえず今年は真面目にお仕事しよう!

それにしても、最近、『稿房通信』は、空港や東京駅のラウンジ、或いは、新幹線車中で書いて配信するのが当たり前になってしまったな。結局、今日もそうだ… ふぴ~ 疲れた…

【隣の金融機関】 更新続けてま~す!

何事においても興味を持つと短期間で時間とお金を一気に投入し、相当に「凝る」性格なのだが、深みに嵌まる事はない。むしろ、飽きたらポーンと躊躇なく放り出して、忘れてしまう。

昨年の「TRI稿房通信」なんて、正に『放置状態』で、昨日、年間配信数を数えたみたら、わずか33本。これには我ながら驚いた。ちなみに開業初年度の配信本数は、なんと302本。大袈裟ではなく、日曜日と祭日を除いては、ほぼ毎日配信したような水準である。よく見たら、2013年10月だけで33本配信。昨年の年間配信数と同じである。これにも驚いた。

これらは、いかに稿房通信を通じた「情報配信」に対してヤル気を失っていたかを象徴する数字だ。裏返せば、それだけ昨年は「FinTechに対する勉強」に熱心だったわけなのだが、個人的な「情報吸収の楽しみ」という観点からは、昨年12月頃にピークを迎えたような気がする。これからは、個別金融機関の経営が、FinTechを通じてどのように変化していくのか(変わる銀行と変われない銀行の格差がどう顕在化するか)をライフワーク的な取り組みとして、真面目に追いかけようと思う。

「放置状態」の稿房通信には、更新が必要な固定ページが山積状態。代表者略歴の一部は、まだ2015年ベースの表記になっていたので、大慌てで更新した。悲惨な状態に陥っていたのは、【隣の金融機関】も同様である。昨年も、週刊「金融財政事情」に掲載後、一定期間を置いた後、特に「稿房通信」で告知もせずにアップのみはしていた。

さすがに、この作業だけはしっかりと続けていたつもりでいたのだが、昨晩改めて、掲載銀行数を、1行、2行、3行・・・と数えていったら、20行だった。はて? 原稿執筆用のデータフォルダは21番まで振ってあるぞ。なんで数字が合わないんだ… 4.73秒程して、すぐに気が付いた。最新版である「池田泉州銀行(昨年12月5日号掲載)」が固定ページの作成を終えたのみで、メニュー公開しないままに年を越してしまったのである。たったひとつチェックマークを付すだけの簡単な作業が出来ていなかったという不手際だ。勿論、すぐに対応したのは言うまでもない。 http://triglav-research.com/?page_id=16266 を是非、ご覧いただきたい。

思えば、【隣の金融機関】シリーズの掲載が始まったのは、弊社の開業から1年を経た2014年1月だった。昨年末まででシリーズ誕生から丸3年が経過し、息の長い「1ページで1金融機関紹介」という試みが続いている。毎年年末になると、「そろそろシリーズ終了かな」とか「執筆担当としてのお役御免かな?」なんて思うのだが、昨年11月に、金財編集部の担当の方から「2017年もシリーズは継続、引き続き執筆者として残留」との打診をいただいた。

2014年の頃よりも執筆者数が増加しているため、年間の執筆負担(頻度)はかなり楽になっている。もう21行も紹介したので、ネタ切れの懸念がややあるものの、「テキスト 約1,000文字 + 図表1枚」に凝縮して、「美点重視」で地域銀行を紹介するというのは、銀行アナリストとして「良い勉強」であるなどと不覚にも考えてしまった。そんなわけで、今年も 【隣の金融機関(となきん)】の執筆を続ける事に相成った。自分でも「継続性」がまだ尽きていないのが、ちょっと不気味である(天変地異の前触れかもしれない)。

手元に編集部から送っていただいた他の執筆者分も含めた全掲載金融機関のExcelファイルがあったので、改めて眺めてみた。私は上場地銀の内、どの程度を既に紹介したのだろううか?

現在、上場地銀・持株会社は全部で82行(社)だから、銘柄数でのカバー率は4分の1弱に過ぎない。私は、2015年後半から「銀行経営の強さの源泉は時価総額になる!」と講演で伝道してきたのだが、時価総額ベースでは全体の12兆円に対して、執筆担当行合計が3.9兆円なので、ほぼ3分の1となる。結構頑張ったつもりなのだが、まだこの程度か… ちょっとがっかりした(下記表↓)

もっとも、時価総額ベースのカバー率に拘るのであれば、他の執筆者に先を越されたためにまだ手付かずの「Top 4」、コンコルディアFG、静岡銀行、千葉銀行、スルガ銀を紹介すればよい。そう、Top 4合算の時価総額は2.7兆円強、全体の実に約23%を占めているのである。

2017年の【となきん】 は、どんな目線で金融機関選びをしようか??  これも私には珍しく、結構真面目に悩んでいる…

トリグラフ・リサーチ 稿房主
隣の金融機関

【隣の金融機関】山形銀行 WEB掲載のお知らせ

【隣の金融機関】 山形銀行

週刊『金融財政事情』2015年11月16日号—Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情 11月16日号 【隣の金融機関 山形銀行】 Web掲載(http://triglav-research.com/?page_id=14662)をお知らせする。

【隣の金融機関】-山形銀行-2015-1116

十八銀行からスタートした1等賞(1番)シリーズ、今回は、山形銀行を紹介した。本文にあるように、2014年3月期末までの10年間において、地元における貸出金シェア(金融全業態ベース)の上昇幅が、全国銀行中トップだったのが同行である。だが、私がそれ以上に注目しているのは、本年4月にスタートした「新長期経営計画」の目指す方向性だ。地元「山形県」経済の振興にかける「思い(想い)」が伝わってくる、グッとくる内容なのだ。

金融庁が、「5~10年先を見据えた中長期の経営戦略」を重視するようになって、地域銀行が公表する「中(長)期経営計画」の内容は、質的にも量的にも明らかに変容した。銀行アナリスト的には「読み応えのあるモノ」が着実に増えている。

新中計は、様々な銀行関係者の「熱い(若しくは複雑な)思い」が込められた『作品』なので丹念に読み込む。その際、幾つかの評定軸を設けている。第1の軸が「経営戦略の合理性・斬新性(ユニークさ)」、第2軸は経営戦略を実現する上での「経営戦術の具体性・実現可能性」、第3軸が「地方創生への取り組み・熱意」、第4軸は「ガバナンス構造改革の意味の理解度・取り組み」となっている。そして、最も大切な最終軸は「読後感」だ。要は、好きか嫌いか、或いは、共感や感銘を覚えたかである。

こんな5つの視点から、各行の新中計をトリグラフ・リサーチ流に「格付」するのだが、実は、結構「不適格」評定の銀行が多い。特に「馴れ合い・ぬるま湯的」な雰囲気が漂っている新中計は嫌いだ。「意気込みや思い」を外部に伝える事が出来ない中計ならば、公表しない方がマシだと思う!

私の新中計格付で総合点が高い銀行は、中四国地域にかなり集中している。一方、東北地区には、個別評価軸で、極めて高い評価の銀行が目立つ。時々、「大久保さんの【隣の金融機関】は、個別行でも地域別でも好みがはっきりと現れてますね!」とからかわれる事がある。実際そうなのだから、それが読み手に伝わるのだろう。

そう、私が地域的に一番好きなのは「東北」である(勿論、会社の地元である甲信地域が別格なのは言うまでもない)。これまでに「岩手銀行」「フィデアHD」「七十七銀行」、そして今回「山形銀行」を紹介したが、金財さんから今後も機会をいただけるようであれば、最終的には全行紹介したいと考えている。『奥羽越列藩同盟』ではないが、彼の地(東北)の地域銀行が、使い勝手の良くなるであろう「金融持株会社」を核に手を携え、「株式会社である銀行」として「規模と多角化の利益」を追求すべきと考えている。さらに「地方創生」の目線も、現行の「都道府県割」の発想を超越して欲しいと願う。

さて、山形銀行に話を戻そう。私は、同行を「地域銀行が地元経済の復興・振興に能動的に係わる事の重要性」を最も早く認識し、実行に移した銀行のひとつであると評価している。地域銀行にとって「地方創生」への取り組みは、アベノミクスにおいて「国策」となったから対応すべきものではない。高齢化・人口減少、そして、東京一極集中が加速する中、「生き残り」「勝ち残り」のために「やって当たり前」なのだ。— この事に、経営層が逸早く気付いていたのであろう。そんな思いや自信から、新長計における「地元経済に係る定量的目標」の設定に至ったものと(勝手に)推測している。

長期の経営目標は、志や目線が高い方が良い。「有言実行」を貫こうとすれば、従来の延長線上にない発想が芽生えてくるはずだ!— 私は、そう確信する。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

『TRI稿房通信』 Vol.38

【隣の金融機関】九州フィナンシャルグループ WEB掲載のお知らせ

【隣の金融機関】九州フィナンシャルグループ

週刊『金融財政事情』2015年8月31日号—Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情 8月31日号 【隣の金融機関 九州フィナンシャルフィナンシャルグループ】 Web掲載(http://triglav-research.com/?page_id=14134)をお知らせする。

隣の金融機関-九州FG-20150831

十八銀行からスタートした1等賞(1番)シリーズ、今回は、10月1日に共同持ち株会社を設立し、史上初(本当の1等賞)の地域トップ銀行同士の経営統合を実現する「九州フィナンシャルグループ」を紹介した。

週刊「金融財政事情」の8月31日号をご覧になった読者は、既にご存じと思うが、実は同号では『貸出増加にわく九州地銀』を特集している。【隣の金融機関】で、次回は「九州FG」を紹介する旨を私が編集部にお伝えしたのは6月下旬。その時点では「貸出増加にわく九州特集」が組まれる事を予想だにしなかった。したがって、今回の九州FG掲載は、正に「間がいい偶然」なのである。是非、特集内容と重ね合わせて読んでいただきたい!

九州地区は、最近は「貸出が最も伸びている(強い)マーケット」として語られる事が多いが、それ以外にもいくつか忘れてはならぬ『別の側面』を有している。ひとつめは、現在、預入限度額の引き上げが検討されている「ゆうちょ銀行の預金シェアが極めて高い」点だ。2015年3月末のシェアについては、一部業態のデータが未公表であるため算定できないが、2014年3月末時点では、ゆうちょ銀行シェア上位10都道府県の内、6県を九州が占めている。1位「鹿児島県(23.0%)」、2位「長崎県(22.6%」、3位「熊本県(22.4%)」、4位「大分県(22.1%)」、5位「佐賀県(21.8%)」、8位「宮崎県(20.6%)」である。ちなみに「福岡県(19.3%)」は16位。仮に、ゆうちょ銀行の預金預入限度額が、自民党案通りに「2段階3,000万円まで引き上げ」方式で実施された場合、最も大きな影響を被る地域と言い得るだろう。

もうひとつの「歪んだ側面」は、複雑怪奇な「地銀間株式持ち合い」が依然として解消されずに残った地域である事だ。弊社プレミアムサービスでは「銀行の政策投資株式 及び 銀行間株式持ち合い」について、徹底的な分析を行っているが、7月の全国講演では、その(ごく)一例として「九州上場地銀の銀行株保有状況」を資料として用いた。九州地区を選んだ理由は、銀行間株式持ち合いが他地区と比較して「著しく複雑かつ重い」からである。これは、九州地区の地域金融システムに、相対的に大きな「資本の空洞化(ダブル・ギアリング)」が生じている事を意味する。個人的には、国策「ガバナンス構造改革」の実効性を評価する上で「九州地区の銀行間株式持ち合い解消」は『試金石』になると考えている。

九州地銀の銀行株保有状況

こんな具合なので、地域金融システムの将来を占うという意味で、九州はとにかく面白い!銀行アナリストとして「目が離せない地域」なのだ。

今回の【隣の金融機関】 九州FGにおいて、とても重要なメッセージは最終パラグラフに込めてある。経営統合により、時価総額が倍になり「株式市場における存在感が大幅に向上する」という部分である。7月の全国講演「第5部 市場評価総括編」では、敢えて、上場銀行の時価総額ランキング表というシンプルな資料を用意した。そして「ぬるま湯的株式持ち合いが解消されれば、やがては銀行セクターにおいても他行買収が経営戦略上の当たり前の選択肢となる時代が到来するであろう。そんな時代の『銀行の強さの証(源泉)』は時価総額になる!」というメッセージを付した。単純な資料ではあったが、銀行経営者の視線は、このランキング表に釘付けになったように思う。

繰り返しになるが「単なる事業連携」に留まる銀行と「経営統合に踏み出す」銀行との決定的な差は、ここに生じるのである!

トリグラフ・リサーチ 稿房主

『TRI稿房通信』 Vol.15

週刊『金融財政事情』2015年8月3日号 「第二地銀 2015年3月期決算分析レポート」掲載のお知らせ

遅ればせながら、週刊「金融財政事情」8月3日号に掲載された、私執筆の「第二地銀 2015年3月期決算分析レポート」のWeb掲載をお知らせする(http://triglav-research.com/?page_id=13993)。8月前半は、新しい事を色々と始めたため「多忙」で、「稿房通信」の執筆まで手が回らなかった。読者の方から「第二地銀のレポートはWeb掲載しないの?」といった類の内容のメールを何通かいただき、慌てて対応した次第である <(_ _)>

既に、銀行の2016年3月期第1四半期決算が公表済のタイミングとなってしまったので、内容についての解説等は一切省略する。ひとつだけメッセージを添えるとしたら「銀行経営者の皆さん 、もっと『基礎業務利益(預貸金利息収支+為替手数料収支)』にこだわりを持って下さいね!」といったところである。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

『TRI稿房通信』Vol.9

【隣の金融機関】七十七銀行 Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】七十七銀行

週刊「金融財政事情」2015年6月22日号 ーー Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情6月22日号【隣の金融機関 七十七銀行】Web掲載(http://triglav-research.com/?page_id=13841)をお知らせする。

隣の金融機関-七十七銀行-20150622十八銀行からスタートした1等賞(1番)シリーズ、今回は、2014年3月末時点で、我が国全金融機関の中で、経営地盤とする地元都道府県において「最も高い預金シェア」を誇る「七十七銀行」を紹介した。
====================================
2014年9月中間期決算、そして2015年3月期決算と2回連続で、決算説明会への出席を見送った(出席ゼロ)
。「業務多忙」「大手町・日本橋まで出かける時間が勿体ない」等々、理由はいくらでも捻り出せるのだが、本当の理由は別にある。どうも最近の都心は、地面から瘴気が湧き上がっているようで、東京Dayなどで1日仕事をすると、ぐったりと疲れて、体調不良になる。もう私にとっては「禁断の地」化しているのだ。

決算説明会参加に割く時間が皆無となった分、決算説明会や新中期経営計画の資料をジックリと読み込む時間が確保できた。最近、楽しくて楽しくて仕方がない個別銀行(SWOT)分析に取り組む上で、これらから得られる定性的&定量的情報は極めて大切だ。勿論、『隣の金融機関』の1,000文字に凝縮した紹介文を書くに際しても、欠く事の出来ない情報源である。

良い資料にはストーリーが有り、メッセージを発する。「ここを見て!この資料を使って!」と囁きかけてくるのだ。重要なのは、ページ数でなく「思い(想い)」や「心意気」だ。また「国策」に逆らわず、上手く寄り添い、あわよくば「利用」しようとする位のしたたかさやしなやかさが必要である。

今回、4月に公表された新中計で「ROE目標」を示していないものは、私からすれば「論外」である。ROE目標は「中計」、そして10年後(長計)の2本建てで合格点、欲を言えば「時価総額(業界内の順位等)」の目標も欲しいところだ(ここまで示している銀行もちゃんとある)。

10年後の目標については、実現可能性も大切かもしれないが、私は「ちょっと背伸び」した位の内容が好きだ。長期的に高い目標を設定する事によって、従来の経営の延長線上にはない新たな戦略や戦術が生まれてくる。
====================================
新中計や説明会資料を読み込むと、何となくキーワードのようなものが浮かび上がってくる。「ギアチェンジ」
「自信」「停滞」「手詰まり」「勘違い」「唯我独尊」等々、様々だが、七十七銀行の新中計を読んだ後には「あぁ、殴り返しに行くんだな」と感じた。これはあくまでも個人的な感想なのだが、肥沃な「仙台マーケット」に進出してきた他行に対する『宣戦布告』であるように思える(勘違いだったらゴメンナサイ)。そう、結構「私好み」の中計なのである。

私が、これまで『隣の金融機関』で紹介してきた銀行の中にも、4月に新中計をスタートさせたところが数行ある。「やっぱり、しっかりしているなぁ~。私の目に狂いはなかった。」— ちょっと安心できた。好き嫌いで言うと、「山形銀行」の新中計の心意気・気概も好きだ。
==================================================
最近、『銀行業界鳥瞰図』で「ウンザリ」という表現が頻出している事にお気付きの読者がいるかもしれない。「森(銀行業界全体動向)」と「林(業態別動向等)」の動きは面白くないし、期待外れで、不甲斐なく思える。一方で「木々(個別銀行)」を詳しく分析していくと本当に面白い。「変わりつつある銀行」と「変われない銀行」の差がくっきりと浮かび上がる。また「山(日本の在り方=アベノミクス)」も、これからが胸突き八丁、目が離せない局面を迎える。バーゼル規制も、何となく「場外乱闘」「脱線」の気配が漂い、危ういというかきな臭い

これからの1~2年は「森」と「林」の観察(鳥瞰)は手を抜いてOK。「人工衛星」と「顕微鏡」の使い分けスキルを磨くべきなんだろうな…   決算発表直後に抱いた漠然とした思いは、最近、確信に変わりつつある。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

【隣の金融機関】Vol.15

【隣の金融機関】山梨中央銀行 Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】山梨中央銀行

週刊「金融財政事情」2015年4月20日号 ーー Web掲載のお知らせ

銀行系のネタは、当分、書きたくないと記したばかりだが、全国講演中に発行された 週刊 金融財政事情4月20日号【隣の金融機関 山梨中央銀行】Web掲載(http://triglav-research.com/?page_id=13144)のお知らせを失念していた事に気が付いた。月が変わる前にちゃんと配信せねばならないと思い、結局、銀行系ネタを書く事になってしまった…

【隣の金融機関】-山梨中央銀行-2015-0420さて、十八銀行からスタートした1等賞(1番)シリーズ、果たしてどこまで続ける事が出来るだろうか?「上場地域銀行における委員会設置会社移行1番手の十八銀行」「オープン系基幹システムによるフルバンキング実現1番(世界初)の百五銀行」に次いで、今回は「国内基準採用の地域銀行で自己資本比率トップ(単体ベース)の山梨中央銀行」である。

言うまでもなく、銀行にとって「資本の厚さ(自己資本比率の高さ)」は大きな強みである。個別銀行の自己資本比率の要因分析は、①レバレッジ比率の水準②RAA(Risk-adjusted assets)/TA (Total assets)倍率に分解すると、とてもスッキリする。現在、仕上げ期にある「SWOT分析フレームワーク構築作業」においては、勿論、この辺りの資料作りにもタップリと時間をかけている。

既に出来上がっている資料を眺めると、国際基準行、国内基準行共に、自己資本比率が上位にある銀行には「低 RAA/TA倍率銀行」が目立つ(まあ、当たり前ではあるが)。こういった銀行は、国債、地公体向け貸出・地方債、或いは、住宅ローンといった低リスクウェイト資産へのエクスポージャーが相対的にかなり高い。「現行のバーゼル規制」というゲームのルールの中で「賢い」戦い方をしてきた銀行と言えるかもしれない(一方で、相対的に低ROEの銀行も多いのだが…)。

だが、この「ゲームのルール」が劇的に変わるかもしれない局面を迎えている。『銀行業界鳥瞰図』では逸早くレポートした(http://triglav-research.com/?p=12153)、IRRBBのPillar1化の動きと、自国国債の(信用)リスクウェイト見直しの動きだ。これらの最終規則化は、来年度以降となる見通しであり、着地点もまったく見えて来ない。したがって、現時点では、所詮「ただの懸念」に過ぎない。

だが、仮に「規制強化」の方向に向かえば、低RAA/TA倍率銀行ほど、その経営戦略を根本から見直す必要に迫られるように思う。これまで積み上げてきたアセットのRORA(Return on risk-adjusted assets)が他のアセットと比較して相対的に低下するのであるから、当然である。

そういった局面(懸念)に備えて、従来以上に「資本を積み上げ大切に守る」という戦い方もあるかもしれないが、世の中にはもうひとつ「ガバナンス構造改革」という我が国固有の大きな流れがある。そして、これが「国策」であるのは間違いない! この国策の下、私は、これからの数年で、銀行の強さの証は「市場評価(もっとストレートに表現すれば時価総額)」に収斂していくと予想している。

グローバルで進む「バーゼル規制の見直し」と「国策 ガバナンス構造改革」という2大激流を前に、高自己資本比率銀行は「資本の活かし方」を真剣、かつ、早急に見直すべき時期を迎えているように思える。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

【隣の金融機関】Vol.14

【隣の金融機関】百五銀行 Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】百五銀行

週刊「金融財政事情」2015年3月16日号 ーー Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情3月16日号【隣の金融機関 百五銀行】のWeb掲載(http://triglav-research.com/?page_id=12559)をお知らせする。

百五銀行-2015-03161等賞(1番)になる事は、基本的には良い事だ。それが「世界初」であれば、さらに素晴らしい。【隣の金融機関 百五銀行】で記したように、同行は、Windowsベースのオープン系基幹システムで世界初のフルバンキングを実現した銀行である。当時(2007年5月)、金融誌での扱いはあまり目立ったものではなかったが、IT関連誌では大きく紹介されていた。オープン系基幹システムとは如何なるものかを知るために、百五銀行(Bank Vision:協力ベンダーは日本ユニシス・マイクロソフト)の取り組みを綴った様々なレポートを読み漁った事を記憶している。

百五銀行の新基幹システム稼働からもうすぐ8年を迎えようとしている。最近では「オープン系基幹システム」という言葉は、全国講演の質疑応答においても、ごく普通に用いられるようになってきた。本年1月5日からは「北國銀行」においてBank Visionを中核とした新基幹システムが全面稼働し、私の記憶に間違いがなければ、Bank Vision採用・稼働行は9行に達したはずである。また、昨年1月には「静岡銀行」が日立製作所の次世代オープン系基幹システムの採用を発表、5月には第二地銀の「京葉銀行」も同システムの採用を公表した。このように、地域銀行においては、オープン系基幹システム採用の動きが加速しつつある。

前回1月の全国講演でちょっと面白いエピソードがある。某行での質疑応答において、地域銀行の経営統合が話題となった際に、同行者が「システムの相性の問題でXX銀行との経営統合は難しいじゃないんですか?」といった類の発言をした。すると銀行側の役員さんから「最近はシステムの問題の垣根はあまり高くないようだよ。」との回答がすぐに返ってきたのだ。後で、その回答の意味(意図)を確認し、オープン系システム採用の流れが、地域銀行の経営統合の「掟(ルール)」を徐々に変えつつある事を学んだ。

さらに興味深かったのは、1月講演の最終日に「株式機関投資家」を訪問した際の経験である。行く先々で、当然ながら「地域銀行再編(経営統合)」が話題となった。必ずと言ってよい程「○○銀行と▲▲銀行は、システムの相性から経営統合の可能性が高そうだ。」とか「逆にシステム上この組み合わせは無い。」といったような(玄人風の)意見が先方から寄せられる。「誰がそんな事言ってます?」と尋ねると、口を揃えて「セルサイドの銀行アナリストの情報」との答が返ってきた。う~ん、私が全国を巡業で回って得ている「生の情報」とちょっと感じが違うなぁ… まあ、それだけ地域銀行のITシステムについては、変化が急という事なのだろう。

おそらくメガバンクは、今後もメインフレーム系の基幹システムを採用し続けるであろう(せざるを得ないだろう)。だが、地域銀行については、既に「オープン系」採用行が一大勢力になりつつあるのは紛れもない事実だ。そして、これが、地域銀行経営に「パラダイム・チェンジ」を引き起こす一要因であると私は考えている。その嚆矢となった百五銀行はやっぱり偉いと思う!

トリグラフ・リサーチ 稿房主

【隣の金融機関】Vol.13

【隣の金融機関】十八銀行 Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】十八銀行

週刊「金融財政事情」2015年2月9日号 ーー Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情2月9日号【隣の金融機関 十八銀行】のWeb掲載(http://triglav-research.com/?page_id=12073)をお知らせする。なお、従来は、Web 固定ページに画像ファイルとPDFファイルを掲載していたのだが、何人かの読者から「『銀行業界鳥瞰図』上にも掲載して欲しい。」との依頼があったので、今回から以下に画像ファイルを添付する事とした。

十八銀行-2015-0209

週刊 金融財政事情【隣の金融機関】への出稿も早10行(稿)目となった。ほぼ5週間に1回のペースで回ってくる締め切りにもすっかり慣れて、弊社業務のひとつとなりつつある。編集部から「解雇通告」を受けていないので、まだ「1,000文字に凝縮した地域興業銀行(候補銀行)の紹介」を続けられそうだ。

ちょっと困った事がある。きんざいさんからの【隣の金融機関】出稿依頼を引き受けた際に、すぐにでも書けそうな先を20行程ピックアップした。私が書いたのは、今回の十八銀行さんで10行(ぎょうではなく、こうです!)目であるが、候補20行程度の内、他の執筆者の方に「先を越された」銀行がいくつも含まれている。そう、当初候補のストックは、数行しか残っていないのだ。

編集部からは、執筆者によって視点が変わるので「重複執筆も可」と言われているのだが、どうも二番煎じ的で私の性に合わない。そんなわけで、現在、候補先の拡充作業を続けている。「地域興業銀行」路線を歩みつつある(或いは、歩むであろう)銀行という視点を崩す気はないが、例えば「ここは業界で1番」的な尖り(edge)を持つ銀行を優先的に紹介しようかとも考えている。

そんなわけなので、読者諸氏が勤務する銀行で「ここはウチの銀行が1番」と自慢できるポイントがあったら、是非、メールでお知らせいただきたい。但し、私の原稿は、基本「美点凝視」スタイルを貫いているので「OHRの高さ(=経営効率の悪さ)日本一」とか「システム・トラブル件数年間最多記録更新」なんてのはご容赦いただきたい。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

Light-18

【隣の金融機関】足利銀行 Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】足利銀行

週刊「金融財政事情」2014年12月8日号 ーー Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情12月8日号【隣の金融機関 足利銀行】のWeb掲載(http://triglav-research.com/?page_id=11505 )をお知らせする。

隣の金融機関への出稿も9行(稿)目となった。当初は「今年1年間の企画」というつもりで出稿を引き受けたのだが、コーナーそのものが好評との事で、まだまだ続くらしい。「執筆陣の入れ替え戦で、私は降板かな?」と予想していたのだが、現在のところ「降板宣告」はされていない。そんなわけなので、第何稿(行)まで続くかはわからないが、当面「1,000文字に凝縮した世界での個別行評価」という修業を積み上げる事になりそうだ。

さて、今回は「足利銀行(以下、同行)」を紹介した。同行向けの講演は、私が「地銀協」で行ったセミナーを切っ掛けにスタートした。セミナーの内容に興味を持っていただき、企画部門・リスク統括部門等の皆さん向けの訪問講演の依頼をいただいたのだ。講演対象はどんどん拡大し、やがて、経営トップ以下本部の役員の方々、企画・リスク統括・営業統括など中期経営計画の策定に係わる中核部門のメンバーの皆さんとの「定例講演(勉強会)」へと変容していった。本当に「勉強熱心(好奇心旺盛)」な銀行で、質疑応答では他行から受けないような質問内容がバンバン飛んでくる。お世辞ではなく「やっぱり、人材の層が厚いなぁ…」と感じるのだ。

それからもうひとつ「狩猟民族的」雰囲気が漂う銀行である。本当は「狩猟民族 vs. 農耕民族」という分類軸よりも、「縄文人 vs. 弥生人」という区分が私の好みである。「狩猟民族(縄文人)」的銀行(組織)とは、簡単に言うと「攻めの姿勢や動き」が感じられる銀行であり、私はこういうタイプの銀行が結構好みだ。同時に「洗練されていて、隙(抜け目)もない銀行」も大いに評価している。振り返ってみると、【隣の金融機関】では、こういったタイプの銀行を選んで書いてきたような気がする。

同行が再民営化後、資本制約がある中で、リスクアセットを要しない「フィービジネスの徹底的強化」に取り組み、リスクウェイトの低い「住宅ローン」を中心とした貸出資産を積み上げた戦い方は「正解」というよりも「王道」であったと言えよう。そして、一時国有化の混乱の中で毀損した「対顧客営業基盤」の再構築・強化を最優先したものと私は解釈している。現在は、この動きが、マーケット部門や国際業務へと拡がりつつある。同行のここ数年の経営パフォーマンスは、この「強みを活かす(際立たせる)」経営が軌道に乗った事を物語っているように思えるのだ。【隣の金融機関】で紹介した図表や計数は、そんな私の見方が伝わるような構成にしている。

当初のタイトルは「強みを活かす経営の確立」であったのだが、さすがにちょっと私の「思い入れ」が過ぎるかなと感じ、表記内容に改めたのだ。もうひとつ、字数制限のため言及できなかったポイントがある。図表(積み上げ棒グラフ)の下段に配した「為替手数料収支(決済関連手数料)」の推移である。ほとんどの銀行が「為替手数料収支の減益傾向」から抜け出せない中、再民営化後の同行の計数は「ほぼ横這い」を維持できている。残念ながら「その他手数料収支」のような急拡大とはなっていないが、私はこれも、対顧客基盤の強化に成功した証であると感じる。「私募投信の解約益で水膨れした資金利益」などよりも、「為替手数料収支(それも連結ベース)」の厚みや増減益動向の方が、「銀行」の基礎的な体力(収益力)の差をより的確に表すというのが、私の基本的な考え方だ。

【隣の金融機関】の最後は、『同行が、前向きの経営統合をいかに志向するかによって、関東圏の金融勢力図は大きく塗り変わるだろう。』という一文で締め括っている。これは、まったくの個人的な見解であるのだが、関東圏の地図や各県の銀行の計数等を並べて眺めていると、そのように思えてくる。

さて、ちょっと横道に逸れるとしよう。実は『銀行業界鳥瞰図』新配信体制への移行を決断させてくれたのが、同行向け本年10月の講演なのだ。『銀行業界鳥瞰図』の内容に、飽きて、物足らなさを感じていたのは私自身である。「はて、読者はどの程度のdeepなレベルまで理解し、喜んでくれるのだろうか?」— それを確かめるために、私は様々な仕掛けや実験を試みてきた。アクティブ・ソナー的実験の代表例をひとつ示そう。10月14日 第548号 『《番外提言》地域銀行経営統合促進のための太陽政策http://triglav-research.com/?p=10728である。

私はこの号で「地域銀行経営統合の際の負の暖簾計上問題と適格合併の共同事業要件判定基準」というかなりマニアックなテーマを意図的に扱った。どの位、食いついてくる読者がいるのかを試したのだ。配信した当日に2通、翌々日に1通のメールが届いた。「面白い発想」とか「会計も結構詳しいのですね…(失礼な。本業である!)」といった感想である。3通とも、内容を完全に理解いただけている事が伝わってきた。「あぁ、やっぱり、銀行業界鳥瞰図読者のレベルは高いんだ。」— そう感じた。

そして、配信の数日後、足利銀行さん(ここから、急にさん付けになる)の講演にうかがったのだ。同行は、経営企画部門が『銀行業界鳥瞰図』をプリントアウトして、関係者に配布してくれている。本当にありがたいと思う。2部構成の講演の第2セッションが実務部隊の皆さん向けだった。質疑応答の際に、経営企画部門の女性(Mさん)から、先に述べた「第548号が、斬新な発想で本当に良かった(面白かった)」というコメントを頂戴したのだ。後からわかったのだが、この方は、公認会計士資格を有し、監査法人で金融機関の監査経営もあるとの事。私の「喜びは倍増」した。今年1年の講演で、もの凄い数の質疑応答をこなしてきたが、一番嬉しかったのが、このコメントだった。

私は、その場で思った。もう不特定多数向けの「薄い内容」の情報配信はやめよう。読者数が大幅に減っても構わないから、もっと「質の高い」そして「濃い内容」の情報を本気で提供して行こう! この瞬間、現行『銀行業界鳥瞰図』は、打ち切りの方針が確定したのだ。

全国を講演で訪問すると、『銀行業界鳥瞰図』読者層の拡大を実感する。頂戴する様々なコメントや感想は、私の「宝物」である。新配信体制に移行する事になっても、コアの読者層の皆様には、数段迫力を増した情報を提供し続ける計画でいる。その背中をド~ンと押してくれた「3通のメールとMさん、そしてMさんを質疑応答に導いてくれた I(アイ)さん」に『銀行業界鳥瞰図』の場を借りて、心より御礼申し上げたい。

新配信体制移行後もよろしくお願い致しま~す <(_ _)>

トリグラフ・リサーチ 稿房主

(Vol.610)

【隣の金融機関】フィデアホールディングス Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】フィデアホールディングス

週刊「金融財政事情」2014年10月13日号 ーー Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情10月13日号【隣の金融機関 フィデアホールディングス】のWeb掲載(http://triglav-research.com/?page_id=10753)をお知らせする。

隣の金融機関への出稿も8行(稿)目となった。今回は初めて、持株会社形態によって、銀行グループを形成した「フィデアホールディングス(以下、フィデア)」を取り上げた。フィデアについては、当初、「バンカシュアランス」というビジネスモデルの確立にこだわりをもった「独自のビジネスモデル追求型」銀行グループであるという先入観を持っていた。だが、前回の全国講演で同社を訪問した際に、経営トップの「東北地域の銀行連合」構想に対する「熱い想い」に接し、そのための礎となる「オープン・プラットフォームの構築」が、より重要なキーワードであった事を改めて学んだ次第である。同グループが歩もうとしている道も「地域興業銀行型」ビジネスモデルの間違いなくひとつの形態である。

この『銀行業界鳥瞰図』は、今回の全国講演で3巡目となった「東北トリップ」を終え、東京へと向かう東北新幹線の車中で書いている。「東北贔屓」である私は、東北トリップをいつも本当に楽しみにしている。講演や会食を通じて得る情報は、銀行アナリストにとって「宝物」であり、有益な定点観測情報として、東北地区の銀行業界で生じている変化をヴィヴィッドに伝えてくれる。この1年程、フィデアの動向が、東北他行の経営層との会話の中で話題となる頻度が急速に高まってきている。同グループの「攻めの経営」が、競合他行経営層の注目を集めつつあるのは間違いないと感じる。私が「隣の金融機関」でこれまでに紹介した7行は、中国地区2行、関東、中部、東北、四国、九州地区がそれぞれ1行である。地域的なバランスを考慮すれば、本来8行目は、近畿か北陸の地域銀行が妥当だったのだろうが、東北地区で起こりつつあるさざ波(もうすぐ大波になるかもしれない)ような変化を伝えるために、敢えて「東北地区2行(社)目」として、同グループを紹介する事に決めたのである。

さて、今日は、ここから思いっ切り脱線しよう!

「レミングの行進が始まった!」— 私は、地域銀行の現状をこう感じている。レミング(旅ネズミ)というネズミ科の小動物は、増えすぎた個体数(結果として食物が足らなくなる)を調節するため、自ら行列をなし行進し、崖から海へ入水する事でかつては知られていた。現在、この行進は「誤解(自殺ではなく事故)」とされているようだが、私には「押し寄せる経営地盤の人口減」を前に、経営の変革(具体的には経営統合)に躊躇している地域銀行業界の姿がオーバラップしてならない。

現在のような状況が続けば、①大都市圏を経営地盤とし、既に経営規模が10兆円超、60%以下のOHRを実現しているような大手地域銀行数行、或いは、②コアビジネスに参入障壁を築き上げ、独自のビジネスモデルを確立した数行 以外は、レミングの行進に無意識に参加する(巻き込まれる)事になる。行進に参加した場合、「崖から海に落ちる」という結果は同じである。違うのは、海に落ちる順番だけだ。こんな将来図を個人的には描いているので、「レミングの行進(群れ)から離脱する」という勇気ある行動を実践する銀行については、銀行アナリストとしてしっかりと評価し、応援しようと決めている!

先日、ある大手地域銀行の経営階層の方達との会食で「嬉しい体験」をした。現在の経営陣と言うよりは、次代を担う経営層という表現が相応しい顔ぶれであったが、「もし経営統合に動くのであれば最初でなければ意味が無い。目指すならば、日本一の地域銀行だ!」との発言があったのだ。私は、心の底から拍手したい気持ちになった。さらに「大久保さん(私)の講演内容は穏やか(優し)過ぎる。経営陣にもっと危機感を抱かせる厳しい内容でなくては駄目だ!」とのアドバイスを頂戴した。反論の余地はなかった。

実は今回の全国講演シーズンでも、敢えて、都道府県別の「将来予測資料」の掲載を見送った。現状のデータ「成長率格差と富の偏在」だけでも、既に、現在の地域金融システムの在り方が限界点に達している事を理解できるだろうし信じ、意識的に「穏便な講演内容」を演じてきたのである。この点をズバリ指摘され、正直、ちょっと狼狽えた。そして、その後、妙な安堵感に包まれた。「こういう気概のある経営層がいるならば、地域銀行の将来も捨てたモノではない」–そう思えたのだ。

弊社は来月1日に開業3年目に入る。現在のような「総花的講演」スタイルから、個別銀行の経営分析にグッと踏み込んだ「個別対応型」にシフトすべき時期が到来しているのかもしれない。実際、そのような依頼が、どんどん増えてきているのだ。

新しい講演資料のサブタイトルは既に決まっている。
勿論、「レミングの行進が始まった!」である。

可愛らしいレミング君 海への行進(集団自殺)は、事実ではないらしいが...

可愛らしいレミング君 海への行進(集団自殺)は、事実ではないらしいが…

トリグラフ・リサーチ 稿房主

(Vol.550)

【隣の金融機関】西日本シティ銀行 Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】西日本シティ銀行

週刊「金融財政事情」2014年9月8日号 ーー Web掲載のお知らせ

Web固定ページにイメージファイルだけは掲載済みであったのだが、『銀行業界鳥瞰図』での紹介という大切な「儀式」が後手に回ってしまった。週刊 金融財政事情9月8日号【隣の金融機関 西日本シティ銀行】Web掲載(http://triglav-research.com/?page_id=10428)をお知らせする。

隣の金融機関への出稿も早くも7行(稿)目となった。実は、これまでの出稿の基本路線は、①2000年以降、経営統合を経験していない ②地域No.1(資産規模や預貸金シェア)銀行であった。そして、③ 私の目から見て「地域興業銀行路線」を歩み出している(或いは、歩み出そうとしている)と考えられる銀行を選んできたつもりである。

が、私はそもそも「地域銀行経営統合必要論者」である。隣の金融機関への出稿を引き受けた段階で「経営統合(合併・持株会社)」の成功事例や注目事例をどこかのタイミングで紹介しようと目論んでいたのだ。これまで、山陰→甲信越→四国→関東→山陽→東北 と地域も分散してきたので、地域をそれ以外とし、そして「経営統合」経験行という条件を考えた際に、真っ先に浮かび上がったのが「西日本シティ銀行」である。

私が、現在の全国講演スタイルを始めたのは2007年からである。今年で8年目になる。講演テーマは大きな括りで「年間2つ」設けてきたので、お座敷(講演依頼)をいただけば、ひとつの銀行を年に2回訪れることになる。私が会社開業準備等で休んだ期間を除いて、この年2回訪問を欠かさず続けてきた銀行は、ほんの数行(すうこう)しかない。西日本シティ銀行は、その内の1行である。もう1点加えるならば、1日当たりの@本店最多講演回数4回を記録したのも同行である。4回の講演に参加いただいた皆さんの部署、経営階層はすべて別であり、しかも講演時間もバラバラだったので、その場で4通りの講演内容をアレンジするという「器用な職人芸」を披露せざるを得なかったことを記憶している。今となっては良い思い出だ。特に、東京のマーケット部門の皆さんには、いつも有益なディスカッションの機会を頂戴し、本当に感謝している。『銀行業界鳥瞰図』の場を借りて、改めて御礼申し上げたい <(_ _)>

銀行の経営統合にはいくつかの大きな意義があると、個人的には考えている。第1は、経営統合を契機に、経営の方向性やビジネス・モデルを大胆に変えることだ。第2は、経営効率改善のための源泉の確保(獲得)である。重複店舗の統廃合や人員の効率化を通じた営業経費の削減を進める事と言った方がわかりやすいかもしれない。第3は「前向きのシナジー効果」というやつで、顧客基盤の拡大を背景とした粗利拡大のシナリオを描き、それを実行する事にある。第2と第3の効果は「OHRの推移」で評価する事が可能である。今回の【隣の金融機関】では、コア業務粗利益ベースのOHRでこの分析結果を披露している。実は、OHRに限定せず、地域銀行全体計数をベンチマークとした上で、経営統合行の役職員数、店舗数、預貸金、業務粗利益、営業経費等々の推移を並べて見れば、その経営統合の成否は明確に採点できるのだ。「株式会社である銀行の経営統合は、収益力(経営効率)改善の果実をもたらすものでなくては意味が無い!」— これは、私の持論でもある。

第4のそして無視することの出来ない重要な意義は「時価総額が大きくなること」にある。これについては、前回の全国講演から(久し振りに)解説を加えるようにしている。機関投資家(ファンド)は、運用対象とする企業の時価総額に、社内ルール(内規)でフロア(最低投資対象時価総額)のようなものを設けているケースが多い。上場銀行同士の経営統合の場合、時価総額が足し算で大きくなり、その結果として「組み入れ対象銘柄(買える銀行)」に昇格する場合も有り得るのだ。これに「経営統合を契機とした収益力(経営効率)向上」というエクイティ・ストーリーを付加することも出来るので、銀行の経営統合は「市場評価改善の起爆剤」としても機能するわけである。

無料Webレポートである『銀行業界鳥瞰図』であまり手の内を明かしたくないのだが、個人的に経営統合の成否を採点する上で重視しているポイントがある。それは、「経費減らして(地元)シェアは落とさず!」という大原則だ。経営統合を機に、思い切った店舗や人員の削減を進めても、預貸金を中心としたシェアが落ちて行ったのでは意味が無い。これは「縮小均衡」を加速させたに過ぎないのだ。故に、私は、経営統合後の推移を追う際に「地元シェア」がどう変化したかも分析している。過去の事例では、経営統合後数年は「貸出金」を中心に地元シェア低下圧力が高まることが確認できている(所謂、顧客サイドの借入シェア調整の動きによるものと推定される)。では、今回、紹介した「西日本シティ銀行」の場合はどうだったのか?

合併後10年で国内本支店数を3割削減した旨を【隣の金融機関】で紹介済みだが、地元の福岡県での全金融機関ベースの「預金シェア」は、経営統合前04年3月末合算の17.3%が13年3月末には 19.0%へと大きく上昇している。シェア低下圧力が高い「貸出金シェア」も25.1%が24.7%と大健闘。「経費減らしてシェアを落とさず」の典型的事例なのである。そして、本年4月からスタートした新中計では「地域興業銀行型ビジネスモデル」の追求がより鮮明となっている。

最後に、何故、上記の地元シェア比較が、最新14年3月期データではないかと解説しておこう。信金・信組・ゆうちょ銀行等を含めた「全金融機関ベース都道府県別預貸金シェア」分析のベースとなる「月刊 金融ジャーナル増刊号 金融マップ2015年版」が未発売だからである…

【隣の金融機関】は、わずか1,000文字に凝縮した世界だが、その背景には膨大な個別銀行の分析データが控えている事を忘れないで欲しい。そして『美点凝視』だ。私の姿勢は揺るがない! あっ、今週、次回の締め切りが迫っているのを忘れてた…

トリグラフ・リサーチ 稿房主

(Vol.529)

【隣の金融機関】岩手銀行 Web掲載のお知らせ

【隣の金融機関】岩手銀行
 週刊「金融財政事情」2014年7月28日号 ーー Web掲載のお知らせ

週刊 金融財政事情【隣の金融機関】への出稿も早いもので既に6行(稿)目となった。最新7月28日号に掲載された「岩手銀行」のレポートを、いつものように『銀行業界鳥瞰図』固定ページ【隣の金融機関】に掲載したので、ご覧いただきたい。

今後も私は、地域興業銀行路線を歩み始めている銀行という目線から、レポート執筆対象とする銀行を選択していく予定でいる。これまでに私が選んだ銀行は「山陰合同銀行」「八十二銀行」「伊予銀行」「常陽銀行」「中国銀行」、そして今回の「岩手銀行」である。先日、全国講演で定期訪問しているある銀行の経営企画の方から「大久保さんの銀行の好みがはっきりと出ていますね。」との言葉を頂戴した。褒められているのか、冷やかされているのか、或いは、それ以外の意味が込められているのか、よくわからなかった。

確かに私は何事にも「好き嫌い」が激しい。特に「対人関係」でそれがはっきりと出るようで、それが第三者にも伝わるらしい。以前に勤務していた外資系投資銀行の調査部門の上司に「大久保は、嫌いなタイプの人間は名前すら覚えずに完璧に無視するので、逆にトラブルが少ない。」と、これも褒められているのか、呆れられているのか、不明のコメントをもらった事がある。自身の好き嫌いの激しさを否定するつもりはまったくないのだが、【隣の金融機関】については、一定の基準を設けて、厳正に対象候補を絞り込んでいる。弁解するつもりはないのだが、『銀行業界鳥瞰図』でその基準なるものを公にしておこう。

第1の基準は「経営の方向性に共感」を覚える事だ。繰り返しになるが、個人的に「地元地域経済の再生・振興に能動的に関与する意志(強いコミット)を持ち、それを遂行できる規模・機能・人材等を有する銀行」を「地域興業銀行」と定義づけている。そして、その路線を歩みつつある(或いは、歩もうとしている)銀行を積極的に応援していこうと決めているのだ。これを「好き嫌い」と呼ぶのなら、おそらくそうであろう。もっとも、私本人は、長きに亘って「銀行業界の調査業務」に従事してきた人間の『社会的使命』のように感じているのだが。。。

第2の基準は、経営トップを中心とした経営層と私との間で十分な情報交換が出来ている事だ。もう少し、具体的な表現をするならば「生(本音)の声や経営に対する熱い思い」に接する事が出来るか否かである。これには、決算説明会での頭取プレゼンテーションなどは含まない。全国講演で訪問した際の質疑応答、個別面談、或いは、会食等の機会から得た情報で判断する事としている。公開情報の資料等だけを眺めた分析では、銀行が目指そうとする本当の姿は見えてこない。そして、資料だけの分析に依った「私の思い込み」を排除する上でも、この第2の基準は「決定的に重要」なものである。

第3の基準は、法定開示項目以外の情報開示の充実度合いだ。決算短信、有価証券報告書、そしてディスクロージャー誌に丹念に目を通すのはアナリストなら当たり前である。【隣の金融機関】の記述では、総資産規模以外では、これら法定開示資料のデータを用いる事はほとんど無い。その代わり、決算説明会資料、中期経営計画関連資料等の自主開示項目については、本当に細かくチェックを入れている。特に重要なのが「定量的情報」である。私は、定量的情報の量が少ないレポートは「読むのも書くのも大嫌い」だ! 【隣の金融機関】では、必ず図表を1枚掲載する事にしているが、これまでの6行の図表のほとんどは、法定開示項目では作成不能(=自主開示資料をベースに作成)な内容としている。個別銀行が自主的に開示する資料は、当該項目に対する自信や思い入れなどが反映・凝縮された最重要メッセージである。そういった情報開示が充実した銀行は、私から見れば「安心して紹介できる銀行」と言える。

私が、あと何行(稿)、【隣の金融機関】を書き続ける事が出来るかは定かではないのだが、最近は5週間に1回訪れる「締め切り日」が、苦痛ではなく「楽しみ」に変わりつつある。図表抜きで1,000文字、そしてわずか1ページでひとつの銀行を描くという作業は、26年間の銀行アナリスト稼業においても初めての経験であり、「美点凝視」の姿勢を貫き、無駄を削ぎ落とした文章は「私からのエール」でもある。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

(Vol.468)

 

 

【隣の金融機関】Web掲載のお知らせ

『銀行業界鳥瞰図』読者の皆様へ

この度、週刊「金融財政事情」編集部のご承認を得て、私がトリグラフ・リサーチ開業後、同誌に寄稿したレポートを『銀行業界鳥瞰図』Web上に掲載する事となりました。『銀行業界鳥瞰図』の場で、編集部のご厚意に改めて御礼申し上げます<(_ _)>

【隣の金融機関】という固定ページを作成し、メイン・メニューからアクセスできるよう設計してあります。画像ファイルの下にPDFファイルも添付してありますのでご活用下さい。

『銀行業界鳥瞰図』は今後も、コンテンツの見直しを継続的に進めていく計画です。銀行ネタとは関係の無い「縄文土偶探訪記」は、早く会社の facebookに移さねばと思っているのですが、どうも facebook が苦手で、なかなか手を入れる気になりません。一方で、土偶さんネタはかなりの人気で、『銀行業界鳥瞰図』における人気検索キーワードの1/4程度は、土偶、或いは、縄文ネタという状況です。そんなわけで、もう少し「間借り」状態が続くと思います。銀行ネタ系の読者の方はご容赦下さい。

『銀行業界鳥瞰図』は、Webの設計から更新まで、まったくのど素人である私が「最小限のコスト(時間とお金)」で運営しておりますので、コンテンツを一気に変更するというような「荒技」は使えません。マイナーチェンジの都度、読者の皆様にお知らせ致します。

引き続き『銀行業界鳥瞰図』をご愛読いただけますようお願い申し上げます。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

(Vol.446)